中学受験事情
この数年、中学受験熱が高まっています。さらにコロナ禍で、公立中学校に比べれば混乱に比較的うまく対応できていた私立中学校への人気が高まり、中学受験の裾野が広がっている状況があります。
入試本番は小6の主に1〜2月です。その3年前の小学3年生の2月から中学受験塾に入り対策するのが一般的です。ということは、小学3年生の秋くらいには中学受験をするかどうかの方針を、家庭の中で決めておく必要があります。
首都圏では、「サピックス」「早稲田アカデミー」「四谷大塚」「日能研」が4大中学受験塾といわれています。
首都圏ではサピックスが最難関校で高い実績を残しているので絶対的な人気を博しており、すぐに定員が埋まってしまうため、「小1からサピックスに入れないと間に合わない」と言われることがありますが、それはさすがに煽りすぎです。
サピックス以外にも中学受験塾はありますし、サピックスだって、上位クラスに入る学力があれば、小学4年生以降でも入塾の機会はあります。逆にいえば、上位クラスに入る学力がないのなら、サピックスにこだわる必要もありません。
2000年代に入ってから、「ゆとり教育」の一環として、全国に「公立中高一貫校」と呼ばれる学校が多数つくられています。公立ですから、学費は一般的な公立中学校、公立高校と同じです。
公立中学校では入学に際して学力による選抜を行ってはいけない建前になっているので、公立中高一貫校では入学に際して「適性検査」と呼ばれるテストを実施します。
東京都立中高一貫校の適性検査対策で圧倒的な実績を叩き出しているのが、「ena(エナ)」という塾です。小4の2月から入塾し、約2年間で準備するのが、都立中高一貫校対策のスタンダードです。
公立中高一貫校人気を受け、中堅私立中高一貫校各校も、4教科の枠組みを超えたユニークな入試を実施するようになっています。
多数の資料から読み取れることを記述させる「思考力型入試」や自分の得意なことについて口頭でプレゼンテーションする「プレゼンテーション型入試」など多様な入試スタイルが生まれています。習い事として学んできた英語力を試す「英語入試」もありますし、プログラミングの実技能力を試す「プログラミング入試」もあります。これらを総じて「新型入試」と呼びます。
関西の中学受験では、「浜学園」と「日能研関西」と「馬渕教室」がビッグ3といえます。特に浜学園は最難関中学で頭一つ抜けた実績を誇ります。
ちなみに、同じ日能研グループの中でも首都圏の日能研と関西の日能研は法人が違います。基本的に同じ教材を使用していますが、関西で最難関校対策を行う「灘特進コース」は、通常の日能研のカリキュラムに最難関校対策のための負荷を上乗せするコースです。それくらい、関西の最難関受験は過酷です。首都圏の中学受験とは格段にレベルが違うことはあまり知られていません。
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