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【留学体験】2年間の母子留学を経て13歳から息子1人の寮生活へ

「海外駐在は羨ましい」と思われがちですが、赴任先の国や帰国タイミングによっては子どもの進路への影響など問題に直面することも。今回お話をうかがったのは、小5のとき本人の意志で現地に残り、母子留学をすることにした男の子とそのお母さまのお話です。

Vol.21 小学5年から留学4年目
【Kさんの場合】

Vol.21 小学5年から留学4年目
【Kさんの場合】

【留学したときの学年】
小学校5年~
【留学した国】
イギリス
【留学した学校】
Sevenoaks School
【方法】
Pippa's Guardians
【ステイ先】
寮生活
【費用】
年間約700万円(学費、手数料込み)

海外赴任後2年間の母子留学を経て、
ボーディングスクールへ。
親の敷いたレールではなく、
失敗しながら逞しく成長する息子を
見守っています

行くまで

 7歳まで日本で過ごし公立小へ入学後、夫の仕事で中東へ赴任。その2年後にはイギリスへ赴任となりました。当時の我が家のプランでは、日本での中学受験を視野に入れていたので、受験の参考書も沢山持ち込み、中学受験と語学の勉強を並行してやっていました。息子が10歳のときに夫の帰国が決まったのですが、息子は「日本での受験はせずに、イギリスに残りたい」と。そんな息子の意志を尊重したいと思いました。ボーディングスクールに入るには受け入れてもらえる学年が決まっている場合が多いので、まずは親のビザを出してくれる私立校へ編入し、ボーディングスクールに入るタイミングの13歳になるまでの2年間、母子で残ることになりました。親としてまだ息子のサポートが必要だと思っていたので、親のビザが出る私立校とご縁があり、本当に助かりました。ちなみにイギリスは物価が高く、ロンドンでの二人暮らしの部屋は家賃27万円ほど。エージェントも、日系ではなく良心的な価格で面倒を見てくれる現地のエージェントにお願いしました。現地でボーディングスクールに入る準備をしながら思ったことは、イギリスのボーディングスクール受験では英語が喋れることよりも、どちらかというと書くことに特化しているということ。また、ダイバーシティを重視しているので、自分の国のことをよく学んでいてプレゼンができると評価してもらえるし、低年齢で留学させる人数が少ない日本人は実は入りやすいのではないかと個人的には思っています。英語の伸びしろを見てくれる一面も。2年間の母子留学を経て13歳から息子一人の寮生活が始まりました。

行ってから

 今思うと、息子が日本で中学受験をしていたら、私たちが全部レールを敷いてしまっていたと思いますが、今一人で暮らしていることで、色々な失敗を繰り返しながら、自分で自分のことを考えられる術や、自分で決めたことに責任が取れるようになったことが大きな成長だと感じます。もちろん、帰国の際、スーツケースを寮に忘れたり、タクシーのお迎え時間に起きられず飛行機に乗り遅れそうになるなどアクシデントは続出です(笑)。イギリスの寮生活は想像よりも質素。携帯は夜10時には没収され、15分後に就寝、とデジタルとの付き合いも学校がコントロールしてくれる点もありがたいです。「大変なのは自分だけじゃない」という環境でみんなに助けられながら暮らすので、帰国のたびメンタルが成長していることがわかります。教育面に関しては、平均的に全てができなくとも、何か特化して秀でているものを褒めて伸ばしてくれるので、自分の得意なことが明白になり将来の目標を立てやすい点も日本との違いを感じました。息子の場合、エンジニアや建築の仕事が将来の目標とのこと。15歳の息子が、得意な分野をしっかり見出し、将来のプランを考えられていることもイギリスの教育に支えられているんだなって思います。アニメ好きな子に日本語を教えたり、中国人のお友達から中国語を教えてもらったり、寮生活の中で自然に国際交流ができているところもボーディングスクールの良さだと思います。

撮影/相澤琢磨 取材・文/鍋嶋まどか 編集/羽城麻子

VERY NaVY10月号『実例・我が家の留学体験記』より。詳しくは2022年9/7発売VERY NaVY10月号に掲載しています。*取材内容は、留学当時の情報になります。

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