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中林美和さんに聞く
「ステップファミリーの4人子育て」と「これからのこと」

モデルとして、またスパブランド「MAROA」のプロデューサーとして活躍する中林美和さん。23歳で結婚、ステップファミリーとなり、4人の子どもを育ててきました。子どもたちは幼少期からインターナショナルスクールに通い、留学や海外移住などを経験し、それぞれが自分の道を見つけています。中林さんに、NAVY読者にも関心が高いインターナショナルな子育て、自主性ファーストの教育観、子育てが落ち着いた後の人生や夫婦の時間について、お話をうかがいました。

 

◉第1回の記事「子どもの個性を伸ばす!中林美和さんのインターナショナル子育て」はこちら

 

モデル中林美和。NiziU(ニジュー)RIMA(リマ)の母親(ママ)。

――23歳で結婚。ご主人はシングルファザーとして10歳と9歳の男の子を育てていて、中林さんは若くして突然、2人の男の子ママになりましたよね。家族になるうえでどんな心がけやご苦労がありましたか?

 

中林 まだ若くて子育ても初めてだったので、大変だったことしか思い浮かばないです()。息子たちとの信頼関係を大切にしたかったので、言葉で「大好き!」ということは常に伝えて、手をつないだりハグをしたりスキンシップも意識的に大事にしました。子供達の気持ちを一番に考えて、無理に親になろうとは思わずに、お姉さんっていうくらいの気持ちで、純粋に可愛がろうと思って接していましたね。父親に育てられていたので、3人でタフな生活スタイルだったと思います私がいることで、母親の細やかさや温もりを少しでも教えてあげたいなと思ったんです。

 

――ステップファミリーを作り上げていくことは、年齢に関わらず大変だと思うのですが、プレッシャーとかはなかったですか?

 

中林 今の年齢で同じ行動をするかと言ったら……今は頭で色々と考えてしまってできないかもしれないですね()。当時は若くて何も知らないし、夫のことが大好きで、子供達も可愛くて、何か自分が役に立ちたい!と無我夢中でした。今思うとなかなかできることではないので、すごく良い経験になりました。精神的にも肉体的にも大変だったけど、この経験をしたことで今後はどんなこともできるだろうと思っています。そういう意味ですごく感謝してますね、息子たちに。

 

――具体的に、どんな大変なことがありましたか?

 

中林 うーん、本当に忙しくて記憶がないんですけど……食べ盛りの息子2人と、生まれたばかりの年子の娘2人がいて、食事の準備だけでも本当に大変で。お肉と離乳食とミルクの準備が次から次で、「私はいつご飯を食べれるの?トイレに行けるの?寝れるの?」っていう状態。4人と言ってもスケジュールがそれぞれ違うから、お兄ちゃんはスクールがあるのに、夜中に長女が熱を出しちゃって病院に行かなきゃいけない。40度の熱が出てパニックになりながら、長女を抱えて、次女をおんぶして早朝病院に行って、帰宅して息子たちのお弁当を作って送っていかなきゃいけない。でも、熱のある娘をどうしようとか。自分の時間はないし、、。姉妹たちが幼稚園に入る頃までは、本気で無理かもしれないって何度も思いましたね。ご飯を作っている時に、涙が突然ボロボロ止まらなかったりもしましたね。完全にキャパシティーオーバーでした。

 

――ご主人やシッターさんなど、周りのサポートはどんな感じだったんでしょうか?

 

中林 夫も一番仕事が忙しい時で不在がちだったのと、私も変な責任感があって、自分が母親になったんだから自分で頑張らなきゃと思い込んで、頼り下手だったのかな。シッターさんにもお願いしていたんですけど、それでも足りなくて。

 

――シッター1人じゃ足りないですよね。ママが3人は必要な気がします。

 

中林 当時はスマホもない時代なので、折り紙や絵本をぎっしりバッグに詰めて、移動は常に大荷物。通販もまだ今ほど流通していなかったから、サイズ違いのオムツと食べ盛りの息子たちのお米を抱えて、買い物すらも一苦労でしたね。その頃を思い出すと、今はもうなんでもできますよ。この前、長男に子どもが産まれたので、今はたまに赤ちゃんのお手伝いをするのが楽しくて仕方ないんです!

