歯や肌と同じくらい、ママの意識ひとつで未来が大きく変わる
(Topic 02) 健康診断は子どものカラダや生活習慣を考えるチャンス
多くの小学校では5月に行われる健康診断。まだまだ自分の不調を上手に訴えられない年頃だけに、その結果から発せられるサインには細心の注意を払いたいもの。普段の生活でママが気をつけてあげられるポイントを専門家の先生に聞きました。
教えてくれるのは…
内山直樹医師
家庭医・総合内科医。内山クリニック・桜新町アーバンクリニック・ロコクリニック中目黒にて勤務。子どもからお年寄りまで幅広く対応する〝かかりつけ医〟として外来・訪問診療を行う。
Height
身長の伸び悩みは睡眠の質が大きな鍵を握ることも
子どもの身長は両親の遺伝による部分が大きいとされますが、成長ホルモンの分泌に関係する生活習慣が間接的に影響することも指摘されています。たとえば睡眠。最近では学校以外で携帯電話やスマホと長時間接している子の方が睡眠不足を感じやすく、逆に部活や地域のスポーツクラブなどで適度な運動を日常的に行っている子の方が睡眠不足を感じにくい、というデータがあり、子どもが毎日良質な睡眠を十分に取れるよう、親がサポートしてあげたいもの。また前提として、成長に欠かせない、3食バランスの取れた食生活にも気を配ってあげましょう。
心がけよう
日中の適度な運動を心がけて十分な睡眠を
睡眠不足は、成長ホルモンの分泌に大きな影響が。6~13歳児の理想の睡眠時間は9~11時間と言われています。日中は適度な運動と3食バランスの取れた食事を心がけ、良質で十分な睡眠を取れるよう環境を整えてあげて。
Height
スマホやタブレット普及で増えるイヤホン使用に注意
スマホやタブレットの普及により、移動中や待ち時間などに子どもがイヤホンやヘッドホンを使用する機会が増加。聴力低下との関係はまだハッキリ解明されていませんが、長時間や過度な音量での使用は聴力に影響する可能性が。成人の労働環境において国が定めたガイドラインでは、85デシベル(地下鉄の車内の騒音が90程度)の音を8時間以上聞かないよう指導しており、最近では85デシベル以上の音量が出ないよう設定できるイヤホンも販売されています。特に電車や飛行機の中は環境自体に騒音があり、子どもが音量を大きくしがちなので注意して。
気をつけよう
周囲の声がけに気づく程度の適切な音量で
イヤホンやヘッドホンを使うときは、音漏れせず、外の会話が聞こえるくらいの音量が適切。電車や飛行機の中など騒音のある環境では過度に音量を上げないよう、音量調節を子ども任せにしないことが大切です。
Body weight
子どもメタボに要注意!小児肥満は成人後も続くことが
食生活や生活習慣の変化で、子どもの10人に1 人弱が肥満傾向児*1と言われているいま。大人同様、肥満だと〝メタボ〟を発症している可能性が高く、ここ10年で小児メタボリックシンドロームの診断基準も作られました。また成人後も肥満が続く割合は幼児期(小学校入学まで)肥満で25%、学童前期(小学生)肥満で40%、思春期(中学生以降)肥満で70~80%というデータも。朝食を抜くことや、ネットの利用時間の増加による運動不足との関係性なども指摘され、親のリテラシーが問われそうです。
*1 性別・年齢別・身長別によって求められる標準体重から算出される肥満度が+20%以上の子
*1 性別・年齢別・身長別によって求められる標準体重から算出される肥満度が+20%以上の子
気をつけよう
大好きなジャンクフードは食べ過ぎに注意して
外食やコンビニ利用などが増え、子どもたちの食事も炭水化物摂取量UP。さらに外遊びの時間の減少も子どもの肥満増加傾向に追い打ちを。大好きなジャンクフードを食べたらサラダで野菜を補うなど、バランス注意。
Teeth
歯は寿命にも影響!?ホーム&プロのWケアを
歯の健康は寿命や認知症リスクにまで関わってくることが明らかに。老後に歯を残すためにも子どもの頃からのケアが重要です。クリニックでのメンテナンスやクリーニングのほか、家でも自分ひとりで磨き始めることが多い小学1年生頃は、まだ磨く圧が強過ぎるなど上手に磨けていない子も。強くこすり過ぎている歯ブラシは2週間程度で毛先が開いてくるのでチェックして。またおやつは、糖分が少なく歯にくっつきにくいものを。欲しがるごとにあげず時間を決めて、ダラダラ食べさせないのがポイントです。その後の歯磨きとセットにすればさらにGOOD。
心がけよう
おやつも含む毎食後、30分以内に磨きたい
虫歯を作りやすい口内の酸性環境を防ぐためにも、おやつも含め、何かを食べたら30分以内に磨くのが理想。子どもは力任せに強くこすってすみずみまで効率的に磨けていない場合も。磨き残しをチェックする市販のジェルも◎。