【留学体験記】小6からスペインでサッカー留学「息子の夢のサポートが最優先」
小中高生の留学は、語学力やグローバルな体験を目的とした留学が中心ですが、好きなことのスキルUPと夢を描く可能性を土台に、本場の土地で体験することも子ども時代だからこそ。サッカー好きが高じて、小6からスペインでサッカー留学真っ只中の男の子のお話をご紹介します。
Vol.35 小6から現在も留学中【Iさんの場合】

Vol.35 小6から現在も留学中【Iさんの場合】
【留学したときの学年】
小学6年生~
【留学した国】
スペイン
【留学した学校】
Barcelona郊外の公立共学校
【方法】
サッカー留学専門のエージェントを通じて
【ステイ先】
寮
【費用】
年間約500万円前後(学費、滞在費、エージェント費込み)保険料約75,000円、現地合宿に参加の際などは別途費用
学力は後からいくらでも挽回できる。
今は、息子の意志を尊重し、
サッカーの夢を描くことを応援するのが我が家の方針。
まさに息子のサポーターです
行くまで
保育園年中の頃、家から通いやすいというきっかけで入ったJリーグのチームが運営するキッズ対象のクラブチーム。それ以降、息子のサッカー熱は止まらず、小3の時にいくつか見学に足を運んだ末、スペインのクラブチームが運営するスクールに入りました。どちらかというと人見知りで内向的な性格の上、当時はずば抜けてサッカー技術が突出していたわけではありませんでしたが、4歳の頃からサッカーを続けていたことは本人の自信につながっていたのではないかと思います。小4、小5で続けてスペイン大会の選手に選ばれたことがきっかけで、本国の練習に参加できるサッカー留学のプログラムを具体的に考えるようになりました。
まずは、この先の長期留学の可能性も見据えて、在学中の小学校を休学する形で、小5の大会出場後、3カ月の体験留学から挑戦。休学の申請をすれば学年を落とさずに長期休学を認めてもらえる点は、義務教育中の公立校の利点と感じました。3カ月のサッカー留学を経た息子は、毎日の練習で真っ黒に日焼けし、体もひとまわり逞しくなって生き生きとした表情で帰国。言葉の壁はあったものの、小3から中1までの子どもが過ごす寮では年齢的にちょうど中間の世代。ひとりっ子の息子にとって兄弟と暮らしているような感覚が楽しかったことも含め、続けて長期留学したい!という強い意志を持っていました。息子には日本にいるからこそできることとスペインでの生活を何度も比較させたところ、毎日サッカーができること、練習プログラムが自分に合っていたことなどを息子にプレゼンされ、いよいよ今年、小6の9月から10カ月という予定で、息子のスペイン留学がスタートしました。
行ってから
息子が参加しているプログラムは日本から同様にやって来たチーム生とともに寮生活し、放課後にチームの練習に参加する内容です。日本人の寮父さんが生活の管理をしてくださり、食事の用意はありますが、掃除、洗濯、皿洗いなどは寮生の中で当番制。学校は徒歩圏内にある現地の公立校に通います。息子の場合は現地の中学1年に編入。チームコーチが現地の学校の教師である点も親としては心強いところです。その反面、先生がコーチだけに、授業中に居眠りをしてしまい、2日間練習参加禁止の罰則をあたえられてしまったことも(笑)。怪我についての準備は、現地の健康保険が使える保険に念のため加入しました。
出発後1週間は慌ただしさと楽しさで息子から連絡は一切なく、2週間目からやっと連絡が来るようになりました。友達もできたし、食事も合う!と、今のところは特に問題なく順調の様子です。言葉の壁にはまだまだ苦戦しているようですが、“自分ひとりではできないこともチームならできる”というチームとしての意識が育まれている様子は3カ月留学の際にも実感。チーム競技ならではの意識を成長期のうちに実体験できることも息子にとって大いなる経験のひとつだと思います。親としてはプロの選手になることを意識はしておらず、息子が夢を描くことのサポートが最優先。息子のやりたい!を後押しすることで、大きく成長してくれたらと思っています。
取材・文/鍋嶋まどか 編集/水澤 薫
取材内容は、留学当時の情報になります。