FOLLOW US

  • 今日のコーデや撮影オフショットを毎日更新

    @veryweb.jp

  • 週3回VERY的トレンドまとめを配信中♪

    @oa-veryweb

  • 限定プレゼント情報も♡

    @VERY_web

  • VERYWEBの最新記事をチェック

    @veryweb.jp

“5人に1人が出会ってる”【マッチングアプリ】子育て世代はどう向き合う?

母、妻、女としてのバランス

──海外配信ドラマでは、アプリの出てこないものを探すほうが難しいくらいですね。

LiLy 『SEX』(幻冬舎)の1話目では、女性がワンナイト希望の男性の被害者ではなく、自らの意思で能動的に一夜の情事を楽しむ、ということを描きました。千秋さんのマンガとの共通点はそこだと思っていて、女性たちによる受動的ではないセックス、日本のフェミニズム、娘たちへの性教育でも遅れている部分。

──地上波ドラマでは描かれない部分。

LiLy はい。そもそも、女性に性欲があるという基本的なところが何故か日本ではまだまだタブー化されているように思います。自慰ひとつをとっても、女の子が自慰をすることに否定的な親はまだ多い。自分の性欲を恥じる感覚は、そのまま女性=男性の性欲の犠牲者という図式につながっている気がして。私はそれを不自然だと感じる。

千秋さんが女友達の枝分かれで、男に興味がない層と既婚者しかいなくなったとおっしゃってましたが、逆に私の周りには、バツイチ子持ちで再婚願望はないアラフォー女性が多いんです。普段は仕事と育児で忙しいので、恋愛では癒しと刺激を得られれば幸せ、というような。条件云々の婚活とは真逆の、まるで〝青春時代のような〟ライトなある意味ピュアなただの〝恋〟プラス〝大人のセックス〟。

──その感じは離婚してない女性にもありえるのでは?

LiLy はい。子どもを産んだ後の女性って、「私はもう女としては終わったんだな」と感じる瞬間が個人差はあれど少なからずどこかにあると思っていて。母親になる前の自分との比較で。そこに夫婦のレスがきて、自分はまだ性欲がある状態だと、母として妻として女としてのバランスに苦しむことになる。だけど、もしかしたら家の外に出れば私もまだ女として見てもらえるかも、みたいな切なさを抱えている。これは既婚者の女性、VERY読者のママたちの中にもいると思います。どんなに仲が良くても夫婦間で性欲を満たし合えている人たちは、超ラッキーな少数派だと思うので。

私の場合も、レスが一番の離婚理由なんです。もちろん子どもがいるので死ぬほど悩みました。だけど、不倫は私の中では選択肢になく、まだ当時33歳で、これから一生セックスしない人生は選べなかった。でも、だからといって、結婚してるんだからアプリで羽目はずすのは不倫だよ、それってずるくない、なんていうつもりはまったくなくて、そこに至る気持ちはよくわかる。

──お2人ともTinder。

松本 Tinder以外は婚活っていうイメージがあって。結婚する気もなかったし。

──結婚願望のない既婚者向きと言えなくもない。

LiLy 今、リアルな恋愛小説を書くのにアプリを知らずには書けない。それくらい〝普通の出会い方〟として普及していて。特にコロナ禍でさらに。顔出しはせずに取材として数週間やってみたのがTinderです。女の子ともマッチして、お互い他人なので本音を聞き出せたこともあり、会わずにチャットをしているだけでも最高のインプットになりました。

タップルやwith、東カレデートやバンブルなど、恋活、婚活をしている友達からも詳しく話を聞いていますが、最も手軽=暗黙の了解でヤリモク多数のアプリがTinderというイメージです。気楽な出会いを求めている女性は少数派=顔出ししている高身長のイケメンしか実際に会うところまでいけないという印象もあるので、ルックスが良い男性が多い印象です。まさに松本さんの漫画の内容と同じで、ライトな恋(とセックス)がしたい若いイケメンと、結婚願望のない年上の女性のマッチ率は高そうです。

──それは既婚者も同じことでは? しつこいですが。

LiLy 離婚できないけどセックスはしたいから浮気をする、という女性を批判はしたくないです。不倫に共感はしないけれど理解はすごくできるから。それに、離婚するには経済力が必要だという事実もあるから……。ただ、私が思うのは、「夫婦」の定義をどこに置くかなんですよ。夫婦を「家族」と定義するならお互い浮気をしても離婚はしない。私の「夫婦」の定義は「男女」なんです。あとは「裏切りの定義」かな。私がレスでも浮気をしなかったのは、「子どもをも含んだ家族」を裏切るのが耐えられない。

「アメリカでは」という言い方は嫌われるけど、男女でセックスが途絶えたらその夫婦という男女関係は解消して、だけど父と母としては一緒に育児をしていくスタイルは珍しくないんです。日本では、私のこのかたちはマイノリティだけど……。でも、思うんです。夫婦がお互いに欲情し合う男女関係をキープしながら父でもあり母でもあり、家族みんな仲良しって、夫婦の上位何%の話ですか?って。それができれば理想ですけど、宝くじレベルの難しさかと。

『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』

この記事もおすすめ

MAGAZINE

December 2024

December 2024

2024年11月7日発売

1000円(税込)

【VERY NaVY 2024年12月号】11月7日発売!

2024年11月7日発売

1100円(税込)