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SHELLYさんと考える「日本の性教育が遅れている理由」

日本が圧倒的に低いとされる
自己肯定感を育てて、
NOと言える子に

のじま 自分の外性器がおかしいと言って悩む子が今すごく多くて。私は泌尿器科で働いていたのでわかるのですが、本当に十本十色! 男性はペニスの大小が自己肯定感に関わることが多いですが、本来大小は関係がない。だから、男の子に大きくなったねと褒めてはいけなくて、かっこいいねと言うべき。女の子も、これからどんどんきれいになるよとお風呂などで声をかけてあげてほしい。

 

鶴田 デンマークの図書館では、外性器の写真がポスターにして並べられていました。みんな違うということを理解するためなのかなあと。

 

シェリー 自己肯定感についてよく思うのは、日本は欧米と比べて、子供を別の人間というより、分身と考えることが多いなあと。公園で子供同士順番を譲り合う場面で、「いいのうちの子なんか後で!」とつい言ってしまったり。

 

のじま ママにとってはママ友が大事な情報源であり仲間だから、つい相手をたててしまうことも。でもそこで一番大事な子供を傷つけたくないですよね。

 

シェリー そうですね。でも本当は、本人が嫌なら戦わせればいいしNOを言っていいと伝えたい。小さな日常を大事にしないと、後々、「セックスを拒んだら嫌われちゃ う」「彼に迷惑をかけるから1人で頑張って中絶しよう」とか、不思議な愛情の出し方につながるんじゃないかと大げさではなく思っていて。17歳の母親が赤ちゃんを捨てて逮捕されたというようなニュースを見ると、なぜ男は何も問われないんだろう?といつも思います。教育があれば妊娠しない可能性もあったし、産んで愛してくれる人に渡すという選択肢もあったはず。その子は一生、赤ちゃんを捨てた映像を忘れない。教育で 防げると思うのに。

 

鶴田 そうですね。私は性教育トイレットペーパーを作っていますが、誰かに愛していると伝えられながら育てられること、相手に嫌われてもいいと思える自己肯定感があることが、得た知識を生かして行動に変えるには必要だと思っていて。知識だけあっても望まぬ妊娠や中絶は防げなくて、そこに自己肯定感がないとダメだと知りました。 のじま 学校や家庭などで正しい知識や命の誕生について知り、そして私たちのようなサードプレイスが補完していけたらいいですね。

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●Sowledge代表・鶴田七瀬さん● 静岡県立大学休学中の26歳。#Metooをきっかけに危機感を持ち、性教育の活動を開始。ヨーロッパ各国に性教育留学をした。設立した団体で性教育トイレットペーパーを開発し、学校などへの設置を進めている。

何歳からでも遅すぎないけど、
はじめるなら3歳からがベターです

のじま VERY世代はほとんど親から性教育をされてきていませんが、その伝統を今破るべき。やれば、性教育を通じて私たち母親の自己肯定感も上がるんです。

 

鶴田 チューしたいときには許可を取るんだよという、性的同意につながる話を子供にしていたママの話なのですが、子供にチューしていい?と聞かれて胸がいっぱいになったと(笑)。6歳くらいまではまだ一緒にお風呂に入るからゴールデンタイム。洗うときに、ここは大切なところだよと声かけができますし、ディスカッションする時間として活用できると思う。

 

シェリー セックスの話題で、親が「うっ」という顔をしないことも大事。

 

のじま 5歳までに約80%の子が、どうやって赤ちゃんが生まれるの?という疑問をぶつけてきます。そのときに親に嫌な顔をされると、聞いてはいけないことかと思ってしまう。「いい質問だね」とまず返して。狼狽をごまかせるし(笑)、受け入れてくれたと子供は思います。

 

鶴田 「わからないから調べて伝えるね」と切り返すこともできますね。

 

シェリー 不思議なのは、うちの子たち出産のビデオをすごく見たがるんです。次女は水中出産だから、そちらのほうが映像としておもしろいけど、長女は自分のを見たがるんです。

 

のじま 子供は命の誕生の話に絶対食いつきます。特に自分の出産については自分のルーツの話だから大好き。性教育の絵本を教えてくださいとよく言われるのですが、出産した日のことを話してあげるのが一番。性教育絵本をただ黙って本棚に入れておくのではなく、語り合うことが必要です。海外の絵本では、「オーガズムのときは、膣がじんじんしてきて、男の人は腰がぶるぶるします」とまで載っているけど、日本ではそこまで求めるのは今の段階では無理かもしれない。セックスとか出産とか一部を切り取るから恥ずかしいのであって、すべてつながっている話として伝えて。妊娠したときのパパの言葉、出産した日の空がどんなだったよというだけでもニコッとなりますから。

 

シェリー 愛情を感じますよね。自分がどう生まれたかを伝えることも、今すぐできる性教育のひとつなのかもしれません。

 

 

撮影/杉本大希〈zecca〉 ヘア・メーク/高橋純子スタイリング/松本ま生(SHELLYさん) 取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子 撮影協力/ミックスジャム ※本文中の年齢はあくまで目安です。

*VERY2019年12月号「どうして日本だと『恥ずかしい』になっちゃうの? ヨーロッパでは3・4・5歳から教えている『性教育のこと』」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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