ラストチャンスかもしれない
しかし、病気のことよりもまず先に言われたのが、なんと妊娠の可能性。とにかく驚きましたが、一方で青天の霹靂で動揺したというより、「神様は、そう来たか……」と何だか予期していたかのようにストンと受け入れている自分がいて、気が付くと「妊娠継続します」「私、産みたいです」と先生に言っていました。45歳で自然妊娠する確率は1%。そして仮に着床しても、50%以上が初期で流産してしまう。それに加えて私は、子宮頸がんの疑いが濃厚で、治療が遅れれば、がんは進行してしまうかもしれない。でも、人生において「子どもを持つ」という選択はもう100%ないと思っていた私にもたらされたこのラストチャンスを、自分から手放すことは考えられませんでした。
45歳初妊娠+子宮頸がん。それでも産みたかった
結婚願望がないと言っていた彼ですが、私たちは結婚することに。子どもは二人で育てる。これは話し合って辿り着いた結論ではなく、二人の共通した価値観だったのだと思います。「この人は一度産むと決めたらほんとに産むよな」「もし経過が悪くなってきたら、赤ちゃんを諦めるブレーキをかけるのは俺の役目だな」と思っていたと、のちに聞きました。その後、進行具合等を調べる検査は、胎児がもう少し大きくならないと受けられなかったため、不安にならないよう既に入っていた仕事をバリバリこなして気を紛らわしていました。