滝沢眞規子さんが日本のモノづくりの底力に感動!
高い密閉性で無水調理はもちろんローストまでも得意とする鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」。一時期は入荷待ち15カ月で〝入手困難な鍋〟としても注目を浴びたこのバーミキュラは、どのように生まれたのでしょうか。そして、そのバーミキュラが昨年発表した話題の炊飯器「バーミキュラ ライスポット」が叶えてくれることとは……。
「主婦業をやる気にさせる調理器具が登場したのは、すっごく嬉しいです」- 滝沢
滝沢さん(以下敬称略)
ほんの数週間前にライスポットを手にしたばかりなので、この偶然にホントに驚いています。今日はお招きいただいてありがとうございます。
土方邦裕社長(以下「兄」)
こちらこそ、名古屋までお越しいただきありがとうございます。滝沢さんは、ごはんは土鍋で炊いているとか?
滝沢
はい。ずっと土鍋だったのですが、吹きこぼれてしまったり、「5分後に弱火にしておいて!」と子供に頼んでもやってくれなくて真っ黒焦げになったり……。それでやっぱり炊飯器が必要かも、と思っていた時に出会ったのが「バーミキュラ ライスポット」だったんです。ネットで「炊飯器 オシャレ シンプル」って検索して(笑)。でも、先ほど少しお話を伺い初めて知ったのですが、もともとはお鍋を作られている会社ではなかったんですね!
「シンプルな料理にこそ、この鍋の一番の良さを感じ取ってもらえると思います」- 土方社長
土方智晴副社長(以下「弟」)
はい。この会社「愛知ドビー」は80年ほど前に我々の祖父が創業したのですが、もともとは、千鳥格子やタータンチェックなどドビー織と呼ばれる布地を織るための機械を製造していました。
滝沢
鍋とはまったく違うものを作っていたとは驚きです。
兄
船や建設機械の部品も作っていました。かつてはこの敷地内に自分たちの家もあって、僕も弟も子供の頃は職人さんにキャッチボールをしてもらったりして過ごしていました。
弟
そう。職人さんたちは「うちのドビー機は世界一だよ!」とよく言っていたし、誇りを持って働いていたと思うんですが、僕らが中学生くらいになると日本全体の繊維産業が廃れていったこともあり、職人さんたちの元気がどんどんなくなくなってしまい、とうとう返事もしてもらえないような状態になっていたんです。私も兄も別々の会社に就職していたのですが、それを何とかしたいと思って「愛知ドビー」へ入り、兄は鋳造の、私は精密加工の職人になるところから始めました。その鋳造と精密加工の技術を使って何ができるだろうと考えて開発を始めたのが鋳物ホーロー鍋だったんです。
滝沢
素敵なご兄弟ですね。私はまずこの形がすごくオシャレだなと思ったのですが、この形である理由って何かあるんですか?