私は「普通じゃない」ことに
はじめて気づいて
──さるころさんは夫婦でカウンセリングに行きます。カウンセリングはハードルが高い。それも夫婦で行くとなると……という人も多そうですが行ってみて何が変わりましたか?
私自身、これまで自分はごく一般的な普通の人間だと思って生きてきましたが、カウンセリングで自分のことを「こういう人はほどんどいません」と言われたんです。衝撃でした。カウンセラーによると、私は「人に対してあまり期待をしていなくて、あきらめるのが上手」なタイプなのだそうです。このタイプは少数派で、「彼がそんな人であるはずがない」「なんで私ばっかり……」とは考えず相手と向き合おうとするのも、期待がないからこそできることだと言われました。
よく占いとカウンセリングは似ていると言われます。ただ、占いは自分が主軸にあって、あくまでも自分の話をする場なんですよね。私はカウンセリングに行って、社会の「平均」の中で自分がどんな存在なのかわかるようになった気がしました。その結果が良い悪いということではなくて、自分では気づかない新しい視点が見つかるので面白いです。自分で考えているだけでは「私は普通なのに彼は……」と思ってしまいがちです。普段の暮らしやパートナーとの関係において、自分がどう折り合いをつけていくのか整理できるのもカウンセリングに行ってよかった点だと思っています。
夫の「行動」が目に見えて変わった
──夫のノダDさんにはどんな変化がありましたか。
キレることが本当に少なくなって穏やかになりました。彼もカウンセリングを受けて、「客観的に認知する練習」を重ねてから変わったんです。一個でも「気づき」があると行動って変わるんですよ。うちの夫も人間性自体は変わっていないけれど、行動が変わりました。今も、息子の言動にイラッとしたり、キレそうになることはあるらしいんです。
でも「キレるのは感情の処理がうまくできていないから」ということがわかっているから、爆発する前にちょっと立ち止まることができると言っています。夫は50代ですが、今の年齢からでも変わることってできるんだなと実感しました。キレてしまったとき、今までの彼なら「俺は悪くない」という思考回路になってますますヒートアップしていたけれど、今は「未熟な自分をさらけ出してしまって恥ずかしい」と感じるようになったそうです。だからキレそうになったらどうにかそれを避けようと考えるのだと。きっかけさえあれば、行動は変わるんですよね。
練習って大事だよね
BOOK
『子どもにキレちゃう
夫をなんとかしたい!』
1,100円(幻冬舎)
コロナ禍の密室育児を経て、夫が家庭内で不機嫌&子どもにキレちゃうように……。カウンセリングに行き、夫が本当に変わっていくまでを描いたコミックエッセイ。
▶︎Amazonでチェックする
イラスト・マンガ/水谷さるころ(描き下ろし) 取材・文/髙田翔子 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2023年6月号「いつもは優しいのに、なぜか突然キレる夫との向き合い方」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。