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2021.12.21 UP

世界が注目するワイン醸造家・三澤彩奈さんの新作「三澤甲州 2020」が登場

三澤ワインメイン

 

 

2014年、「キュヴェ三澤 明野甲州 2013」が世界最大のワインコンクールで日本ワイン初の金賞を受賞し、今や日本を代表する醸造家のひとりとして知られる三澤彩奈さん。1923年創業の歴史ある山梨のワイナリーに生まれ育ち、学生時代から約10年間、海外で醸造を学び世界中のワイン作りを目の当たりにしてきた彼女の挑戦は、日本のワイン界に一筋の光を灯した。日本ワイン初の快挙を果たしたそのワインが、さらなるステージへと歩みを進めたようだ。

光の恵を浴びる山梨県明野町のブドウ畑で新たな試みを

光の恵を浴びる山梨県明野町のブドウ畑で新たな試みを

フランス、ボルドー大学で醸造を学び、その後も南アフリカへ短期留学をするなど、“ニューワールド”と呼ばれる新しいワイン作りにも触れてきた彩奈さん。帰国のキッカケのひとつにもなったのが、2002年に4代目の父、三澤茂計氏が山梨県北杜市明野町の茅ヶ岳山麓に開いた畑と醸造所。「三澤農場」と名付けられた標高700メートルに広がる葡萄畑は、日本一の日照時間を誇るという。ここで、甲州では珍しい“垣根式”の栽培に挑戦する。やがて、従来の棚式栽培と比較すると、小粒、高糖度、また有機酸の組成も異なり、一般的な「甲州」よりも多く含まれるリンゴ酸を確認。これにより、リンゴ酸を乳酸に分解するマロラクティック発酵が自然に生起された。日本のワイナリーで初めて、ブドウ畑の土着酵母を生かしたワイン造りをはじめ、「甲州」を進化させるべく、自然の力を使ったナチュラルなワイン造りを彩奈さんは目指すことに。

日本ワインならではの「甲州」がもつオリジンとその可能性を探して

日本ワインならではの「甲州」がもつオリジンとその可能性を探して

彩奈さんが「宝物」と呼び、その可能性を見いだした「甲州」。きっと多くの日本人が子どもの頃からこのブドウを味わってきたはずだ。この透き通るように明るい藤紫色のブドウは、元来、ワイン用のブドウの遺伝子を持っていることが分かった。「『甲州』の祖先は、南コーカサスで生まれたブドウ。かつてシルクロードを通り日本に辿り着いたものだったんです」。そんなオリジンを知り、彩奈さんは祖父や父が人生をかけてきた「甲州」に、新たなる可能性を見いだし、葡萄の良さを引き出すナチュラルなワイン造りを追求していく。
2013年産の「甲州」は、世界最大のワインコンクール「デカンタ・ワールド・ワイン・アワード」で日本ワイン初の金賞に輝き大きな話題を呼んだが、偶然と思われたくないと、グレイスワインの甲州は、その後も6年に渡り受賞を続けてきた。「賞を取ったときからの苦悩がありました。ずっとこの味でいいのかと悩んできたんです。『甲州』にはもっと伸びしろがあるのではないか、この味がすべてではないのではないかと、試験を繰り返してきました」。

日本のワイナリー初!土着酵母をそのまま生かす醸造方法を追う

日本のワイナリー初!土着酵母をそのまま生かす醸造方法を追う

「かつて日本のワインはどこか技巧に頼る部分があったのですが、栽培法を見直し、ブドウそのものの良さを引き出すワイン造りへと変えていきました。糖度が上がりにくいとされる『甲州』ですが、ブドウのポテンシャルを信じて追求することで、香りやあつみを補うようなテクノロジーが結集された造りを対極として、甲州の底力を感じていただける味わいを目指しました」。補糖、補酸などの醸造技術に頼らず、彩奈さんは、畑でナチュラルに凝縮した甲州を進化させるべく、挑戦を重ねてきた。そして、2020年には、ブドウの果皮を受け皿に畑の土壌や花粉などを酵母に取り入れた土着酵母をそのまま生かしたワイン造りをスタート。

醸造家を投影する美しきワイン!世界が注目する『三澤甲州 2020』

醸造家を投影する美しきワイン!世界が注目する『三澤甲州 2020』

『キュヴェ三澤 明野甲州』の進化版として、11月27日にお目見えしたばかりの新しいラベル『三澤甲州 2020』は、彩奈さんが見つけ出したひとつの答え。「3年をかけ、ようやく世に出したいと思える味に仕上がった」というそのワインは、「甲州」では珍しいマロラクティック発酵(乳酸菌がワインに含まれるリンゴ酸を乳酸と炭酸ガスに分解する発酵)が自然に起こって生まれたもの。レモンイエローに輝く白ワインのテイスティングノートは「白桃、洋ナシ、リンゴなどフレッシュな果実のアロマと、白コショウ、クローヴのスパイス、 ジャスミン、スイカズラの花香、キャラメルの甘やかな香りが奥ゆかしくも複雑に溶け合っている」とリリースされている。清々しく初々しい見た目とは裏腹に、奥行きのある、真っすぐで凛とした味わいは内面にまで美しさを宿す作り手の女性そのもののようだ。「限られた醸造家人生の中で生み出せるワインは、すごく少ない。だから、たったひとつを大切に作りたい」、そう語る彩奈さんの情熱の雫は、1年に4000本ほどしか製造しない貴重なものだが縁があればぜひ体験してもらいたい。「今は爽やかな飲み心地ですが、数年寝かせれば、また違う魅力が出てくると思い私も楽しみです」。

撮影/金 玖美 取材・文/須賀美季

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