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「道徳」に成績がつくこと、知っていますか?[教育ニュース]

道徳教育を「特別の教科」として教えることに舵を切り、すでに小学校では2018年度から、中学では2019年度から、「必修化」されています。

英語が小学校で必修になったり、プログラミング教育が始まったり、このところ教育も続々と新しいことが始まっています。その一つに、「道徳」が教科になったことを知っていますか。「道徳」、親世代でもありましたね。でも、どんなことをしたのか、あまり記憶に残っていない人も多いのでは?  改めて考えてみれば「道徳」を身に着けることは、実はとても大事なことですよね。

 

親世代の「道徳」は、「価値観の押し付け」に対する懸念(批判)や、「道徳」というのは、学校生活全般を通じて培うもので、改めて授業で教える必要はないという意見も根強くあり、これまでは年間35時間という時間が割り振られていたのに、運動会の練習や文化祭の準備などに振り替えられたりするところも多く、学校で学ぶべきものとしての優先順位が低かったという実態もありました。ところが、近年、いじめ問題が深刻化したことや、公共の場における振る舞いに対する懸念などから、道徳教育の充実を求める声が、徐々に高まっていました。そこで、文科省でも2013年から検討を始め、道徳教育を「特別の教科」として教えることに舵を切り、すでに小学校では2018年度から、中学では2019年度から、「必修化」されています。

「教科」に明確な定義があるわけではありませんが、①教科書、②評価、そして③専任の教員免許があることとされています。つまり、「道徳」の成績がつくということですね。道徳観というのは、人により違うこともあるかもしれませんが、お互いに気持ちよく社会で生きていくための「道徳観」という意味では、とても大事であることは言うまでもありません。それらを身に着けるために、道徳の教科では、①自分自身に関すること、②人とのかかわりに関すること、③集団や社会とのかかわりに関すること、④生命や自然、崇高なものとのかかわりに関すること、というカテゴリーで学ぶこととされています。文科省での検討においても、特に命の大切さ、他人への思いやりの心を持つことを、大きな目的にして議論されてきた経緯もあります。

 

では、「教科」と「特別の教科」とは何が違うのか、これも明確な定義はありませんが、教科の「定義」とされている教員免許も、道徳を教えるための専門の免許があるわけではないこと、成績も数値ではなく、記述式で、それもできるだけよいところを伸ばす、ほめる評価とすることなどが、他の教科との違いから、「特別の」とされているようです。

 

社会のルールやマナーを大切にすることも、道徳の一つと考えるならば、大人でもきちんと身に着けているか疑わしいことが、時々起こります。親である私たちも、子供たちが学校で勉強するこの機会に、改めて「道徳観」を考えてみるのもよいかもしれませんね。

Profile

細川 珠生

政治ジャーナリスト。聖心女子大学英文科卒業。政治全般や地方自治、教育に関する知見を活かし各方面で活躍。三井住友建設株式会社社外取締役、星槎大学非常勤講師なども務める。15歳男子の母。
近著に『明智光秀10の謎』(本郷和人共著、宝島社)。
https:// blog.excite.co.jp/tamaohosokawa

編集/羽城麻子 

 

 

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