【内田恭子さん】愛用の靴は“マルジェラのタビ”「何気ない格好もこだわってるなと思わせてくれる」
知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NAVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載。今回はMaison Margielaの「タビ」シューズのお話です。
内田恭子さんの
my LEGEND++vol. 7++
Maison Margielaの
「タビ」シューズ
私が45歳の誕生日を迎えたとき、年上の友達が「It’s just a number after 44!」とメッセージを送ってくれた。最高にcoolなメッセージ。そう、45過ぎたらもうアラフィフなんて自虐的に言ってる場合ではないのです。年齢を嘆くくらいだったら、その歳をどう楽しく、実のあるものにするかを考えたほうが人生は明るい!年齢のことをネタにしてくる時代錯誤のご意見は無視無視。いくつになっても誕生日は嬉しいものであるべきだし、年齢を重ねた自分を更に愛おしく感じるくらいでいなくてはね。
私が年齢を気にしない理由のひとつに、仲良しの友達が素敵な年上ばかりだからかもしれない。末っ子気質の私は、かっこよくて、美しくて、年齢なんて気にしない、自分の生き方をしているお姉ちゃまたちと一緒にいるのが心地よいのです。それと同時に私も彼女たちのように、自分だけの生き方を確立したいと思うし、そうするには自分は今どう過ごすべきかということを考えさせてくれるのです。
そんな中のひとりに私が大好きでずっとお世話になっているスタイリストの〝ひめ〟がいる。見た目は年齢不詳のシャープな女性で、最初はその威圧感に圧倒される(笑)。でも一旦心を開くと、そこには愛とユーモアに溢れている彼女がいる。間違いなく私のロールモデルのうちのひとり。その〝ひめ〟がずっと履いているMaison Margielaの「タビ」ブーツがかっこよくて、まねっこしたのが「タビ」デビュー。足袋型の靴なんて難しくない?いいえ、どんなファッションにも合ってしまうし、履きやすいから、とても使い勝手がよくて、もう一足、また別の色で、なんて増えていってしまうのが「タビ」シリーズ。何気ない格好をしていても、すっと足元まで視線を下ろすと、そこには「タビ」シューズ。ああ、この人こだわってるな、と思わせてくれる靴です。自分がいいと思ったものを楽しく取り入れていくのがファッション。〝ひめ〟のセンスは私にそう教えてくれる。京都の人力車のお兄さんに「そっくりですね」と言われ、足を並べて本物の地下足袋と見比べたときは、そっくりすぎて大笑いしてしまった。そんなふうにファッションも人生もいつまでも笑うことを忘れずに楽しんでいきたいな。
Profile
内田恭子さん
1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。11歳と8歳の2児のママ。
モデル・文/内田恭子 撮影/竹内裕二〈BALLPARK〉ヘア・メーク/佐藤健行〈HAPP’S〉スタイリング補助/三上津香沙〈Dbless〉構成/松井美雪 編集/羽城麻子
VERY NaVY4月号『[新連載] 内田恭子さんのMy LEGEND vol.7 Maison Margielaの「タビ」シューズ』より。詳しくは2022年3/7発売VERY NaVY4月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。*すべて内田恭子さんの私物です。