【安田美沙子さん】親子4人で寝る幸せ「いつ、かかと落としされるかと毎晩ドキドキ」
18年間マラソンを続けているという安田美沙子さん。記録の更新、走ることを通じての出会いや学び。続けたからこそ手にすることのできる発見や喜びがある。親子でやり遂げる経験から安田さんが気付いたのは子どものポテンシャルを信じて、見守ることの大切さ。
※掲載の情報は『VERY NaVY』2026年5月号掲載時のものです。
いずれ子どもは離れていくもの。
今は離れていくための愛情を注ぐ時期

息子たちはバスケに夢中。有り余ったエネルギーを発散
長男8歳、次男6歳。長男は慎重で繊細、小さな段差を後ろ向きで降りるようなタイプだったので大きな怪我もなく、ここまで成長してくれました。一方、次男は頭を打ったり転んだり、流血に驚かされたことも。生傷が絶えず、同じ男の子でもまったく性格が違います。そんなふたりの共通項は、バスケットボール。私と夫はともにバスケ部出身で、子連れでB.LEAGUE観戦を楽しむなかで憧れを抱くようになったみたいです。一緒にバスケをするようになってからは兄弟仲がさらに良くなって、有り余ったエネルギーのいい発散にもなっている様子。長男は特に気合いが入っていて、今の夢は選手になること。日々練習に励んでいます。
バスケに一生懸命なのはいいことなのですが「宿題をしなさい」「片付けをしなさい」と言っても、なかなか言うことを聞いてくれないのが悩み。反抗期なのか、私が怖くないのか。夫が言うとすぐにやるので、きっと後者ですね。先日、ふと思い立って「反抗期かな、どうすれば?」とChatGPTに子育て相談。「8歳ってそういう時期、大変だよね」「感情的にならないように1回距離を置いてみるのは?」と、すごいポジティブな友達みたいな返答に意外とスッキリ。それでも、どんどん力が強くなる男の子。穏やかに振る舞ってばかりもいられず、私の怖さを見せておかなきゃと感情を爆発させて怒ることも。息子たちはビックリ顔、効き目はあるみたいです。
やめるのは簡単。そこで続けられる人になってほしい
これまでの育児を振り返り、一番大変だったのは受験。小学校受験に挑戦しようと思ったのは「うちの子はどこまでできるか」という、親ばか的な気持ちから。私も夫も小学校受験の経験はなく、まったくの未知。いざ足を踏み入れると、生半可では通用しないようなゼロヒャクの世界でした。塾を掛け持ちして、家庭学習にも力を入れ、季節の行事や日本の文化を学ぶ体験も大切と「やれることは全部やらなきゃ!」という思いで取り組みました。あのときの私は必死すぎて、息子に怒ってばかり。長男のときは「塾に行きたくない!」と言われ、喧嘩になったことも。長男としては本気ではなく、きっとよくわからない苛立ちをぶつけたかっただけ。「じゃあ、やめなさい」と言われるとは思ってなかったみたいです。私の部屋のドアの隙間から「ごめんね」のお手紙を差し込んでくれました。今思うと、遊びたい盛りの子どもに、かわいそうなことをさせたかなとも思います。でも、やめるのは簡単ですが、そこで続けられる人になってほしかったんです。あれだけ頑張ることができる、という息子のポテンシャルに気付けたことは受験の財産。勉強やバスケも「やればできる!」と自信を持って励ますことができます。
今年、「お兄ちゃんと同じ学校に行きたい」と次男も受験。2人目の余裕など一切なく、同じ学校に入れなければというプレッシャーで余計に大変でした。面接間近におでこをぶつけて怪我をするというハプニングにも見舞われましたが、なんとか合格。これでしばらく受験はないと、心底ホッとしています。
今年のお正月には家族で地元・京都の許波多神社へ。干支の馬にまつわる神像の前で親子で記念撮影。
あれだけ頑張れる。
息子のポテンシャルに気付けたのは受験の財産

仲良しのママ友たちと名古屋にマラソン遠征
約18年間続けているマラソン。週3回ぐらいは走る時間を作るようにしています。長男が学校に行くのが7時、次男が幼稚園に行くのが9時半。その間の2時間半、夫に次男を託して走りに行きます。仕事で頭と心は疲れているけど、体をあまり動かせていないとき、走って体も疲れさせてあげることでメンタルと体が一致、整う感覚があります。ひとりで走る時間は自分と向き合う時間にもなり、友だちと一緒なら近況報告や夫の愚痴をこぼしてみたりして(笑)。健康にも美容にも心にも効き目のある、私にとってはご褒美タイムです。今年はママ友10人ぐらいで名古屋シティマラソンに参加。前日からお泊まりで、翌日に走るので遊びすぎは禁物ですが、それでもすごく楽しみ。鰻屋さんは予約済みです。息子たちは夫とお留守番。私たち夫婦は子育ても生活費も折半するルールで、どちらかの都合に合わせてスケジュールを調整し合うことが当たり前。変な遠慮やストレスのない関係性が築けていると思います。
子育てにおいては、そもそもふたりの子ども。どちらかが一方的に担うのは違うと最初から思っていて、一緒に生活するなかでお互いの役割が決まっていった感じです。男だから女だからと決めつけず、ともに暮らすなかで自分ができることをやる、してもらったことに感謝をする。息子たちも家族を持ったら、その気持ちを大切にしてほしいなって思います。
かかと落としにおびえながら親子4人で寝るしあわせ
子どもはいつ頃から、自分の部屋で寝るものなんですかね(笑)。今はまだベッドをふたつつなげて、夫と私で息子たちを挟むようにして寝ています。でも、だんだんと体格が良くなって、寝返りもダイナミック。いつ、かかと落としされるかと毎晩ドキドキです。子離れ、親離れは特に急いでいません。自分の経験を振り返れば、どうせいつか子どもは離れていくもの。その離れていく力は、親子と一緒に過ごす時間のなかで育まれるような気もしています。私自身は意外と淡白なので、ひとり暮らしをしたいとか、誰かいい人が出来て結婚したいとなったら「どうぞ、どうぞ」という気持ち。それでも今「ママと結婚したい!」と言われると、やっぱりしあわせです。
Profile

安田美沙子さん
1982年生まれ。京都府出身。20歳でミスヤングマガジンに選ばれ芸能活動を本格化。29歳でNHK連続テレビ小説『カーネーション』に俳優として出演、同年に名古屋ウィメンズマラソンで3時間44分56秒を記録してサブ4を達成。食育インストラクター、健康食コーディネーターの資格を持つ。2児の母。
ジャケット¥115,500シャツ¥42,900パンツ¥51,700(すべてIRENISA/ザ・ウォール ショールーム)右耳上のイヤーカフ¥51,700右耳下のイヤーカフ¥112,200右耳のピアス¥121,000左耳のピアス¥84,700右手のダブルフィンガーリング¥88,000重ねたリング¥44,000左手リング¥312,400(すべてHirotaka 表参道ヒルズ)ローファー¥143,000(PAUL ANDREW/AMAN)
撮影/葛川栄蔵〈hannah〉 スタイリング/河野素子 ヘア・メイク/ NANA 取材・文/櫻井裕美 編集/水澤 薫
*VERY NaVY5月号『子育て第2シーズンどうですか?』より。詳しくは2026年4/7(火)発売VERY NaVY 5月号に掲載しています。