VERY NAVY

ハワイで3児の子育てを健やかに楽しむ、吉川ひなのさん。大切なものだけにフォーカスすると、子育ても毎日もすごくシンプルに、幸せを見つけやすくなる……。苦手を手放した、〝好き〟に溢れた日常が、変わらぬチャーミングな笑顔の理由でした。『VERY NaVY』6月号で語ってくれたインタビューの前編をお届けします。

下の子2人が起きる前の
長女と語る朝時間が好き

今、長女は11歳、長男が5歳、次女は2歳に。長女が2歳半までは東京とハワイを半々で行き来する生活でしたが、ハワイのプリスクールへの入学を機に移住。結婚前、自分と向きあうための留学でハワイを選んだことが移住のきっかけです。子どもの頃から引っ越しが多かった私が、初めて根付いたと思える場所。ずっとここに住むとは決めてないけれど、子どもたちにとっては故郷。どこに行っても〝いつか、帰るところ〟になるんだろうなと感じています。子育ては、今が一番大変かも。お世話が忙しいというより、ずーっと誰かに話しかけられるので、何事もスムーズにいかないんです。だから、みんなが起きる前のひとり時間がすごく大切で、4、5時に起きて瞑想したり、本を読んだり。長女が起きてきたら、下2人が目を覚ます前に朝ごはんとお弁当を作りながら、2人だけの会話を楽しみます。私にとってすごくいい時間。長女は、軽やかな人。何か問題があっても深く悩まずに〝じゃあ、こうすればいいんじゃない？〟とスマートに対応できる。生きていくのが上手だなと、見ていて羨ましくなるくらい。パパともすごく仲良しで、ソファで2人が腕を組んで座っていたりすると「いい景色だな」と温かい気持ちになる。べったりしすぎ？と思うこともあるけれど、今は好きなだけ甘えさせてあげることが必要だと本能的に感じているんです。夫も父親冥利に尽きるのでは。そんな2人に「ママも彼氏が欲しいー」と、ちょっと離れたところから羨ましそうに声を掛けるのがいつもの日常です。

「そんな考え方があったか」と
夫の前向きさに救われています

長女は、将来の夢についてはまだ漠然としているみたい。地球環境を良くするには、世界中の人たちが幸せになるには、いったい何をすればいいか。そんなことを日々考えている様子。子どもが生まれてから健康や環境について色々と考えるようになり、自然と寄り添うライフスタイルへと変化。その影響もあるのかなと思います。夫とは一緒に暮らすなかで互いに影響を受けて歩み寄り、今は同じ景色を見ている感覚がすごくある。子どもたちには添加物のことなど、私たちが気をつけていることの知識は教えてはいるけれど、強制はしていません。選択のできる年頃になったら、どうするかの判断は委ねています。無条件に愛を注ぐことのできる宝物であっても、人生は子どもたちのもの。私は責任を持てないというか、持たないほうがいい。自分の意思と責任で歩んでいける人になって欲しいんです。

子どもたちが自らの意思と責任で前に進むためには、〝自分に自分でOK〟を出せることが必要なのかなと思っています。そのために心がけているのは、当たり前に自己肯定感が育まれるようなコミュニケーション。自己肯定ができないと、承認欲求が強まる。着る服、食べるもの、習い事。子どもたちのチョイスに感心したときは些細なことでも「すごくいいね」と、口に出して伝えるようにしています。もちろん、素直に賛成できないケースも多々。それはそれで否定はせずに「ママはこう思うけど、どう？」と対話することで、尊重しながら理解を深めていきたい。私はおしゃべりが大好きなので、夫ともよく話します。彼はすごくポジティブで、どんなことでもいいように解釈ができる人。「そんな考え方があったなんて」と、その素敵な図々しさにいつも救われているんです（笑）。

ハワイにある自宅の庭に作っているおままごとスペース。ここではどんなに汚してもいいというルールにしています。

撮影／酒井貴生〈aosora〉 スタイリング／宮澤敬子〈WHITNEY〉 ヘア・メーク／菊地美香子〈TRON〉 取材・文／櫻井裕美　編集／羽城麻子

VERY NaVY6月号『子育て第2シーズン、どうですか？ 吉川ひなのさんインタビュー』より。詳しくは2023年5/6発売VERY NaVY6月号に掲載しています。

＊掲載中の情報は誌面掲載時のものです。