自分で自分をかわいそう
と思って生きたくない
以前は当たり前のように動いた足が、ほんの少しの段差に引っかかるし、不自由に感じることは挙げればきりがありません。
この難病が、よくて現状維持、ゆっくりと徐々に進行していくかもしれない、最悪寝たきりになる可能性だってあることもわかっています。でも、症状は人それぞれだから、私はあえてインターネットで詳しく調べたり、医師にネガティブケースについて追求して聞きません。自分の可能性に自分で限界を作りたくないのです。
〝なるようになる〞もしくは〝なるようにしかならない〞というコトバが意外と好き(笑)。それは決してあきらめではなく、未来なんて誰にもわからないし、難病に罹ってしまったことは辛いけれど、悲観して自分で自分をかわいそうに思いながら生きていくなんて勿体なさすぎると思うんです。
週2でリハビリにも励んでいますが、私は現状維持ではイヤだとさえ思っています。私はもう一度子どもたちと走り回りたい。家族や友人ともっと旅行に行きたいと思っています。その原動力はこんなにも応援してくれる家族、仲間の優しさを無駄にしたくないという思い。〝なるようになった〞先は、きっと明るい気がしています。
松本さんのHISTORY
1 埼玉県久喜市生まれで、弟2人と妹が1人います。下の弟妹とは10歳以上離れていたため、よくお世話をしました。2 夫は中学の同級生。高校も同じなので、共通の友人がたくさんいます。3 離れたりくっついたりを何回かしましたが、優しくいつも私をフォローしてくれる夫に惹かれ、28歳で結婚しました。4 男の子2人に恵まれました。サッカーが大好きで元気いっぱい。5 次男を出産した直後から体に変調を感じ、「脊髄小脳変性症」という難病と診断されました。今年、車イスも乗せられるハイエースに車を新調。これで子どもたちのサッカー応援も行きやすくなりました。6 家の中では、この歩行器が役立っています。
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撮影/真板由起〈NOSTY〉 ヘア・メーク/後藤若菜〈ROI〉 取材・文/嶺村真由子 デザイン/大塚將生 編集/磯野文子