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ガブリエル シャネルが『シャネル』に遺した“普遍のコード”とは【塚本香さん特別寄稿】

今月は特別に愛着のあるラグジュアリーブランドをもっと深掘りすることがテーマ。ストーリーやクリエイティブディレクターのこと、追求しているこだわりなどいろいろな角度で分析していきます。3誌のインターナショナル誌編集長を務め25年以上にわたり海外のコレクションを経験する、卓越した知識を持つファッション・ジャーナリスト塚本香さん。今回は各ブランドを様々な視点で切り込むエッセイを、NaVYのために特別に寄稿。精読後、きっと貴女の偏愛ブランドは増えてしまうはずです。

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ガブリエル シャネルが遺した
普遍のコード

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クリエイション スタジオによる2025/26年秋冬プレタポルテコレクションは、ツイード、パール、ボウタイ……とメゾンが最も大切にしてきたシグネチャーを再解釈。ブレードの縁取りがアイコニックなブラックツイードのケープとドレスは、表情のあるウールを用いて、まるで美しく経年変化したようなヴィンテージ感を演出。ケープ¥1,808,400ドレス¥1,387,100ネックレス¥159,500イヤリング¥173,800グローブ¥191,400(すべてシャネル/シャネル カスタマー ケア センター)

女性に自信をくれる不変のシグネチャー

シャネルを愛するのに理由はいらない。だって、シャネルはシャネルだから。ガブリエル シャネルの自由の精神が、彼女の遺した普遍のコードが私たちを魅了する。ヴィルジニー ヴィアールが退任して1年余り、アーティスティック ディレクター不在の今もシャネルの根幹は揺るがない。クリエイティブ スタジオが手がける今季のコレクションもメゾンのコードが出発点。ブレードの縁取りを施したツイードのケープやロングドレス、シグネチャーのパールを拡大したミニバッグなど変わらないシャネルらしさを表現している。あまりにも有名な彼女の名言どおり、その「スタイルは永遠」なのだから。2026年春夏 プレタポルテコレクションは、マチュー ブレイジーによる(※)新生シャネルがいよいよ登場する。今年4月の就任に合わせてパリに移り住み、周到に準備を整えてきた彼。今はまだ何も語れないけれど、ひとつだけ確信できる。ブレイジーはガブリエル シャネルの哲学を継承し、私たちに21世紀のスタイルを提起してくれるはず。永遠に自由で、だからこそ新しい。そんなシャネルを、私たちはこれからも偏愛していく。
※彼のデビューショーは10月6日に開催された。

書ききれなかった“大切”な部分を改めて
“アトリエ”こそメゾンのアイデンティティ

「今回の原稿を書きながら心に残ったのは、初コレクションを披露したときのサラ・バートンの『アトリエは、ジバンシィの心臓であり魂なのです』という言葉です。メゾンの“アトリエ”とは、デザイナーのアイデアを具現化するための場所。パターンの設計や仮縫い、裁断、縫製、装飾など専門的な技を持つ熟練の職人たちによって構成されています。各メゾンがその“アトリエ”の技術を創業から変わらず守り続けているのは凄いこと。歴史が培った高度なテクニックがなければ、クリエイションは成り立たちません。そのため、クリエイティブ・ディレクターは“アトリエ”のスタッフに敬意を払い綿密に連携を取れるコミュニケーション力が必要とされるのです。今年はかつてないほどディレクター交代が続く、ファッション史の大変動期。この号が発売される10月7日はちょうど海外コレクションが終了したタイミング。ミラノでもパリでも新しい後継者による初コレクションが数多く発表されているので、ぜひ注目してみてください。それぞれにフレッシュな驚きを与えてくれるとともに、そこには必ずメゾンの遺産を再解釈した本質が浮き彫りにされているはずです」[談]

Profile

ファッション・ジャーナリスト 塚本 香

『フィガロジャポン』、『エル・ジャポン』、『ハーパース バザー』の3誌の編集長をトータルで約16年間務め日本のインターナショナルファッションマガジンを牽引する。海外コレクション取材歴は約30年。歴代のクリエイティブ・ディレクターやスーパーモデルたちを見届けている。

今月は”偏愛ブランド”を語り尽くす♡
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文/塚本 香 撮影/長山一樹〈S-14〉 スタイリング/斉藤美恵 ヘア/ASAHI SANO メイク/Tomomi Shibusawa〈beauty direction〉モデル/滝沢眞規子 取材/坂本結香 編集/渋沢祥子 撮影協力/バックグランズファクトリー
*VERY NaVY11月号『大特集Part1NaVYな人たちの偏愛ブランド を語り尽くす』より。詳しくは2025年10/7(火)発売VERY NaVY 11月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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