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乳がんに気付いたのはヨガの最中。乳房全摘の年、結婚相手に出会って……

乳がん「ステージ3」右胸全摘出が決まって……

虎の門病院での詳しい検査の結果、ステージ4に限りなく近いステージ3。遺伝子検査の結果、私の乳がんはHER2陽性で、転移しやすいタイプ。しかもコロンとした摘出しやすい形状ではなく、アメーバ状に広がるもの。幸い転移は見つかりませんでしたが、全摘出しないと命も危ないと告げられました。

「おっぱいなくなっちゃうんだ……」「まだ30代なのに……」。頭ではわかっていても、ポカーンとしていて自分事ではない感じ。バーッと泣きたい自分と、強がっている自分。そんな中でも救いだったのが、検査や説明、その後のやりとりで、先生へご縁を感じていたこと、相性がとても良い、信頼感。それが基礎となり、「あとはなるようになる」と思えるようになりました。「もうなるようにしかならない」と決して投げやりなネガティブな感情ではなく、「お任せしよう」という気持ち。これは家族も共通して持てた感情で、支えになりました。

 

つらかった抗がん剤治療

そして最大のターニングポイントとなる吉報がありました。米国ではすでに高い実績を挙げている分子標的薬「ラパチニブ」の国内での治験が、京都大学医学部と虎の門病院の連携で行われることになり、それに私が参加できることになったのです。治験に参加できるのは、タイミングもそうですが、一口に乳がんと言っても細かく色々なタイプがあり、さらに年齢や性別など、探している条件にぴったりマッチしなくては選ばれません。狭き門な上、その情報が川端先生にもたらされた偶然。すでに米国では認められている薬だったので、怖さはありませんでした。それよりも、まだ日本では本来は受けられない新薬を受けられるチャンスだと前向きでした。この分子標的薬と抗がん剤を併用してがんを小さくしてから、摘出手術をすることに決まりました。

 

手術のため入院したとき。投薬治療はきつかったですが、薬が効き、手術までにがんを小さくできて本当によかった。

 

抗がん剤の治療は想像以上に壮絶で、点滴で体に入ってきているときから体が冷えてわかります。通いで受けていたのですが、吐き気と思考力低下で寝込むことが増え、家族が看病に来てくれました。家族は実家に戻ってくることを勧めてくれましたが、病気によって築き上げたものを失いたくなくて、表参道の自宅や仕事、ブログは維持し続けました。ブログでは、私の体験がいつか誰かの役に立つことがあるかもしれないと、病気のことも隠さず、発信を続けました。

 

しかし、髪も抜け、メンタルもやられ、今まで当たり前にできていたことができなくなる怖さと戸惑い。例えば指先が痺れて感覚がないため、ペットボトルのフタすら開けられない。そんなとき、妹は「お茶のフタ、開けておくね」とキャップを緩めてから帰宅してくれました。きっと友人や看護師さんにお願いしても快く開けてくれますが、そこには潜在的に「してもらう」意識が生まれてしまうと思います。しかし家族になら、少々ぶっきらぼうにお願いしたって甘えられる。さらに先を読んでそこまでしておいてくれる。些細なことだけど家族だからこその優しさが心に沁みて嬉しかったです。

 

≫≫「家族を作りたい!」闘病中、結婚相談所に入会

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