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2022.11.26 UP

【バッグ、スカーフetc.】エルメス名品ができるまで「エルメス・イン・ザ・メイキング」に潜入!

本場パリから各セクションを代表する職人たちが来日。6日間だけという短期間での開催、貴重な機会ゆえチケットは瞬く間に完売。機会を逃してしまった! という方も多いであろう「エルメス・イン・ザ・メイキング」。エルメスラバーの皆さまに、少しでも”行った気持ちになって”いただくべく、NaVY編集者が見た「エルメスの手仕事」を僭越ながらレポートさせていただきます♡

訪れたのはこんなイベント!「エルメス・イン・ザ・メイキング」

11月22日〜27日の期間、京都の京セラ美術館にて開催。各メチエ(製造部分)を代表する職人たちが愛用の道具を持ち来日、「4テーマ、全10パート」にも及ぶセクションで、素材やアトリエでの職人たちの技術を垣間見ることができる貴重な機会となった展覧会。鞍のブランコやワークショップなど”体験型”のコーナーもあり、エルメスらしいウィットも随所に。コペンハーゲン、トリノ、トロイ、シンガポールなど世界各地を巡り、待望の日本での開催となりました。

日本では5年ぶりの開催。このためにパリから職人たちが来日!

日本では5年ぶりの開催。このためにパリから職人たちが来日!

こちらはエルメスのスカーフ「カレ」のコーナー。リヨンの絹織物の伝統を受け継いだシルクスクリーンの製版技術は習得するまでに3年かかり、そのうち2年は印刷台で先輩の職人がつきっきりで指導にあたり、その技術を継承するというものです。
実に75,000以上もあるという「エルメスの色」のライブラリー。デジタルファイルは色の数だけ存在し、1色につき1枚ずつのフレームを使用。1枚のカレを作り上げるために、通常25〜30枚ほど、細かいデザインのものを製作する場合は48枚にものぼることも!
以前、私が職人さんが来日するイベントを見たのは表参道でのこと。日本ではその時以来、今回5年ぶりという久しぶりの開催。当時、イベントで会ったライターさんがちょうど”鞍をオーダーした”という話を馬具コーナーでしたところ「その鞍、3日前に仕上げておいたからきっとそのうち届くよ」とのコメントが。実際彼女の鞍を手がけた職人さんだった(!)という運命的サプライズがあったエピソードを、この日に思い出しました。実際それを”作った”人と”手にする人”が会えたなんて、なんて素敵なこと…! まさにエルメス ミラクルです。

BIGオルゴール&スロットマシーン。エルメスらしい”ウィット”を存分に!

 

ハンドルを回すとフランスの童謡が流れるBIGなオルゴールと、右はうまくいくとエルメスのスカーフ柄ができあがるという、夢のようなスロットマシーン! ちなみにハンドルを下げたところ、無事、スカーフ柄が正しくできあがりました♡

バッグやグローブ。”エルメスレザー”のアイテムはココが違った!

バッグやグローブ。”エルメスレザー”のアイテムはココが違った!

《ケリー》バッグは、40点あまりのレザーパーツから生み出されているの、ご存知でしたか? 木製のクランプで挟み本体を組み立てる技術には力強さと繊細な”手”仕事が欠かせません。レザーを固定したら、素早く精確なサドルステッチでパーツ同士を繋ぎ合わせる作業へ。これらにはマニュアルはなく、アトリエで実際作業を重ねることで習得されるものなのだそうです。
右はグローブの工程。レザーを引っ張って伸ばす作業を、実際に拝見。しっかりと伸ばすことで、使い込んでも形が損なわれず、しなやかさが保てるグローブへと仕上げることができるのだそう。19世紀に発明された裁断機で革を正確に指の形になるよう切り出し、手で縫い合わされた後、「ホットハンド」と呼ばれる特別な機械でアイロンを施し、ようやく完成します。

”あのモチーフ♡”にときめいた、ウォッチ&ジュエリーコーナー

”あのモチーフ♡”にときめいた、ウォッチ&ジュエリーコーナー

「《シェーヌ・ダンクル》だ!」「これは《Hウォッチ》の前身ね…!」そんなふうにワクワクしたウォッチ&ジュエリーコーナー。拡大鏡に目を凝らし、時計には何十、何百というコンポーネントを丁寧に並べて。時を刻む時計のムーブメント、時を経ても錆びないアイコニックなシルバージュエリーは、こんな緻密でいて時間をかけた手作業から生み出されているからこそ叶うと知ると、自分が持っているものにもいっそう愛着が湧きました。

大切な人へ、職人から職人へ。”受け継ぐ”ことこそが大事

ハッとした言葉。「時」はエルメスの友

ハッとした言葉。「時」はエルメスの友

経年変化を遂げる革製品も、職人の技術も。ともに”受け継ぐもの”として、どちらもエルメスが大切にしていること。思わずカメラを向けてしまったのが「”時”はエルメスの友」というこの言葉。ひとりの職人が数日を要して完成させるオブジェのひとつひとつにも「時」があり、大切な人から受け継がれたものにもまた、長い「時」がある。傷みをやさしく隠し味わい深さだけを残す”リペア”の技術も、エルメスが私たちにくれる、頼もしさへとつながります。リサイクル素材に新たな息吹を吹き込む”リプロダクト”への取り組みも「時」を大切にする、エルメスなればこそ。

