ストレスを抱える子ども達の話しを聞く[マザーズコーチング]の活動
子育てに悩んだ時、ママ友に紹介された子どものコミュニケーション能力を学ぶ『マザーズコーチングスクール』を受講し、子どもや子育て対する考え方ががらりと変わったというSAWAさん。子どものためだけではなく、母親である自分自身をも支えてくれるものになったこの『マザーズコーチング』は、「子どもからのギフトだった」と語る。この体験から、よりたくさんの子どもや子育て期のママ達の助けになりたいと、資格を取りコーチとしての活動も開始。コロナ禍の最近は、子どもと一対一で自由に話せる場を提供する『たいわ室』という新しいコミュニケーション事業にも参加し、活躍の場を広げている。
子ども達と言葉でつながる。SAWAさんがいま大切にしている本
『マザーズコーチング』を通して、子ども達の自己肯定感のベースは、身近な大人との関わり合いが大きく影響すると知り、不安定な気持ち、孤独を抱えるお母さん達の心に寄り添いたいと思い、マザーズティーチャーの資格を取得。実際にお母さんたちと言葉をかわしながら、子ども達への関わりや言葉がけも含め、内面からサポートする活動を行っているSAWAさん。
【右】親子のコミュニケーションを見直す為の事例集をまとめた一冊。「まさに子育てあるある! 私自身にも当てはまることが盛り沢山でドキッとさせられますが、娘たちの成長とともにその時々の関わり方に、新たな学びを得られる育児レシピ本です。子育てをがんばるママ達に、是非読んでいただきたい本です」
『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』白崎あゆみ著(マキノ出版刊、マザーズコーチングスクール監修)
【中央】この絵本を通し、コロナ禍以前は全国の小中学校で授業を開催していた。‟心の居場所が見いだせない子ども達”に、自分で信じる力、自己肯定感を身につけられるよう、サポートを続けている。「1ページごとに違う問いが生まれたり、その時の感情で違うページに惹かれたり、また時が経つと同じページでも違う問いが生まれたり•••と、とても不思議な絵本です。そこに秘められているのは、『自分との対話を見つめ直せる?』『自分を応援する言葉って何?』『諦めないで挑戦する自分になるってどういうこと?』など、鏡の中のぼく(=自分の中の自分)との対話から“自分を応援する言葉”を見つけ出し、自分ならできるという自己肯定感に繋がる絵本なんです」
『鏡の中のぼく』ばば けいすけ作 ナカムラカオリ絵(トラストコーチング刊)
【左】これは、SAWAさんの勉強ノート。 「身近な大人ではないのに安心して話せる場所”を提供することで、子ども達が新しい考えや希望を自ら見出してもらことが目的です」。このノートには、びっしりとSAWAさんのメモがまとめられていて、その本気度が伺える。
コロナ禍の小中学生を支えるための『たいわ室』
コーチングとは人材育成のために多くの企業も取り入れている手法で、アドバイスはせず会話をしながら自分自身で答えを見出す助けをするもの。今、ストレスや精神的な孤独を抱えていたり、自分の気持ちが整理できなくなっている子ども達も多く、親や先生でなく、第三者の大人と話すことで安心感や自己肯定感を育てるサポートをする『マザーズコーチング』にも注目が。そんな中、SAWAさんはこの新型コロナウィルス渦中でも小中学生がオンラインで自由に会話できる『たいわ室』という活動に取り組んでいる。「『たいわ室』は“子ども達の孤独をなくし笑顔を守る”というミッションを抱き、現在20名近くのコーチ(マザーズティーチャー)で活動しています。親でもなく友達でもない、見ず知らずの大人に話を聞いてもらうという体験は、子ども達が自分で自分を見つめなおすキッカケにも繋がればと願っています。今日はどんな子に出会え、どんな対話をして、どんな時間になるのかな~? そんな想いを巡らせ今日も一人でも多くの子ども達のもとへ届くよう地道に歩んでいます」
Profile
SAWA
'90年代からファッションモデルとして第一線で活躍。数々の雑誌、広告のほか、パリコレにも出演し、NY、ロンドン、ミラノ、マイアミなど、海外でも幅広く活躍する。2児の母。現在モデル業の傍ら、TCS認定コーチ、MCS認定マザーズティーチャーとして、子どもや母親と直接話し寄り添う「たいわ室」の活動を行っている。
撮影/HAL KUZUYA ヘア/TETSU〈SIGNO〉 メーク/早坂香須子〈W〉 取材・文/須賀美季