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「沈黙は金」ではないとき。『ポメラート』が国際女性デーに発信していること

ポメラートのCEOであるサビーナ・ベッリによって立ち上げられた【Pomellato For Women|ポメラート・フォー・ウィメン】プロジェクト。8年目となる今年、動画キャンペーンを通して、改めて暴力に対する社会全体の責任と団結した行動を呼びかける重要なメッセージを発信しています。

 

周りに目を向けてください 

「家庭内暴力は共通の痛みとして、私たちの社会全体に傷跡を残します。ポメラートは、1967年の創業当初から女性を支持してきたメゾンとして、私たち全員が社会の番人という役割を受け入れることで変革が始まると私たちは信じています。注意深く目を配り、行動を起こす勇気を持つこと。そして沈黙は決して中立ではなく、むしろ暴力に加担しているのだと理解することが大切です。私たちは問題を認識するという段階を超えて行動を起こし、同情を超えて制度的改革を促さなければなりません」

 

WHOやUNWOMEN(国連女性機関)の統計では、女性の3人に1人が一生のうちに身体的・心理的・経済的虐待の被害を経験していることがわかっており、さらに、暴力的な行為が身近にある状況で育った子どもは、大人になって暴力的な性格になったり、暴力を振るわれたりする可能性が高いことも判明しています。

家庭内暴力の残酷な現実とは、沈黙の連鎖にあります。女性は、加害者による暴力だけでなく、社会からの批判にも直面しています。被害を訴えてトラウマを再び体験するか、声を上げずに耐え続けるかという選択を迫られ、サビーナ・ベッリが多くの被害者を〝沈黙のエピデミック〟と呼ぶ状況に陥っています。

 

このキャンペーンには、発足当時からの支援者である、アカデミー賞受賞女優で活動家のジェーン・フォンダをはじめ、複数の受賞歴を持つ女優、監督、プロデューサー、活動家であるアメリカ・フェレーラ、女優で非営利団体『The Joyful Heart Foundation』の創設者であるマリスカ・ハージティ、女優のローラ・ハリアー、オリンピック選手のマッティア・フルラーニ、そして、イタリア・ミラノにあるヴィータ・サルーテ・サン・ラッファエーレ大学の著名な実験生物学の教授ジャン ヴィート・マルティーノ、など、影響力のあるたくさんのメンバーが参加し、こうした危機に社会が加担する現状に立ち向かっています。

Jane Fonda

America Ferrera

Mariska Hargitay

Laura Harrier

Mattia Furlani

Gianvito Martino

Sabina Belli

希望はあります。助けもあります
あなたはひとりではありません。
そして前に進む方法はあります 

動画は、希望という力強いビジョンを提示し、社会全体が暴力に立ち向かうことで真の変化が可能になることを示しています。動画をみて、この問題をどう認識するべきか今こそ考えてみる時なのかもしれません。

ポメラートは、家庭内暴力の撲滅に向けた継続的な取り組みの一環として、ミラノ初の女性のための反暴力支援センターである CADMI(Casa di Accoglienza delle Donne Maltrattate)と、ケリング・ファウンデーションのパートナーでロサンゼルスに拠点を置く FreeFrom への支援を継続。同団体は家庭内暴力の被害者を対象に、長期にわたる経済的安定の確立を目指して活動しています。

 

【ケリング・ファウンデーションについて】
2008年から、女性と子どもたちが安全に暮らし、成長し、可能性を最大限に発揮できる暴力のない世界を目指して活動。また、虐待を受けた女性や子どもたちに包括的な支援を提供する専門的な地域団体をサポートし、暴力を防止するための取り組み、被害者にとって安全で支援的な職場づくりを実現。アメリカ、フランス、イタリア、メキシコ、イギリス、韓国の6カ国のパートナーと共に活動し、 過去15年間で、100 万人の女性の支援を行い、100以上の非営利団体と連携している。

 

取材・文/沼田珠実

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