”ひとクセ”デニムが10年はいても現役な理由【VERY NaVY編集者の偏愛名品12】
Vol.12_無骨さに憧れた時代に手にした、10年モノデニム
デニムは大好きで、シーズン初めにスタメン15本ほどと、お休みアイテムを入れ替えていますが、本当にここ10年、変わらずスタメン枠にエントリーしているのがこの「NEEDLES」の一本。
NEEDLESといえば、特にメンズの間では憧れ「NEPENTHES(ネペンテス)」のブランド。当時はまだ宮下公園から少し上がった坂の途中にお店があった頃、夫の買い物に付き合ってお店をのぞいた際に出会いました。
デニムは無骨なほうがカッコいい。ウエストのタイトさに憧れて、Levi’sの501や701も買いましたし”シュリンク トゥ フィット”(洗うと縮み、はいていくことで自分の体になじんでいく)で、育てていくデニムに憧れがありました。
いまも飾り気がない、デニムぜんとしたデニム素材のもののほうが好きですが、悲しいかな年齢を重ねて体型が変わり、はきたい気持ちと裏腹に、サイズアウトしてあきらめなくてはならないものも出てくるように(涙)。そんななかも生き残っているのがこのデニムです。
リジットではないですし、大いなる縮みなどはないものの、洗うとほんのりと小さくなります。はいたその日は少しピッとタイトになりますが、徐々に体が慣れてくる。不思議と叶う無理のなさも、このデニムが”今シーズンもスタメン入りさせておこう”と思う理由なのかも。
バイカラーで、少しアウトシームやインシームが内側に、ひねるように入ってくるデザインも好き。
モヘアカーディガンやバルーンライクなミリタリーパンツなどなど、当時購入したものは、憧れや思い出がありすぎて今もクローゼットに大切に残っています。
起毛カーデが流行しそうな今年は、また引っ張り出すんじゃないかな。作り手の人へのリスペクトも、モノを長く大切にできる要素になるんだなって思っています。
撮影/西原秀岳<TENT>(静物)