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部屋を即オシャレに変える「コーナーに椅子」という発想

【Episode.02】
部屋の死角の有効活用、コーナーに椅子を置こう

文=クリス-ウェブ 佳子
Yoshiko Kris-Webb

 

階段下、扉裏、クローゼットや押入れの上部など。構造や設備の問題で、どうしても有効活用できないこのような空間をデッドスペースと呼びます。では、ここで問題。家の中で一番大きなデッドスペースはどこでしょう?

 

答えは壁。デッドスペースの賢い活用法は部屋作りの基本ですが、家具を選ぶ際に「この家具はどの壁際に置こうかな」とイメージするのも、実はみなさんが壁というデッドスペースをどのように埋めるかを自然に考えているからなんです。

ただ、平面の壁を埋めることは簡単でも、壁と壁がぶつかる角、つまり部屋の隅を埋めることは至難の技。そこで便利なのがコーナーファニチャー。文字通り部屋の角に置く家具のことです。収納と展示を兼ね備えたコーナーカップボードが代表的で、1740年頃から空間の節約を目的にフランスで流行しましたが、1800年代に入ってからはスタイリッシュさに欠けるとの理由で廃れてしまいます。

スタイリッシュさに欠けるとは確かに。部屋に入ったとき、人はその空間が素敵かどうかよりも、まずは広さを意識してしまいます。そして天井高や奥行き、壁の長さなどを瞬時に把握する鍵となるのが、部屋の縦・横・高さの線が集結する部屋のコーナーなんです。そんな大事な場所にごちゃごちゃと物があれば、それはやっぱりスタイリッシュじゃない。

そこでオススメしたいのがコーナーチェアです。1700年代初期のイギリスで流行したのち、北米の英国植民地に伝播したコーナーチェアは、中央に1本、両サイドに1本ずつと、3本の脚が正面から見える角度で配された部屋の隅に置く椅子のことで、品揃えの良いアンティークショップで今も時々見かけます。が、アンティークやヴィンテージの椅子にこだわる必要はありません。好きな椅子を1つ置きましょう。

部屋のコーナーに置く椅子。ポイン