 

――子どもの手が離れたなと思ったのは、いつ頃でしたか?

 

中林 次女が10歳の時に、「あ、もう手が離れたんだな」と、ふと思った時があって。学校のお迎え帰りに公園に毎日連れて行っていたんですが、「ママ、もう来なくていいよー。恥ずかしいし」って言われて。他のママたちは誰も来てないと言われて、「えっ?嘘でしょ!?」って()。「気をつけて行ってきてね」って送り出すようになって、、そこでちょっと手が離れたと思ったかな。

 

――NAVY世代だと、子どもの反抗期に悩み始める頃なのですが、お子さんたちに反抗期はありましたか?

 

中林 ありました、ありました!息子たちはすぐ部屋に籠っちゃって、何か話しかけても、「うん」「あぁ」しか言わない。娘たちは同性のバトルというか、機嫌が悪い日があったりイライラしてる感じ。みんな、中学生になったすぐくらいから始まったかな。でも、自然のことだと思っていたし、反抗も無視して喋り続けました私はいつもと変わらないように。動揺もしないし、どーんと構えてようと思って。気づいていないかのように接していましたね。

 

――強い!でも、たまには傷つきませんか?

 

中林 傷つくけど、「可愛いな、一生懸命、反抗しちゃって!」と思うようにしていました。反抗期は絶対に終わるし、終わったらちゃんと優しくしてくれるし、反省もしてくれるから。真っ最中は見守るのが一番かなと思います。

 

――男の子だから、女の子だからって、子育てにおいて考えたりしましたか?

 

中林 とにかく男の子は「たくましく、女の子を守りなさい」と言い続けたかな。女の子は、蝶よ花よという感じで大事にしたのと、「自分の体を守りなさい、大事にしてくれる人とおつきあいしなさい」ということは話しています。

 

――子育てのステージによって、親の役割や仕事も変わってきますよね。子育てが落ち着いて、夫婦関係はどう変わりましたか?

 

中林 今までは夫婦の時間を楽しみにしてきましたが、いざ子育てがひと段落したら、自分にもすごく時間があるなと気づいて。まだ老後というには早すぎるから、これから自分もキャリアアップしていきたいし、子どもたちに負けないように自分も輝きたいという気持ちが一番ですね。子育てが終わってみて、こんなに色んなことを経験してきたんだなって気づいたんです。子育てを通して色んな人とコミュニケーションをとってきて、コミュニケーション能力も上がっただろうし、タイムマネージメント力もついたし。それが今、自信にもなっています。だから、自分のために使う時間、勉強したり学んだりして自分と向きあう時間がすごく楽しいですね。子どもたちもパパも頑張って、私も頑張るからっていう気持ちです。

 

――お仕事以外で、何か展望はありますか?

 

中林 語学はやりたいので、また学校に通いたいなと思っているのと、お料理教室にも行きたい。「あれやってみたかったな」ということを全部やりたいですね。旅行も、時差や食べ物のことを考えずに、遠いところに行ってみたいな。

 

――最後に、NAVY読者のママに向かって、メッセージをお願いします。

 

中林 悩んだり大変なこともたくさんあるけど、終わってみるとすべての時間が愛おしいなって。辛かったことも傷ついたことも自分の経験となる本当に大切な時間でした。同時に、こんなに一瞬だったんだって思うくらいあっという間だから、今育児をしている時間を楽しんでほしいなと思います。なかなか最中にいるとそう思えなかったりするけど、本当に幸せな時間だから。育児を思い切り楽しいでほしいし、大事にしてほしい、そう思いますね。

取材・文/宇野安紀子

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