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2021.06.04 UP

SAPIX YOZEMI GROUP髙宮夫妻対談 「子どもが英語を身につけるために必要なこと」

ERY NAVY 5月号で、これからの時代の“インターナショナルな子育て”について語ってくださった髙宮信乃さん。実はこの時、夫でありSAPIX YOZEMI GROUP共同代表の髙宮敏郎さんも多忙な中会話に加わってくださっていました。<前回>に続き今回も、誌面ではご紹介できなかったスペシャルな夫婦対談をweb限定で公開します!

――子どもに英語を身につけさせるために、一番いい方法はなんだと思いますか?

 

信乃:英語はツールだと思うので、近場でカジュアルに体験するのが一番かなと思います。嫌いになったらやらなくなってしまうので、スポーツやピアノと一緒で勉強と捉えず、趣味にしてほしい。手っ取り早いのはやはり海外に行かせることなのですが、一度も海外行かなくても英検一級をとってしまう子もいます。Netflixなどで英語の子ども番組をバックグラウンドでつけっぱなしにするのもいいですし、小さい頃から始めるのはやはり有効です。低学年キャンプに行かせるだけでも違うと思います。でも10歳まではしっかり日本語を、というのであればそれもいい。他の人の基準に合わせるのではなく、楽しんでできるか、そのやり方が向いているかは常に考えてあげてほしいです。

 

敏郎:僕は1歳から4歳までイギリスに住んでいて、当時は英語しかしゃべれず、帰国後は英語のOS(オペレーティングシステム)の上に日本語を上書きしてしまって英語が消えてしまいました。就職後、留学したのですがめちゃくちゃ苦労したんです。小さい子の方が身につけるのは楽ですが、続けないと消えてしまう。生活のシステムの中に入れられるかどうかが鍵ですね。

 

信乃:インターに通う娘は逆で日本語をいかに身につけさせるか考えています。10歳まではしっかり日本語でというのも正しいと思います、英語は10歳からでも遅くないので。

 

敏郎:妻は、英語と日本語ではメールを書くスピードが違う。海外育ちの妻はやはり英語の方がライティングが早いんです。今でこそ何も支障がないように見えますが、どこかで漢字など猛特訓しているはずなんですよ。昔はバイリンガルって得だなと思っていたのですが、両方をきちんと身につけるためには、どこかで倍努力しなければならないんですよね。

 

信乃:私は大学の時に漢字の特訓をしました。でも、ゼロからではありません。幼いころに学んだ日本語が土台でした。繰り返しになりますが、日本の教育における基礎作りは高く評価しています。何事も基礎が大事。その先は個人の努力次第だと思っています。

 

敏郎:失敗して両方中途半端というパターンもあるので、努力は必要ですね。一つでも大変なのに、二つの言語を身に付けるのですから。短い時間でラジオ講座でもオンラインの会話でもいいし、毎日習慣化するのが大事かと思います。

 

親が楽しくないと、
子どもの自己肯定感は上がらない

 

――少し早いですが、思春期にどう向き合いたいか、考えはありますでしょうか?

 

敏郎:そもそも、夫婦が楽しまないと子どもも楽しめません。自身の幸福度が高く、周りのサポートを受けていて、「衝動性が高い」保護者の方が子どもの幸福度が高いという調査がありますが、今もこれからもそうありたいと思っていて。週末の朝に晴れているから海へ行こう、と突然動けるような親の方が、子どものポジティブチャレンジを応援しやすいのだそうです。

 

信乃:子どもの人生も大事だけど自分の人生も大事だよねと、ある意味では大人優先なところはありますし、夫婦で意見が一致しています。思春期に関しては、私はボーク重子さんから「無理に関わらない方がいい」とアドバイスをいただき、すごく共感していて。その時はさらに仕事に打ち込むのか、相談できる第三者との関わりを創出してあげるのか、小さい次男にだけ愛情を注ぐかかなと密かに思っています(笑)。

 

敏郎:大ファンのローリングストーンズのTシャツをときどき娘にも着せていたんですが、自我が芽生えてきて嫌だと言われて…もう長男次男にしか着せられないですね(笑)。

 

――もう小3ですもんね(笑)。最後に、日本の教育は過渡期にあるかと思いますが、良い方向に変化していけるでしょうか?

 

敏郎:日本にも変化の兆しはあります。東大は4月入学から9月にしようと試みて話題になりました。海外のスタンダードのように、東大入試から紙がなくなる日がいつか来るのか。海外では平時のテストスコアとエッセイだけで、入試日に紙のテストをしないところが多い。でも日本の公教育では公平性が重んじられますから、日本は紙のテストを捨てられないよねという人もいる。でもその時、公平性ってなんだろうと思うんですよ。日本の価値観や入試文化を大切にするのか、世界の流れに合わせていくのか、ターニングポイントだと思います。

 

信乃:確かに海外ではエッセイの比重がすごく大きいです。エッセイは功績を書いて自慢するものではなくて、嬉しかったことや失敗も正直に書かせることで、どういう子かを見ている。何十万人と受験生がいるアメリカの州立大学ではテストの結果に重きを置く傾向がありますが、偏差値ではなく個性が重んじられるのが世界の教育のスタンダードなんですよね。日本でも個に寄り添った教育が重んじられればいいなと思います。

 

敏郎:あと海外の学校を視察して興味深いのは、どんな学校も演劇に力を入れていて舞台があること。娘を海外に連れて行ったとき、もともと臆せずいろんな質問をできるタイプなのですが、舞台の上では緊張して固まってしまって。人前に出て圧を感じても自分の想いを言えるかはますます大事になっていくと思うので、そういう経験を積ませる教育は海外が進んでいるなと思いましたし、日本でもできればいいなと。

 

信乃:自己肯定感、しっかり育てたいですよね。

 

敏郎:多様性が広がっていくなかで、お互いにリスペクトできるか、しっかりコミュニケーションできるかがこれからは大事だと思うんです。ベースとして自分への自信、自己肯定感を持っていることが必要。SAPIXで育った子がいろんなところで活躍しているのを見るにつけ、入試がゴールではないし、中学受験で培った力は世界で活躍するファウンデーション(基盤)なのだ、と。教育の一翼を担っている責任の重さはすごく感じているので、日本の教育改革がいい方向に進むように少しでもお役に立ちたいと思っています。

Profile

髙宮信乃さん

1978年東京都生まれ。イスラマバード、香港、ジャカルタ、ワシントンD.C.、横浜市、ハルツーム、キャンベラと幼少期を過ごし、ニューヨークで高校・大学生活を送る。リーマン・ブラザーズ証券株式会社などの外資系金融機関を経て、現在、SAPIX小学部などを運営する株式会社日本入試センターの国際教育事業本部長、北米ボーディングスクール留学をサポートするTriple Alphaの取締役会長、株式会社ベストティーチャーの取締役副社長。夫でSAPIX YOZEMI GROUP共同代表の髙宮敏郎氏との間に、8歳の男女の双子、1歳の男の子がいる。

Profile

髙宮敏郎さん

1974年東京都生まれ。1997年慶應義塾大学経済学部卒業。三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)を経て、2000年より学校法人高宮学園に。ペンシルバニア大学で教育学博士号を取得。09年より副理事長となり、現在SAPIX YOZEMI GROUP共同代表、学校法人高宮学園 代々木ゼミナール副理事長、株式会社日本入試センター代表取締役副社長などを兼務。信乃さんと2008年に結婚。

撮影/杉本大希〈zecca〉 取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子

 

 

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