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内田恭子さん「40代後半、これからの人生がますます楽しみになってきています」

知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NaVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載。今回は〝マインドフルネス〟についてのお話。そして、内田さんが主催する〝kikimindfulness〟についても教えていただきました。

内田恭子さんの

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マインドフルネスと私

おかげさまで、今年に入りぼちぼちスタートしたkikimindfulnessが少しずつ軌道に乗り始めています。もともとマイペースな性格なので、自分がおばあちゃんになっても続けられるライフワークにと始めたものですが、最近はマインドフルネストレーナーとしての仕事のお話もいただくようになってきて、感謝の限りです。

マインドフルネスは日本ではだいぶ前から浸透していますが、私が教えているMBSR(マインドフルネスストレス低減法)のプログラムは、欧米ではすでに一般的なものでありながらも、アジア各国ではまだまだ新しいものです。国際基準のMBSRの講師資格も今は海外にしかなく、日本で教えられる講師もまだ少数。けれども多様な価値観が広まり、変化が続くこれからの時代、「生きる力」として身につけておくにはばっちりのスキルだと実感しています。

MBSRはもともと精神疾患や慢性疼痛で、西洋医学ではこれ以上良くならないという患者さんのために医療現場で発展していったプログラム。それが鬱再発防止や摂食障害などにも効果を見せたのをきっかけに広まり、Googleなどの企業研修でも取り入れられたことから一般的に認知されたもの。Brown、Oxford、Stanford Universityなど名だたる大学にはマインドフルネス機関が併設され、 日々脳科学との研究も行われています。日本では慶應義塾大学のマインドフルネス&ストレス研究センターで活動が行われているんです。

瞑想というと、ヨガのようにチャクラを使った瞑想から、坐禅、はたまたスピリチュアルなものまで幅広いですが、マインドフルネス瞑想は身体がもつ全ての感覚を使って、今この瞬間に目を向けていくものです。心理学は心、脳科学は脳、マインドフルネスはその心と脳を繋ぐブリッジとして捉えると分かりやすいかもしれません。MBSRでは注意集中力を養っていくことで、自分の思考や行動パターンに気づき、ストレスに対応していく力やレジリエンス、向上力や集中力、パフォーマンス力をあげていくもの。全て科学的エビデンスに基づき、脳と密接に結びついているからこれが面白い。それを自分で上手にコントロールするスキルを学んでいくのです。

当初は近しい友人たちから、「瞑想で宙に浮くのか」とか「教祖様、恭子様」なんてからかわれながらも始めたkikimindfulness。オンラインレッスンでは日本全国、そして海外から参加してくださる方たちがいて、本当にやり始めてよかったと思う日々。40代後半から新しいことを始めるのは、なかなかの気力と体力がいると痛感しながらも、やっぱり自分がいいと思ったことは、人にも伝えたい!というお節介性分が優っているようです。

先日もご縁があり、一橋大学のビジネススクールでマインドフルネス講義をやらせてもらうなど、数カ月前なら思いもしなかったことをやっているので、それもまた面白い。人生何があるか分からないですね。

この秋には、鎌倉に移築しリノベートした最高に気持ちの良い古民家でone dayリトリートも定期的に開催する予定。えいやっと、一歩を踏み出すと、新しい道がそこにはあり、そして新しい出会いがあり、手を差し伸べてくれる人たちがいる。伝えきれない感謝と共に、この歳になって人生はまだまだだなあ、なんて思ってしまう。さて、40代後半、これからの人生がますます楽しみになってきています。やりたいことがあるけれど、なんとなく躊躇しているNaVY世代のみなさん!思い立ったら吉日。まだまだこれからですよ。

Profile

内田恭子さん

1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。2児のママ。kikimindfulness主宰、マインドフルネストレーナー。

モデル・文/内田恭子 構成/松井美雪 編集/羽城麻子

 

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