【留学体験】カナダ留学で確かになった進路「一生続く親友が世界中にできたことは大きな宝物」
海外留学を選択する子どもが増えている今、気になるのはその先で何を学び、どんな力を身につけていくのか──。子ども本人のリアルな体験談をお届けします。
「カナダ留学で確かになった社会課題と向き合う進路」
はなのさん(23歳)Hanano
カナダ/Ecole Salish Secondary 卒業
中学2年生の時に、カナダのサマースクールに参加したことがきっかけで留学に興味を持ちました。その後、カナダ大使館が主催する公立高校のフェアを見に行った際、留学先には色々な選択肢があるけれど、現地密着の生活をするなら公立でホームステイがいいと感じたことや、カナダは英語の訛りが少ないことが決め手となりました。無意識でしたがカナダに惹かれた理由は、福祉活動に対する国としての意識が進んでいたことにもあったと思います。小学生の頃、がんを患った父の頑張りを見ていた経験から、日本でも福祉活動の団体を立ち上げて活動しており、福祉、アート、ウェルネスの分野に関心がありました。留学先では、社会を自分ごと化して考え、社会と近いと感じられる授業が多いことに感動し、積極的に臨みました。意識が高い仲間や、社会問題を深く考える環境で過ごしたことで、自分がやりたいとぼんやり思い描いてきたことに輪郭ができたように感じました。
そのままカナダに身を置くか進路を迷いましたが、日本でもこの分野を更に学べることを知り、立教大学コミュニティ福祉学部へ進学。就職は、「社会課題とクリエイティブと、ビジネスを抱き合わせて関わっていく」というビジョンに可能性を感じた、大手代理店一択で入社試験に挑戦し、無事、この4月から新入社員となりました。これまでの人生が全て結びついて今があり、留学で飛び込んでみて得られた宝はたくさんあったと思います。
留学プロフィール
■ 幼稚園〜高校2年生
都内私立一貫校(高校2年生で退学)
■ 高校(17歳〜)
カナダ/Ecole Salish Secondaryの11年生に入学
■ 大学(19歳〜)
立教大学コミュニティ福祉学部入学
■ 就職(24歳〜)
今春から大手代理店に就職
カナダの高校に留学したきっかけは?
中学2年の夏休み、カナダへ高校留学中の兄に家族で会いに行った際に現地のサマースクールに参加。その時の楽しい経験のおかげで英語が好きになり、その後、カナダ大使館が主催する留学フェアに行ったことで留学に興味を持ち始めました。
ホームステイ生活はどうでしたか?
ホームステイは当たり外れがあります。入学前に語学学校へ通っていた最初のホストは恵まれた環境でしたが、学校近くのホストに引っ越した際は、冬でもヒーターをもらえず、家の中でダウンを着て過ごしたことも。エージェントにホストを変えてもらい、再び穏やかな生活に。
授業はどうでしたか?
“ソーシャル・ジャスティス”や“フライデー・フォー・フューチャー”という社会問題や未来について考える授業に啓蒙されました。「自分はゲイ」という先生の告白に涙したり、環境汚染を考える集会に参加したことも。社会を変えたいという意識の高さは授業からも感じました。
留学中で一番大変だったことは?
あえて日本人や留学生の少ない新設校を選んだので、現地の生徒が多く、友達を作ることが大変でした。得意だったはずの英語も3カ月は現地のスピードについていけず、自分で作ったお弁当を一人で食べるなど、今まで経験したことのない孤独を感じたことも。
高校生活で一番の思い出は?
エリアによっては留学生の人種が偏っている高校もありましたが、新設校を選んだことで留学生は1割ほどでした。スペインやオーストラリアなど、様々な国から来た留学生コミュニティが生まれたことで、一生続く親友が世界中にできたことは私にとって大きな宝物となりました。
FATHER’S VOICE
留学で娘が得たものは仲間とともに進む力。先日もバックパッカーでヨーロッパを巡り、宿は各地の友人宅。世界に友がいる姿は幸せな奇跡です。強く願った就職先を実現できたことも、留学で培った強さと真っ直ぐな心が息づいていると感じます。新社会人になった直後の今、相変わらずマイペースな娘には面食らいますが、先が楽しみです。
取材・文/鍋嶋真伽 イラスト/ボンジュール トモコ 編集/磯野文子
*VERY NAVY 6月号「私たちの“留学リアル”」より抜粋。詳しくは2026年5/7(木)発売VERY NaVY 6月号に掲載しています。