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内田恭子さん“OFFの気分で着られる”最高にONなジャンプスーツに出会う

知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NaVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載。今回はブルネロ クチネリのジャンプスーツのお話です。

内田恭子さんの

my LEGEND++vol. 18++

ブルネロ クチネリ
ジャンプスーツ

 スマホが普及してから、過去の思い出を振り返りやすくなったのはありがたい。5年、10年前の写真も、重いアルバムを引っ張り出してこなくても、数秒で見ることができるし、SNSでは○年前の今日、みたいな感じで勝手に出してきてくれる。便利に振り返りやすくなった一方で、私たちは遡るという作業をあまりしなくなり、危機感を覚えることもあるけれども、老いていく脳にはありがたい機能。

 そうやって昔の写真が見やすくなった今、気づいたことが。それは20代、30代の私はいつも小綺麗な服装をしていたということ。小綺麗というのは、そのまますぐにご飯でもどこに出ても恥ずかしくないような服装。2人の小さな子を抱えながら偉いわねって当時の私を褒めてあげたい。今から見ると、常にONだった私。それに比べ最近の私はONとOFFの時の服装の差が激しすぎる。この去った夏、仕事以外では一切ヒールを履いていない。OFFの私は、BIRKENSTOCKの2世紀半にもおよぶ確固たる基盤に裏付けされた質を試すかのように、毎日そればかりを履いている。楽なjump suitばかり着ている。お化粧室では面倒ということさえ除けば、この上ない快適さ。この原稿を書いている今も気づけばNORMA KAMALIの気持ち良いジャージー素材のjump suitを着ている。誰が私をこんなにした。外出がぐんと減ったコロナの数年間のせいか。人は見た目じゃないと悟ったせいか。自分らしくいることのせいか。もともとの面倒くさがり屋の本領を発揮し始めたせいか。それとも上記全て当てはまるのか。

 けれども洋服好きは変わらない。ONとOFFの差がはっきりしただけということで。OFFでは極力自分に優しいスタイルを。ONではまだまだいきまっせー。というわけで、すっかりOFFではもっぱらjump suitに身を包み込んでいるわけですが、ONでもいけるjump suitに出会いました。jump suitは本来、落下傘部隊が、飛行機から飛び降りるための機能的な服として生み出されたわけで、だからこそ動きやすいし、カジュアルなものが多い。けれども最近はドレスでもjump suitはよく見かけるし、このBRUNELLO CUCINELLIも最高なONとして使えるのです。胸元が深く開いているのがセクシーだし、トップについているスパンコールも上品な華やかさを演出してくれる。一瞬jump suitだとはわからない、この美しいラインも素敵なわけで、OFF気分のままONに使える一枚として、今の私にはぴったり。歳と共に服装への向き合い方も変わっていくものですね。

Profile

内田恭子さん

1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。kikimindfulness主宰、マインドフルネストレーナー。

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モデル・文/内田恭子 撮影/菊地 史〈impress+〉ヘア・メーク/佐藤健行〈HAPP’S〉スタイリングアドバイザー/三上津香沙〈DBLESS〉構成/松井美雪 編集/羽城麻子

VERY NaVY10月号『内田恭子さんのMy LEGEND vol.18 ブルネロ クチネリのジャンプスーツ』より。詳しくは2023年9/7発売VERY NaVY10月号に掲載しています。*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

jumpsuit_ BRUNELLO CUCINELLI earrings, necklace_ MIKIMOTO*すべて内田恭子さんの私物です。

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2024年9月6日発売
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