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留学体験記

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2020.06.15 UP

実例・我が家の留学体験記「息子なら大丈夫、と口出ししないことで 将来への自立を促せました」

留学を考える時、行き先や時期を考えると同様、かかる費用も親として最大の問題。そこで今月は、文科省主宰“トビタテ!留学JAPAN”の奨学金を獲得し、1年留学されたお子さんのお話をご紹介します。

Vol.4 高3で約1年留学【Kさんの場合】

Vol.4 高3で約1年留学【Kさんの場合】

在学中の大学附属高校を1年休学して留学。その後同大学へ進学。
【留学した時の学年】
高校3年生8月〜1年間
【留学した国】
アメリカ
【留学した学校】
Kingston High School
【方法】
文部科学省主宰「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の奨学金制度を通じて
【ステイ先】
ホームステイ
【費用】
1年間で約10万円(学費+エージェント料+傷害保険で約160万円。奨学金がトビタテ!留学JAPAN100万円+埼玉県奨学金50万円)

行くまで

過去に姉が高校留学をした影響もあり、高1の後半にさしさかった頃、息子から留学したいと言われました。自分がやりたいことは自分で探すことが我が家のスタンス。おそらく色々調べたのでしょう、ある日、文科省が主宰をしている“トビタテ!留学JAPAN” を見つけてきて、「事前準備は全部自分でやるから行かせて」と言われました。行き先や目的をはじめ、留学先で学びたいこと、留学後の展望など膨大な書類を作成しプレゼンするのですが、高校生の息子にとってはこの書類作成がかなり大変だったようです。

 

ちなみに3人姉弟の末っ子である息子は私や姉たちの影響もあり、幼い頃から掃除、洗濯、料理など家事が得意。「家事は生きる力を育む」と、高校のときに小中学生の子どもたちに家事を教える塾を設立。この「家事」について留学で見識を広げたいというのも動機のひとつだったようです。更に自尊感情を高めるアメリカの教育を学ぶため、できるだけ多様な人がいる環境で学びたいと、あえて私立校ではなく、アメリカでも多様性がある地域といわれているシアトルのキングストンの公立高校に行き先を絞り書類を作成。トビタテ!はあくまでも奨学金として返済不要の学費を援助してくれる機関なので、学校のアレンジなどは個々に準備しなくてはなりません。なので、姉の留学の際、お世話になったエージェントを通して学校の手配をしてもらったうえで、高2の春に書類を提出し、審査、面接という段階を経て、幸いにも高倍率の中、1年留学の奨学金を獲得することができました。事前研修を受けた後、高3の夏に出発。この研修で同時期に留学する仲間とのつながりもできたようです。唯一気にしたのは体のこと。突拍子もない行動でよく怪我をする子でしたので、傷害保険は1番ランクの高いものを選びました(笑)。また、在学の高校が埼玉県でしたので、トビタテ!の他にも埼玉県の奨学金の申請も同時に合格をいただくことができたので、留学の費用をほとんどかけず行かせられたことは親にとってはありがたいことでした。各地方自治体にも色々な奨学金制度がありますので、事前に調べておくこともおすすめです。

行ってから

9月からの新学期に備え、8月に出発。キングストンは大自然に囲まれた土地なので、サマースクールには特に入らず、ホストにお世話になりながら、森へ海へと自然体験を満喫したようです。早々に手の甲を骨折したり、学校でギックリ腰になって救急車を呼んだりなど、事前に入っていた保険のありがたみを実感しました。また、得意の家事をフルに活かして、料理をふるまったり、キッチンをピカピカに磨きあげるなど、ホストにも大変喜ばれたようです。最後には「あなたがいなくなったら、うちはどうなるの」と言われたとか(笑)。留学先ではホストファミリーとのコミュニケーションも大切。息子の特技がだいぶ役に立ったようです。本人なりに多様性を学び、留学前以上に、自分をどんどん出せる意欲的な子となって帰国してくれました。また、彼の「家事」にまつわる取り組みも、留学によって得た語学力が功を奏して、高校生にして国際会議での登壇や企業研修の講師としての招かれるといったミラクルが!

 

留学を通して親として実感できたことは、行動意欲はもちろんのこと、多様性を認め、自分とは違う相手の意見を大切にすること、「ありがとう」という、感謝の言葉を以前より家族や周囲に素直に言えるようになったことでした。これまで「あなたはどうしたい?」と子どもの自主性を重んじ、本人のやることを応援してきました。息子がこの先、どんな方向に向かうのかは未知ですが、トビタテ!の研修で出会った仲間との交流も続いているようですし、この留学体験が大人になるうえでの大きな糧になると確信しています。

 

※取材内容は、留学当時の情報になります。

撮影/相澤琢磨  取材・文/鍋島まどか 編集/羽城麻子

 

 

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