学校に戻る、他の居場所へ……。
「解決」への選択もいろいろ
不登校になった後の選択肢は様々、適応指導教室やフリースクールに通う子、自宅で過ごす子、転校する子も元の学校に戻る子もいます。
◉CASE:01
不登校になっても
放課後には友人と遊びます
はっきりとした原因はわからないものの、昨年から「お腹が痛い」と言って学校を休むように。活発な息子は不登校になった今も、放課後には友だちと遊びに行きます。「なんで学校に来ないの?」と聞かれることもあるそうですが、サラリとかわしているようです。同じ小学校に通うお兄ちゃんが宿題を持ち帰ってくれるので、通信教材なども使いながら自宅で勉強しています。適応指導教室などに行く選択肢もあるのですが、日中息子は私から離れようとせず、他の居場所で過ごしたり転校するよりも、元の小学校に戻りたいと言うので今の生活を続けています。(S.Tさん 40歳 自営業 息子小2)
◉CASE:02
学校には通えないが
学童には通えます
友人もおり、学校嫌いではないのですが、HSC(※Highly Sensitive Child 繊細で騒音や他人が叱責される様子などに人一倍敏感に反応してしまう)で騒がしい小学校のクラスでは過ごすことができず不登校になりました。娘は絵を描くことが大好きなので、家では存分に描く時間を作り、時々一緒に美術館などに出かけることも。日記を書く、庭で植物を育てる、一人でお昼ご飯を作ってみるなど、なるべく生活の中で学びにつなげられるようにしています。学校には通えないのですが、学童には通えるので放課後は民間学童へ。他校の子から「学校は?」と聞かれることもあるようですが「行ってないよ」ととくに隠すことはなさそうです。(N.Kさん 37歳 フリーランス 娘小3)
◉CASE:03
理由はわからないものの
「学校に行く」と言うように
2年生くらいから授業中にパニックを起こし、学校から迎えに来るようにと連絡が来ることが増えました。3年の中頃からは毎日のように「休みたい」と言うようになり、4年生のときは1年間ずっと不登校でした。5年生から理由はわからないものの学校に行くと言いだし、通学するようになりました。学校に行かない時期も、児童館の手伝いをさせてもらったり、子ども食堂で食事の準備から参加したり、いろいろな年齢、立場の人が集まる場に参加することは多かったです。そこで改めて感じたのは「学びの場は学校だけではない。自分で選べる」ということですね。(N・Sさん 43歳 自営業 息子小6)
◉フリースクール東京シューレ
1985年、当時は登校拒否と言われた不登校の子どもたちの居場所、学びの場となるようにと開設されたフリースクールのパイオニア的存在。王子、新宿、流山、大田の各校のほか、東京シューレ葛飾中学校、高校、シューレ大学などの系列校がある(※詳細はHPにて。https://www.shure.or.jp/)。フリースクールの対象年齢は小1~23歳(入学は20歳まで)。今年2月には世田谷区が開設した公設民営の支援施設ほっとスクール「希望丘」運営。教育委員会が設置する不登校の子のための教育支援センターだが、2016年教育機会確保法成立を受け、「学校復帰を求めない施設」として開設した。利用は無料で、区内在住であれば公立小中学校在籍者に限らず、私立校に籍を置く子どもも通える。