【韓国の大学受験事情】韓国ママたちが『海外移住』を目指す理由!
「子どもを海外で通用する人材に育てたい」という考えが一般的になってきた今日この頃、おとなり韓国では一歩進んでいるようで…。マレーシアへ教育移住中のエディター、マーサがK-MOMの教育事情をリポート。第4回は海外進出ママたちの実情に迫ります。
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先日、韓国人ママ3人と私でランチという機会がありました。「最近、坂口健太郎が気になる」なんていう話に始まり、嫁姑問題(世界共通!)、学校のことなど弾丸トークを繰り広げていたところ、受験の話に。日本では中学受験真っ盛りの時期で、その話題をしたら「え。中学で受験!?」と3人ともきょとん。「私立の中学?そこに入るのがそんなに大変なの?一部のお金持ちだけじゃないの?」と、驚きを隠せない様子。韓国でも私立の学校はあるけど、メジャーな選択肢ではなく、さらにいえば、大学付属のエスカレーター式の学校もなければ、高校受験もないといいます。
ソウル大学も8割が推薦!?
「とにかく韓国は大学受験。高校のときなんて、恋愛も遊びもなくて勉強ばっかりしてたわ」と、韓国ママの一人が言うと、他の二人のママも深くうなずく。彼女たちは「スヌン」と呼ばれる共通テストを経てきた世代。飛行機の離発着時間も調整される国家をあげての一大事「スヌン」ですが、今もなお継続しているものの、最近では少し様子が違うよう。
ここ数年、日本でもその割合が増えている総合型選抜入試ですが、実は韓国はその先駆け。スヌンで受験する定時募集は年々減り、ソウル大学でも入学者の8割弱が「随時募集」と言われる総合選抜タイプといいます。いくつかパターンがあるのですが、難関大は「学生簿総合選考」という、学校の成績に加えて、ボランティア活動、コンクールでの受賞などさまざまな実績や読書歴などのポートフォリオ、そしてエッセイや論文を提出して選考というもの。“総合”で判断されるため、勉強だけしてればいいというわけではありません。特にスポーツや音楽、アートはそれなりのレベルになるには小さいときからの“仕込み”が必要。そんなこともあって、18歳のゴールを見据えて、小さいときからピアノ、バイオリン、水泳、お絵描きなどさまざまな習い事に通い詰めます。
そして、受験制度が変わっても学歴社会は変わらず、ますます受験競争は複雑かつ激化しているといいます。塾やたくさんの習い事、さらに入学コンサルタントなど課金ポイントは無数。
彼女たちが海外を目指す理由
「ならばいっそ海外へ!」と思うのも自然な流れと言えます。 海外移住の出口戦略としては、大きく分けて二つ。海外経験を積ませて英語を習得することで、韓国国内の進学の際のアドバンテージを狙う。韓国では小中高12年海外に住むと、外国人枠(帰国子女枠のようなもの)で受けられ、一般よりは入りやすくなるとか。また、3年間海外で暮らすと、特殊目的高校に入る資格が発生しそれも進学には有利。ただ、韓国の競争の激しさを回避するために海外インターを選択している人も多く、国内進学にプライオリティを置いている人は私の周りでは少なめ。
やはり本丸は「海外大学への進学」です。韓国の人にとって海外大学=アメリカの大学。イギリスならばオックスブリッジに代表される超名門大なら……というアメリカ偏向主義(もちろん人によります)。「随時募集」型はそもそもアメリカの入試形式に似ているので、幼少期に培った特技なども海外インターで即効力を発揮します。インターもスポーツに音楽に加え、数学オリンピックや模擬国連などにも積極的。 新しい入試もハックしようとする彼女たちを見ていると、日本もきっと同じような課題に向き合うことになるのでしょうね。
学校では習得できない要素が増えて結局、課金がものを言うことに…
高校の内申だけによる選考、論文や数式を解く論述型、さらに外国語やサイエンスなど特化した分野の実力や功績で選考されるものなど、パターンがありますが、総合選考が最多。もともと随時募集はスヌンの影響による暗記型学習や過当競争の緩和策として生まれたものだったのに、結果的に「金持ちが有利」という批判も高まっています。
今月の1枚
マレーシア土産の代表、BOH TEA。キャメロンハイランドという高原地帯で栽培され、フレーバーティーやハーブティーなど種類も豊富。友人からの「また買ってきて!」というリピート率がとても高いお土産です。
Profile

マーサ斉藤 MARTHA SAITO
元雑誌編集者。中学受験から逃げるように息子とマレーシアへ移住。最近はK-MOMたちに触発されduolingoで韓国語を勉強中。教育系メディアfindits(findit-s.com)にも参加。
イラスト/香川尚子 取材・文/マーサ斉藤 編集/水澤 薫
*VERY NAVY 4月号「連載 子どもの頃から海外進出も視野に!?K-MOM流 グローバルエリートの育て方」より抜粋。詳しくは2025年3/7(金)発売VERY NaVY 4月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。