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長女が大学生に【山口もえさん】が「自分を置き去りにして」気づいた子育ての匙加減とは

成長のステージも、性別も、性格も違う3人の子育て。忙しさのあまり忘れてしまいがちな母親以外の自分、手を離すことで伸びてくる子どもたちの自主性。その匙加減に悩みながらも、親だって成長していく。そんなことを改めて感じさせてくれる山口もえさんのお話。

子どもたちの人生。
彼らの失敗を恐れず尊重していきたい

長女は春から大学生。進路については頼られず

長女高3、長男中3、次女小2の、成長のステージもやりたいこともバラバラの3人の子育て。休日に「何をしたいか」の意見が全然揃いません。見たい映画でいうなら『秒速5センチメートル』と『ドラえもん』ぐらい意見が違う(笑)。それでも“家族みんなで”という時間を大切にしたい。それは、上ふたりがどんどん自分の予定で忙しくなってきて「こうやって巣立っていくんだ」と実感することが増えてきたからなのかもしれません。昨年の年越しは、結婚してはじめて夫が在宅。みんなで新しい一年を迎えることができました。年が明ける瞬間にジャンプする子どもたちの恒例行事を間近で見て、何だか嬉しそうでした。私的にしあわせを感じるのは、全員揃った朝ごはんの食卓の風景。思春期の子もいるので特別楽しい会話があるわけではなく、みんな黙々と食べているだけなのですが、じんわり「いいな」が沁みてくる感じです。

 

長女はこの春から大学生になります。どこの大学の何学部に進学したいか、その過程での相談はなく、ある日「ここに行きたいのでお願いします」と、サインが必要な書類とともに報告を受けました。それ以前にオープンキャンパスのことなど私なりに調べて伝えたことはあったのですが「もう行ってるから大丈夫だよ」と。長女が代わりに進路相談をしていたのは高校の先輩や、幼いときから仲良くしてくれている私の友人夫婦。就職を見据えて、いろんな話を聞いていたようです。私も夫も芸能の世界でしか仕事をしたことがなく、就職活動の経験もありません。浮き沈みの激しい業界でもあるので、親以外から情報収集したのは、もしかしたら危機管理的な側面もあったのかも?

 

役に立てない寂しさはちょっとありますが、それでいいのかなと思っています。自分のアンテナで見つけた人たちの経験を参考にしながら、進みたい道を考えて選んでいく。視野も道も広がる、とても大事で素敵なことです。何より、子どもたちの人生。親も彼らが失敗することを恐れずに、これから先も、その選択を尊重していきたいです。

子どもたちだけで夕食をレストランでという初体験

我が家のスローガンは「家族は協力!」。夫が積極的に声がけをしてくれています。結婚当初はそうじゃなかった夫が変わってくれたのは、3人目の出産がきっかけ。「子育てが少し楽になってきた」と思った40歳のタイミングでの、乳幼児のお世話と家事育児。上ふたりの学校生活もあって里帰りできず、家のことを誰かに手助けしてもらう器用さもなくて、いっぱいいっぱいで体調を崩してしまったんです。そのときに「このままだと私、潰れちゃいますよ」と夫ときちんと話し合いました。それからは夫が「みんなで協力しようね」と子どもたちに語りかけてくれて、私も「お弁当作ったから洗うのは自分でやってね」「洗濯物干しといて」と、家の中で任せられることが増えてきました。

 

この間、私が疲れて帰った日。上ふたりに次女の習い事のお迎えを頼み「ついでに3人でご飯も食べてきちゃう?」と、近所の行きつけのレストランで子どもたちだけで食事してもらいました。私は夕飯を作らなくて済むし、子どもたちも好きなものを食べることができるナイスアイデアと、上ふたりも乗り気で了承。パスタを食べて、長男と次女はデザートまで満喫したそう。支払い担当の長女はお金が足りなくなるのが心配で、デザートは遠慮しちゃったとか。子どもだけだと「自分がしっかりしなきゃ」となるんですね、きっと。

2025年末に家族みんなで、石川県の白山比咩神社に参拝に行ってきました。家族でもひとりでも、最近は神社巡りがマイブームです!

家族のためが、家族のためにならない。
自分を置き去りにして気づいたこと

母になってボヤけていた自分を取り戻す「ひとり旅」

家族のチームワークは良くなったものの保護者面談などの親が行かざるを得ない予定も3人分となると生活はやっぱり忙しく、2、3年前に無性にイライラしてしまう日々が続いたことがありました。子どもたちに対して怒りっぽくなり、どうにも解消できない苛立ちに泣きたくなってしまったり。先輩ママに「もえ、イライラが顔に出ちゃってるよ」と、気づかれてしまうほど。「もえが人生を楽しめないと、家族にいい影響なんてひとつもないよ」と言われて、ハッとしました。そのときの私は「何をしたら楽しいか」がすぐに思いつかないぐらい、生活の中で自分を置き去りにしていたみたいです。改めてノートに好きなことを書き出してみると、辛い担々麺が食べたい、ミスチルのMVをひとりでじっくり見たいなど、簡単に出来そうなこともありつつ「そうだ!」と思い出したのが、旅が大好きだったことでした。ちょうど次女が小学校に上がるタイミングで「まずは日帰りから」と、ロマンスカーに乗って箱根神社へひとり旅を決行。

 

お参りして、温泉に入って、「酔いたい!」とビールを飲んで(笑)。家族へのお土産もあえて買わないようにして、自分のためだけの一日を過ごしました。そうしたら、びっくりするぐらいイライラしなくなったんです。子どもにも「ママ、何かいいことあった?」と聞かれるほど。なので、家族のスケジュールと相談しながら、今もひとり旅は継続。ボヤけてしまっていた本当の自分を取り戻しているような感覚です。

 

昨年、結婚10周年を迎えました。記念に購入したのは、結婚指輪。結婚当初「相方が着けているから、コンビで指輪はおかしい」と断られ、諦めていたのですが、次女の「みんなのパパも着けているから、パパにも着けて欲しいの。お願い!」という一言で簡単に心変わり。私としては「10年前にお願いしたのに」と複雑な気持ちもありますが、家族のユニークなエピソードがまたひとつ増えてヨシとすることにしました。それからはテレビでも、夫はちゃんと指輪をはめています。

ブラウス¥34,100パンツ¥26,400(ル フィル/ルフィル ニュウマン 新宿店) ネックレス¥748,000〈QAYTEN〉イヤリング¥88,000リング¥286,000〈ともにPerlagione〉(すべてラ パール ドリエント)シューズ(私物)

Profile

山口もえさん

1977年生まれ。東京都出身。バラエティ番組を中心に活躍。東海テレビ「スイッチ!」隔週火曜日レギュラーを務める。野菜ソムリエプロ、愛玩動物飼養管理士2級。3児の母。夫は爆笑問題の田中裕二さん。

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撮影/土山大輔〈TRON〉 スタイリング/濱中麻衣子 ヘア・メイク/笹浦洋子 取材・文/櫻井裕美 編集/水澤 薫
*掲載中の情報は2026年3/6(金)発売『VERY NaVY』4月号誌面掲載時のものです。

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