【高校留学リアル体験談】プロのサッカー選手も学位取得も目指す!2年間で得た“大きな収穫”とは?

海外留学を選択する子どもが増えている今、気になるのはその先で何を学び、どんな力を身につけていくのか──。子ども本人のリアルな体験談をお届けします。
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「サッカーと英語、二つの夢を追いかけて」
上野邑魁さん(18歳)YUTO UENO
イギリス/Royal Russell School卒業
小さい頃からサッカーが好きで、サッカー中心の日々を送ってきました。プロを目指していますが、アカデミックも両立、英語を本格的に勉強したいと考え、中学卒業後にイギリス留学を決めました。高校は、サッカーをしながらA-levelを取得できる学校を選択。A-levelは3科目の選択制で、英語に不安があった僕は日本語と得意な計算中心の科目を選びました。サッカー以外の時間は中学生時代とは比べ物にならないほど勉強し、長期休暇もほとんど帰国せず、ホームステイでサッカーと勉強を続けました。
留学して最初の夏から、アメリカの大学のサッカーのキャンプに参加するため、母とアメリカ中を行脚。10校以上を周り、サッカーのスカラシップのトライアル試験を受けて、デューク大学からオファーをもらうことができたときは本当に嬉しかったです。現在はデューク大学への進学条件であるTOEFLの基準点クリアを目指して勉強中。条件を満たせば来年1月から入学できる予定で、大学ではサッカーを続けながら学位取得を目指します!
留学で得た一番大きなものは自信です。最初の1カ月半、あの辛い時期を乗り越えたことで「どこへ行ってもやっていける」と思えるようになりました。プロのサッカー選手になるという夢は変わりませんが、英語力が身についたことで、他の選択肢も広がりました。この2年間は単なる語学習得ではなく、人生の可能性を広げる時間だったと今は実感しています。
留学プロフィール
■ 幼稚園 バディスポーツ幼児園
■ 小学校 東京都内区立小学校
■ 中学校 私立ドルトン東京学園
■ 高校 英国/Royal Russell School
■ 大学 米国/Duke大学に進学予定
英語はどうやって勉強した?
日本の学校では、実は英語は苦手科目でほぼ喋れないまま留学がスタート。最初の5カ月はイギリスの語学学校に通いました。日本に居た頃、母が教えてくれていた英語の文法や単語(僕は渋々やっていた…)が、結果現地で役立ちました。
寮生活はどうだった?
現地の子は通いが多いので、寮はインターナショナルな環境でした。中国からの留学生が多いですが、僕は現地の子や香港やポーランドの子たちと仲良くなりました。学校には男子寮が2つ、女子寮が1つで、高校2年生と3年生の生徒は一人部屋をもらえました。
留学先にイギリスのボーディングスクール(全寮制学校)を選んだ決め手は!?
イギリスはサッカーの本場で競技レベルが高いからです。エージェントを通じて学校を探し、母と1校だけ見学に行って即決しました。小規模でインターナショナルな生徒も多く、サッカー施設も充実していたのが決め手でした。
進学先にアメリカの大学を選んだ理由は?
NCAA(全米大学体育協会)のもとでの大学スポーツが盛んで、サッカーでもスカラーシップ(奨学金)制度があるため、留学当初からアメリカの大学が目標でした。プロリーグへのドラフト制度もあり、プロへの道も夢ではないんですよ。
一番辛かったことは?
最初の1カ月半は人生で一番辛い時期でした。EALを受けながらも、授業や会話についていけず。もう一人の日本人の留学生のサポートと、母との電話に助けられました。言葉が少し聞き取れるようになってから、一気に道が開けました。
MOTHER’S VOICE
息子は中学では東京ヴェルディのチームで練習しており、U18クラブユースからも声がかかりましたが、留学を選びました。日本でサッカーを続けたいという葛藤もあったと思いますが、渡英後は米国大学のキャンプ参加の手続きを自分で行い、サッカーと勉強、二つの目標に向かう姿は一気に頼もしくなりました。親としては満点をあげたい!
取材・文/古川ケイ イラスト/ボンジュール トモコ 編集/磯野文子
*VERY NAVY 10月号「私たちの“留学リアル”」より抜粋。詳しくは2025年9/5(金)発売VERY NaVY 10月号に掲載しています。
*1 English as an Additional Language/英語が母国語でない生徒向けの特別授業。※2 イギリスの大学入学資格となる試験で、世界の多数の大学でも入学資格として採用。