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vol.01-3「感じるままに選ばれた、多様なアートコレクション」

エントランス、スキップフロア、キッチンにもリビングにも。トッサーニ邸の壁のあちらこちらには、さりげなく絵画や写真が飾られている。建築という美の世界に身を置くトッサーニ夫妻のアートの選び方は、実にカジュアルで気持ちがいい。「休日に夫婦でギャラリーへ立ち寄るが好きなんです。そこで予備知識もなにもなく、本当に瞬間のインスピレーションで“コレ!”と選ぶんです」と敦子さん。特に、イタリア人の夫が選んだ日本人作家の作品には、自然とエネルギーが溢れ出ているのが伝わり、興味をそそられるという。手に入れた国も作風もばらばらなアートコレクションが、不思議とひとつにまとまっているのは、美とクリエイションを重んじるトッサーニ夫婦ならではの審美眼ゆえ。

イタリア人の夫が一目惚れした、アート写真

イタリア人の夫が一目惚れした、アート写真

1970年代初頭からアジア人初のトップモデルとして一世を風靡した山口小夜子を、現代の気鋭フォトグラファー、下村一喜が撮影。小夜子も下村も知らない、夫のリカルドが一目惚れしたというファインプリントのコレクション。

日本の古文学を、ワードペインティングに

日本の古文学を、ワードペインティングに

ロンドンの画家Simon Morleyの作品は、エントランスの壁に。“ワードペインティング”という言葉を描く作品が多い。こちらは日本の古文学『羅生門』を、題材した作品。静謐な玄関にひっそりと文字が浮き上がるよう。

未知の世界を描いた、大きな細密画

未知の世界を描いた、大きな細密画

ロボットの魚が空を飛ぶような未来的な絵画は、日本人の画家、北小路たか子の作品。古典的な西洋画の手法であるテンペラ画の技法で描かれている。大きな絵画が、モダンなトッサーニ邸と不思議とマッチしている。

目に飛び込む、アンディ・ウォーホールの写真

目に飛び込む、アンディ・ウォーホールの写真

アメリカの写真家、Cartis Knappが撮影したアンディ・ウォーホールのポートレイト。地下へと続くスキップフロアを、写真の中のウォーホールが描く真っ赤なキャンバスが鮮やか印象に見せている。

ミニマルでいて優しさに満ちた、ドローイング

ミニマルでいて優しさに満ちた、ドローイング

ダイニングに飾られた鉛筆画は、ニューヨークをベースに活躍するアーティストRussell Maltzの作品。作品に建築資材などを取り入れるなど、絵画という枠にとらわれないミニマリスティックな作風だ。ニューヨークで出合った。

Profile

トッサーニ糸田敦子

秋田県出身。女子美術大学を卒業後、米国ロサンゼルスの建築事務所へ。上司でもあった建築家の夫と結婚し、1997年に東京に建築設計事務所「リカル ド・トッサーニ・アーキテクチャー」を設立。インテリアデザイナーとして活躍。日本の自然遺産にも魅了され、ニセコにも事務所を持つ。5歳になる3つ子の男の子のママでもある。

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