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Yoshiko Kris-Webb

2021.06.08 UP

【クリス-ウェブ 佳子さんとお酒】最も登場回数の多いおつまみとは

【Episode.01】
旬と夏を感じる、我が家の“定番おつまみ”の話

文=クリス-ウェブ 佳子
Yoshiko Kris-Webb

 

「NaVY誌面のコラム『Life in Colors』とは異なるテーマで。例えば、お酒とおつまみとインテリアについて書く、なんてのはどうでしょう?」 − 編集部からそんな提案をもらい、真っ先に頭に浮かんだのがホタルイカでした。

蛍いか

3月から6月が旬のホタルイカ。この時期、我が家ではホタルイカは最も登場回数の多いおつまみです。ホタルイカと言えば、数年前までは酢味噌和えが定番でしたが、ある時、ほんの思いつきで入れた“ある調味料”がホタルイカを一気におつまみの定番へと昇華させたのです。

 

それは1747年創業、フランスに拠点を置くマイユ(MAILLE)の種入りマスタード。マイルドな辛味と酸味が絶妙なバランスで、マスタードシードの存在感ある食感がホタルイカの目玉と相性抜群なのです。ホタルイカと種入りマスタードをざっくり混ぜ合わせ、仕上げにイタリアンパセリでも乗っければ、簡単で立派で美味なおつまみの完成。辛口の日本酒か白ワインがぴったりです。

ホタルイカの主な生産地は兵庫県と富山県ですが、私は富山県産のホタルイカだけを食卓に並べます。富山県産のホタルイカのほうが芳醇濃厚、胴体がふっくらとしていて、ツヤも良く、プリッと身が引き締まっている気がするのです。

 

なんとなくの風味と食感。それにはこんな理由がありました。岸から遠く離れた沖合で底引き網によって大量に漁獲される兵庫県産のホタルイカは、解禁時期を設けないため一年中味わうことができます。有難や、有難や。一方の富山県産ホタルイカは、産卵時期の迫ったふくよかなホタルイカが富山湾に押し寄せる頃、毎年3月1日を解禁日に、漁港近くの漁場で定置網によって漁獲されるため、傷がつきにくく、鮮度も抜群というわけなのです。

つまり、私が好んで食べていた富山県産のホタルイカはそのほとんどがメスだったのです。とまぁ、そんなホタルイカにまつわる豆知識を夕飯時に披露していたら、食べ盛りの次女が言いました。「生きとし生けるもの、生きるために食べさせていただきます。はい、アーメン」と。そして卓上では次女のホタルイカ独占乱獲が始まるのでした。

Profile

クリス-ウェブ 佳子

VERY専属モデルを経て、現在はジャンルを超えて執筆業、ラジオDJ、インテリアコーディネーターなどマルチに活躍。ワインから日本酒、そしてウィスキーなどハードリカーも嗜み、それに合わせて世界を旅して出会った味をヒントにささっと作るセンスのいいおつまみが家族や友達から大好評。著書に『TRIP with KIDS―こありっぷー』(講談社)、『考える女(ひと)』(光文社)。

Illustratied by Przemek Sobócki (プシャメク•ソブツキ)
プロフィール撮影/YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉

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