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45歳で思いがけない妊娠、同時に見つかったがん。出産、子宮全摘を経て思うこと

 

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因でなることが知られていますが、一度でも性行為の経験があれば、誰でも罹患する可能性があります。ただ、ほとんどの場合はHPVに感染しても免疫力で知らない間に消えているのですが、本当にごくごく稀にがんへと進行してしまうことがあるのです。それなのに、「多くの人と奔放に性行為をしているからだ」などと、誤解をしている人が思ったより多く、これには驚きました。間違った偏見があるから経験者たちが体験談を語りづらく、結果として乳ガン検診よりも子宮頸がん検診の受診率が上がらない理由にもなっているようです。正しく発信していくことは私のやってきた仕事の延長線上にあるのではないかと思うようになり、今もブログを続け、本の出版、シンポジウムや講演会に手弁当で出席してお話をさせていただいています。

 

そして、子宮頸がんワクチンについても。父を若くしてがんで亡くしていて、私自身も20代のときに卵巣嚢腫を患い、人一倍気を付けていて、毎年子宮頸ガン検診を受けてきたからこそ、ステージ1で発見することができました。「早期発見」なのは間違いありませんが、しかし全摘でした。子宮頸がんとはそういう部位なのです。一方で、唯一ワクチンで防ぐことができるがんでもあります。子宮頸がんワクチンの接種は、副作用の心配も拭いきれず悩まれる方も多いと思います。どう判断されるにせよ、私の体験が一つの症例としてお役に立てればと思ったのも、積極的に発信している理由の一つです。

 

今1歳5カ月になるりんりんは元気いっぱい。我が子が笑ってくれるだけで嬉しいという愛しさ、そしてベビーカー移動の大変さという現実的なことまで、母になって知ることもたくさんありました。今も定期的なCT検査や細胞診は続けていますが、お蔭様で再発はありません。いつかりんりんが「うるせー、くそババア!」なんて言い出したら、「どの口が言うとんねん!」と大変だったこの話をしてあげられるまで、元気でいたいと思っています。

 

 夫のコトバ……
大丈夫、凛としていなさい」

 

夫のコトバは、息子の名前「凛(りん)」の由来に。息子は1歳5カ月に(取材当時)。

森田さんのHISTORY

 

1 大阪生まれで、神戸で育ちました。小さい頃からお遊戯会や演劇など表現することが好き。2 独身時代の趣味はクライミング。室内でやるオシャレなのではなくかなり本格的に。3 自他ともに認める仕事大好き人間。これは結婚式の司会。現在は起業し、司会者を契約会場に紹介しています。4 思いがけず45歳で自然妊娠し、パートナーと結婚。入籍は11月03日「いいお産」の日でした。5 安産祈願は戌の日に水天宮へ。すごく混むと聞いて朝一に行ったらまだ空いていて拍子抜け。友人や親戚もたくさんのお守りを贈ってくれました。6 昨年1月25日、長男誕生。誕生時は1492gでしたが、すくすく育ち、1歳5カ月の今、成長曲線内に。

 

撮影/吉澤健太
ヘア・メーク/サユリ〈nude.〉
取材・文/嶺村真由子
デザイン/大塚將生
編集/磯野文子

 


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光文社が発行する月刊誌4誌*では定期的な乳がん検診を啓発するキャンペーンを実施中です。「自分の体のことを後回しにせず、あらためて乳がん検診が大切であるということ。自分らしく生きる、あらゆる世代の女性を私たちは応援する」というメッセージをこの企画に込めています。
*『CLASSY.』11月号(9月28日発売)、『STORY』11月号(9月29日発売)、『VERY』11月号(10月6日発売)、『美ST』12月号(10月17日発売)が対象
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