FOLLOW US

  • 今日のコーデや撮影オフショットを毎日更新

    @veryweb.jp

  • 週3回VERY的トレンドまとめを配信中♪

    @oa-veryweb

  • 限定プレゼント情報も♡

    @VERY_web

  • VERYWEBの最新記事をチェック

    @veryweb.jp

普段は温厚な夫が『突然キレる』理由って?漫画家・水谷さるころさんの解決法

夫が「突然キレる」理由

──子どもと遊んでいる最中に些細なことで突然キレる、瞬間的に子どもに手が出る……。本の冒頭には「キレる人」が身近にいる人には既視感のあるシーンがいっぱいです。

私の夫の場合、自分の存在を否定されたり、自分に落度があると感じたりした瞬間に怒り出すことが多かったです。失敗したと思っても、あやまれば済む話なのに、瞬間的に「俺は、悪くない!!」という思考回路になってしまうようでした。夫の話を聞いたり、夫婦でカウンセリングに通ったりするなかで、彼の場合は「自分で想定してないことが起きると、感情がコントロールできなくなってしまう」ということがわかってきました。

──「俺が悪いのか?」と逆ギレされるというケース、よく聞くんです。

男性すべてに当てはまるとは言えないとしても、「自分のせいにされたらまずい」という共通認識があるのではないかと感じました。男性が弱みを見せづらい社会構造が前提にあって、「失敗したら一方的に責められる」という不安感を持っている気がするんです。キレてしまう男性たちが判で押したように、同じような行動をして「自分のすることには正当性がある」と主張する理由もそこにあるような気がします。そして、それを感じるようになってからは個人の性格や特性の問題だとは思えなくなってきたんです。私自身、はじめは「夫が一方的にキレるのが悪い」と考えていました。

でも、なぜちょっとしたことでキレるのか理由がさっぱりわからなかったんです。夫婦でカウンセリングに行ったのは、その「?」を知りたかったからです。理由さえわかればどんな態度でもかまわないというわけではありませんが、「怒りを感じる過程」が理解できるとわだかまりがちょっと減るんですよね。歩み寄ろうとしても結局相手が変わらない、ということだってあると思います。でも、そこまで相手のことを理解できた上であれば、未練がなくなって、たとえ別れを選ぶとしてもその選択に迷いがなくなると思うんです。

お互いバツイチ、だから気づけたこと

──その発想があれば、「夫は変わらない」という結論にはならないかもしれませんね。

この話をすると「なんで私のほうがこんなに頑張らないといけないんですか?」と言われることもあります。でも、私は、自分自身がこれから快適に暮らしたいからやっていることなんです。私は一度離婚しているので、「夫婦で試行錯誤してもダメ」ということがあるのはわかります。でも「原因を探るほうがお互いのためになる」ということは、こちらから伝えたほうがいいと思うんです。キレる夫の多くはおそらく、自分がしていることを大きな問題だと思っていません。妻や子どもが夫の言動を不快に感じて、信頼関係が崩れそうになっていても、自分の困りごととして認知できていないケースが多いと思うので、ある程度割り切って、こちらが先に動いたほうが早いと思います。

我が家の場合は、夫も離婚経験があります。妻子と別れて孤独だった時期がすごくつらかったそうなので「また、あの喪失感を味わうことは避けたい」という思いがあったことも「自分を変えたい」と思うきっかけになったようですが。家族から見限られるほどのことがないと、なかなか危機感をもてない人が大多数なのではないでしょうか。

男性は「ちょっと聞いてよ」が苦手

──危機感がないのは、男性は気を使わなくても立場が危うくなることが少ないからでしょうか?

男性は、自分が世間からどう評価されているかは気にするけれど、家庭内でパートナーが何を考えているか、何より自分自身はどんな気持ちなのかを認知するのが苦手なことが多いと思います。私くらいの世代まで「男なら泣くな」と言われるようなことが頻繁にありました。「つらい」「悲しい」という気持ちさえこらえてごまかし、認知させないようにするようなことが、男性はとくに多かったと思うんです。

そのせいか、妻にさえ弱音を吐くのが苦手な人が多いように感じていて、根深い問題だなと思っています。女性同士だと、「お茶でもしようよ」「ちょっと聞いてよ」と気軽にグチを言い合いますが、男性は気持ちを発散したり、互いをケアしたりする場所を普段の生活の中で持つ機会が少ないような気がします。そのかわりに、家庭を何を言っても許される場所のように考えて依存するケースが多いなと感じています。

冒頭で、「男の人は40過ぎたら変わらない」というような話がありましたが、こういうのも一種の呪いかなと思っています。パートナーの人間性とか性格のせいにすると、いままで生きてきた自分の人生まで否定されているような気持ちになってしまうかもしれません。それよりも、「今の自分のままでできることを増やそう」とアプローチするのがいいのではないかと思います。「変わらない」なんて噓なんですよ。

多くの人が中年になってからランニングを始めたりするじゃないですか。いつまでも若くありたい、健康でいたいなど、何かモチベーションがあるからやるんですよね。何かに抗うためにプラスαを身につけようとするわけです。運動や筋トレみたいにコミュニケーションスキルを身につけるのは何歳からでもできるし、穏やかで素敵な老後が手に入るかも。今の自分を否定しなくても大丈夫という方向でプレゼンするのも一つの手じゃないかなと思っています。

 

NEXT>>>“あること”をきっかけに二人ともラクに!“あること”とは?

この記事もおすすめ

MAGAZINE

June 2024

June 2024

2024年5月7日発売

980円(税込)

【VERY NaVY 2024年6月号】5月7日発売!

2024年5月7日発売

1060円(税込)