【親子留学ってどうですか?】小学生でアジア留学した親子の体験談
留学熱が高まりつつある昨今、どのタイミングで子どもを海外へ行かせるかは親の大きな悩みどころ。今回は小4の8月から単身で1年、2年目は次男を連れてマレーシアの母息子留学を経験されたお話をご紹介します。
Vol.24 小学4年から現在も留学中
【Tさんの場合】

Vol.24 小学4年から現在も留学中
【Tさんの場合】
【留学したときの学年】
小学校4年生8月~
【留学した国】
マレーシア、イギリス
【留学した学校】
マレーシア、イギリスのボーディングスクール
【方法】
個人
【ステイ先】
寮生活
【費用】
マレーシア年間 約350万円、イギリス約600万円
(ともに寮費や渡航費などを含む)
「変わるなら今」という思いから
小学生のうちに思い切って、
マレーシアのブリティッシュスクールへ
行くまで
〝いずれは留学を〟と考えていた私たち。息子には幼い頃から英語に触れさせることを意識してきました。サッカーが大好きな長男は、小3の時レアルマドリード主催のプログラムに参加するため1週間スペインへ。とても楽しかったようですが、英語が喋れない分コミュニケーションを取りづらかったらしく、それがきっかけで本人のなかで英語に対する意識が高まりました。また、普段はなんでも器用にできるのに、本番では信じられないほど萎縮してしまうのが気になり、色々な方に相談したところ「海外教育の方が向いているのではないか」とアドバイスを受けたことで「息子に変わってほしい」という思いから、留学という選択肢が浮上。調べるうちに、海外では学年が上がるにつれ学費が高くなるので、いっそ小学生のうちに行かせた方が本人的にも経済的にも合っているのではないかと考え始めました。当初はイギリスを調べていたのですが、予算が合わず断念。アジア圏のブリティッシュスクールなら比較的学費が良心的だということを知り、辿りついた国がマレーシア。サッカーができる環境で留学生の寮を備え、イギリス直系の付属小学校でありながら本国の学費の7割ほどだった点も親としてはありがたく、早速エントリーの準備を始めました。入学するためには、オンラインで行う英語の面接をクリアした後、コンピューターテストを受けるのですが、1回目の面接では英語力が足りず、息子の伸び代を考慮いただき、2カ月後に再チャレンジのチャンスをいただけたので、猛特訓してクリア! 小4の8月に旅立つこととなりました。留学先の学校へは、卒業前提で編入する形を取っていましたが、内心は〝ダメだったら途中で帰ってきても〟というスタンス。戻れる場所があるという義務教育期間ならではの安心感もありました。
行ってから
小4の8月に出発するまで毎日英語のオンラインレッスンを受けるなど目まぐるしい日々のなか、本人も意欲的でしたが、出発の2週間前に「やっぱりやめていい?」と急に言われ、親として不安になったことも。大人びたところがある息子でしたので「きっと大丈夫」と思う一方で、寮に入ってすぐは、スカイプやチャットを送っても全く返信がなく、現地での様子がわからず不安に駆られたりもしました。実は、学校側が最初の2週間は親と連絡を取らせないようにしていたことや、留学当初、親に海外に置き去りにされたと思い、その寂しさから少し反抗的な気持ちを抱いていたことを、後に息子から聞きました。授業はグループワークが多く、最初の頃は〝まだ英語がわからないだろうから書記やって〟など、子ども達の中でそれぞれができることを自主的に分担しあうイギリスの文化に助けられたようです。学校で賞をもらうなど成功体験を重ね、サッカーでも活躍した息子から「もう1年留学を続けたい」とリクエストが。小学生がさらにもう1年親と離れて暮らすことに不安を感じたこと、送迎さえできれば土日もサッカーができるのにそれができない状況をもったいなく感じ、2年目からは5歳の次男を連れて親子でマレーシア生活をスタート。物価が安いお国柄ゆえ、寮費に少し足すくらいの予算で家を借りることができた点も助かりました。その後、計2年の留学期間を経て帰国し、帰国生枠で私立中学を受験・入学後、本人のなかでも「やはり海外で学びながらサッカーをしたい」という思いが芽生え、中3の8月から現在もイギリスへ。最初からイギリス留学では学力も学費もハードルが高かったと思いますが、マレーシアでの成功体験が息子のステップアップにつながる大いなる礎になったと実感しています。
撮影/相澤琢磨 取材・文/鍋嶋まどか 編集/羽城麻子
VERY NaVY4月号『実例・我が家の留学体験記』より。詳しくは2023年3/7発売VERY NaVY4月号に掲載しています。*取材内容は、留学当時の情報になります。