小学校での留学体験は息子にとって大きな学びに[実例・我が家の留学体験記]
留学を考える時、年齢が低いほど親子の積もる不安は多いもの。英語教育を受けられる環境作りを目指して、短期留学を下準備に入れながら小学5年生で1年留学を経験したお子さんのお話をご紹介します。
Vol.13 小学5年から1年間留学【Sさんの場合】
Vol.13 小学5年から1年間留学【Sさんの場合】
【留学したときの学年】
小学校5年生2月〜
【留学した国】
ニュージーランド
【留学した学校】
Halswell School
【方法】
海外教育研究所
【ステイ先】
ホームステイ
【費用】
年間約380万円(学費、ホームステイ代、手数料込)
2度の短期留学を経ての小学校での留学。
いいことばかりではないからこそ、息子の視野も広がりました
行くまで
私が英語に関係する仕事をしている関係もあり、子どもにはできるだけ早く英語を身につけてほしいという思いと、アイデンティティ構築のためにも他の文化や言語である環境で過ごさせたいという希望があり、小学生のうちに留学させたいと考えておりました。夫の仕事の関係で息子が3歳まではアメリカで過ごし、帰国後はインターの幼稚園へ。その後は日本の公立小へ進学しました。
息子の様子や、夫婦で将来について話し合った際に、アイデンティティが形成される途中で海外に送り出したいという思いは変わらず、まずは小4の春休みを使って1カ月ニュージーランドの公立校へ短期留学しました。
“また行きたい!”という息子の意志を尊重して、同年10月に2カ月の短期留学させることに。一旦帰国後、3回目は、翌年の1月から1年間留学することになりました。1回目はクライストチャーチの公立校へ、2回目はオークランドの私立男子校へと2校経験したのですが、息子なりに2回目の留学では挫折もあったようで、長期留学には1回目に滞在した公立校を選びました。短期の滞在を経験することで息子の留学に対する意欲を感じることができたり、海外で過ごすことの厳しさも子どもなりに理解した上で長期留学へと進めたことも効果的だったと思います。在学中の小学校には、最初の短期留学の際は2カ月間の欠席を認めていただき、その後1年の留学に関しては除籍になりましたが、色々と配慮いただき留学することができました。義務教育中の留学は、無条件で戻れるという保険が確保できる点も親としては安心でした。幼い頃から国際交流が多く、短期留学の段階を経たことで息子本人は留学に対する抵抗感は無かった様子。逆に、旅立たせた親の方が、本当にこの選択で良かったのだろうかと最初の一ヶ月は不安で泣いて暮らしておりました。
行ってから
留学先をエージェントに相談した際、小学生の留学先として、日本の文化に類似し国民が親切であるなどの観点からニュージーランドを提案してくださったことが決め手に。2020年、ホームステイの新生活は始めのうちは上手く行っていたのですが、コロナ禍によるロックダウンでホストファミリーも息子もナーバスに。当時、私が日本で仕事をしながら大学院に通っていたので「ママが勉強したいから、僕を留学させたんでしょ!」と言われてショックを受けたことも。ホストファミリーとギクシャクしたことで3週間部屋から出ず、夜に1人で夕食を食べていたことを後から知りました。こんな状況を現地の先生が気付いてくださり、4月から学校の先生のご家庭に迎え入れていただいたことで息子の気持ちも前向きに。お世話になったご家庭はボランティア精神が高く、週末には “Special need” のお子さんを受け入れていて、息子はそのお手伝いをするという経験をしました。12月に7年生を終了し一旦帰国。入国規制が続いている南半球にはすぐに戻れない現状もあり、帰国後は1ヶ月半後に迫った中学受験の準備を急遽始めることに。英語が受験科目にある国際クラスを志望校にしましたが、それにしても入試までは死にもの狂い!ちょうど私の大学院の卒業とも重なったこともあり、「親子で達成感を味わおう!」と励まし合いながら頑張れたことも親子の絆を深める機会となりました。息子との会話を通してグローバルな価値観がしっかり育っていることを実感。留学は、いいことばかりではありません。困難をどうやって乗り越えるかということも息子にとっては大きな学びになったと思いました。現在は、ご縁があった、暁星国際中学校に合格し現在寮生活中ですが、ひとまわり頼もしく成長した息子は親と離れる不安よりワクワク感のほうが強い様子です。
撮影/相澤琢磨 取材・文/鍋嶋まどか 編集/羽城麻子
取材内容は、留学当時の情報になります。