”100年もの”にできる理由のひとつ。「リペア」で愛用品をより長く

”100年もの”にできる理由のひとつ。「リペア」で愛用品をより長く

帰ってきて母から譲り受けた《ケリー》バッグをリペアに出してみようかな? と思いました。”磨き直し”という手入れから、経年変化したパーツの修理や修復まで。ステッチを直したり、当初の色を再現することができるのも、やはり”そのブランドで”あるからこそ。そこには経験はもちろん、工夫や創造性、決断力、”専門の皮革修理職人”の熟練の技があってこそ、「また新しい姿に出会えることを楽しみに」帰りを安心して待っていられるのだと思います。

水中で200年を過ごした!? ”神秘のレザー”の存在

水中で200年を過ごした!? ”神秘のレザー”の存在

ロシア皇帝の馬車の内装やトランクにも使用され、200年近く海に沈んだあとも生きていたことで、その耐久性が実証されたレザー、それが「ヴォリンカ」と名付けられたロシアンレザー。それから20年後、1990年代にその”伝説のレザー”を復活させて作られた《ケリー》や《サック・ア・デペッシュ》のバッグが今回展示されていました。イベントでは”神秘のレザー”の香りを嗅げるという、貴重な経験もできました。スモーキーでいてウッディな香りは時の流れもあってか、それぞれ異なる香りを放っていて、同行ライターさんは「これが今回いちばんしたかったこと!」と感極まっていました。

使われなくなった素材から生まれる可能性「petit h(プティ アッシュ)」

使われなくなった素材から生まれる可能性「petit h(プティ アッシュ)」

何らかの理由で使われることがなくなった素材を、クリエイティビティで新たな形へと生まれ変わらせた「プティ アッシュ」。陶器にレザーのハンドルを配したり、天井からはブランコも! 右の写真は、一緒のライターさんが以前購入したというリサイクルレザーのリバーシブルブレスレット。

自然に敬意を示して生まれる、絶対的な「色」と「素材」の美しさ

「色」を追求し、生まれる磁器たち

「色」を追求し、生まれる磁器たち

機械的ではない、温もりのある色の濃淡やライン。自宅に戻りマグカップを見ながらそう感じたのは、このエリアでの経験があったからかもしれません。右は、デザインの原画をできるだけ忠実に再現すべく磁器絵付け職人がさまざまなトライアルを重ねた色出しのサンプル。絵柄はまずデザインの輪郭を描き、次に色を入れ、その後スポンジ刷毛で色を均一に。その後、平均800℃の窯で何度も焼くことで、顔料が色彩となって鮮やかに表れるという多数の工程を経ています。

”育まれる”環境は、「人」も「レザー」も同じという価値観

職人たちはファミリー。授乳室もある”エルメスの工房”

職人たちはファミリー。授乳室もある”エルメスの工房”

アトリエに授乳室があることは、当然。”雇用する”より”ファミリーである”という考えを持つからこそ、職人たちの働く環境を大切にしているのもエルメスの魅力。実にエルメスの職人は、全体数の1/3を締めているのだそうです。
職人はもちろんのこと、それを”続ける”ためにこだわっているのが「アトリエ」のあり方。地域社会に愛される持続可能な施設であるべきという考えのもと、皮革製品のアトリエは、レンガと木材のみを用いて建てられているのだそうです。建てられたこの地域では住宅が再興し、交通機関が運行されるなど、地域の活性化にも貢献しています。
これはその「消費するエネルギーよりも生産するエネルギーが多くなる」ようにという思考を凝らし建てられた皮革製品のアトリエのミニチュア。中を覗き込むと、そこには職人さんたちの姿も! 細やかな作りに、思わずさまざまな角度から撮影を繰り返してしまいました。

外へ出たらキレイな空。平安神宮の鳥居が、エルメスのオレンジにも見えて

外へ出たらキレイな空。平安神宮の鳥居が、エルメスのオレンジにも見えて

午後イチに入館し、じっくりと館内をまわって外に出たら、そこは”マジックアワー”、ほんのりと色づいた空と、開催場所である京セラ美術館前にある平安神宮の鳥居が「オレンジ」に見えました。手前にはエルメス イン ザ メイキングのアート。素敵なコラボレーションに、思わず冬の澄んだ空気を大きく吸い込みました。少し寒かった日も、それが清々しく変わるーーこんな時間に「明日もまた頑張ろう!」。そんな力をもらいました。

京都の手仕事から生まれた「エルメスのスカーフSTORY」知っていますか?

開催地の京都と、エルメスとの接点は数年前にありました。エルメスが長年探し求めていたマーブルプリントの先にあったのは、京都で代々受け継がれてきた「京都マーブル」の技術。世界各地で優れた技術を見つけるドキュメンタリーをこの日改めて拝見。ムービー「”Footsteps across the world” 世界をめぐる足跡」必見です!

お問合わせ先/エルメスジャポン 03−3569−3300
https://www.hermes.com

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