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教育ニュース

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2021.01.14 UP

「来年からの成人年齢が18歳に
引き下げ」が意味すること

お子さま方の「成年」へ向けて、大人として何が必要か、何を身につけさせないといけないかを考えながら、子育て、できたらいいですね。

 

 1月といえば、お正月に引き続き「成人式」で華やかな晴れ着姿を見かける時期ですね。自分の子供が成人式を迎えるって、どんな心境なのだろうと、ちょっとワクワクする気分です。成人といえば、「20歳(ハタチ)」でしたが、実は、来年、2022年から18歳に引き下げられるのです。18歳でオトナになる——我が子が大人になるのは、まだまだ先と思っていたのが、グッと近づいたという人もいるのではないでしょうか。

 

 20歳から18歳の引き下げは、2018年6月に成年年齢を引き下げることを内容とする民法が改正されて決まりました。この改正された民法が2022年4月に施行されることから、来年4月1日現在18歳以上20歳未満の人は、この時点で成年年齢に達する、つまり成人となります。具体的には、2002年4月2日から2004年4月1日生まれの人です。現在の高校2、3年生ということになりますね。それ以降、18歳となる人は、自分の誕生日をもって成年年齢に達するということになります。

 

 成年(一般的には成人)になるというのは、保護者の同意なしにできることが増えます。例えば、携帯電話の購入やアパートを借りること、支払い能力の有無によりますが、ローン契約やクレジットカードの作成などができるようになります。あるいは、10年有効のパスポートの申請や、司法書士や公認会計士などの国家資格を有する職業に就くこともできるようになります(もちろん、資格試験に合格しなければなりませんが)。

 

 一方、お酒・たばこや、競馬・競輪等の公営競技については、依存症や健康面を考慮して、引き続き解禁年齢は20歳が維持されます。

 

 成年年齢が引き下げられた理由は、先に引き下げられていた選挙権年齢や、諸外国も18歳を成年としているところが多数であることなどが挙げられます。高校進学率が98%以上となり、一方大学進学率は男女合わせた平均が54.8% (2017年)であることから、高校卒業後、半数弱は社会人となっているということを考えると、18歳を成年つまり大人として扱うことが妥当ではないかと考えられるようになったことも一因です。議論の経緯では、今の「成人の日」の祝日はちょうど大学受験真っただ中にあたることから、成人式はどうなるのかなど、反対意見もありました。今後は成人式の在り方も、議論されていくのかもしれません。

 

 さて、成人する、成年になる、つまり大人になるとはどういうことなのでしょうか。親の同意なしにできることが増えるということは、自分で考え、判断をし、そして責任を持つことが求められます。すっかり「ベテランの大人」であっても、それは永遠のテーマのように、追求し続けることかもしれません。しかし、そのタイミングが一気に2年も早くなるというのは、親としてもちょっと戸惑いがありますね。私の高校1年の息子も、あと1年半で成人するーちょっと寂しい思いもしますが、あと1年半の間に、教えるべきことは教えておかないとと思っています。みなさんも、お子さま方の「成年」へ向けて、大人として何が必要か、何を身につけさせないといけないかを考えながら、子育て、できたらいいですね。

 

Profile

細川 珠生

政治ジャーナリスト。聖心女子大学英文科卒業。政治全般や地方自治、教育に関する知見を活かし各方面で活躍。三井住友建設株式会社社外取締役、星槎大学非常勤講師なども務める。16歳男子の母。
近著に『明智光秀10の謎』(本郷和人共著、宝島社)。
https:// blog.excite.co.jp/tamaohosokawa

編集/羽城麻子

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