アーティスティックなメイク、デジタルを使った〝Matt化〟など、Mattさんの登場には誰もが驚かされました。自由奔放な彼の父親が、元プロ野球選手の桑田真澄さんであることも大きな話題となった反面、メディアに現れた頃はバッシングもかなり受けたそう。そんな状況下にもかかわらず、自分のやりたいことへポジティブに突き進むMattさんの姿は、むしろ清々しいとさえ感じてしまうほど。「特別な子育てをしてきたわけでは本当にないんです」。ご本人はそう言いますが、子どもと向き合うことを怠らず、口を出さずに、いつだって我が子の応援団長でいることって簡単なようで難しいことですよね。そんな桑田真紀さんのお話から見えた9つの心得とは?
1 ひとつのことを無理にやり通させない
「ひとつのことをやり通すことは美談と思われがちですが、もし、子どもが嫌々やっているとわかったら、親が才能を感じたとしても潔くやめることも大切。高校時代、吹奏楽部に所属していたMattの場合、顧問の先生に注意されるほど、楽器を替えたいという彼のリクエストに応じてきましたが、その結果出会えた楽器が今も続けているサックス。無理に続けさせるより、まわり道しても好きなことを見つけてあげる方が有効だと思うんです」
2 気持ちは言っても意見は言わない (口を出さない)
「日常生活の中でも『大丈夫かな?』と思う場面はいくらでもありますが、子どもの考えや行動に〝口を出す〟のではなく〝口に出す〟。親だって人間、すべてが正解を言えるわけではないので、不安な気持ちを〝口に出して〟子どもと一緒に考えてみることをしてきました」
3 先回りしない
「子育てを通して実感したことは〝先回りは遠回り〟。大人の経験値から先回りして、つい答えを出してしまいがちですが、そうすることで本来するはずの失敗や経験がすっぽり抜けてしまうし、考えるチャンスを失ってしまう。結果、子どもの成長機会を奪ってしまうことにもなるんです。つい先回りして手助けしてしまう親心は痛いほどわかりますが、ぐっと我慢して陰から見守ることが、子どもの成長に大切なことです」
4 親が答えを出してあげない
「答えって親の欲ですよね。悩んでいる子どもの不安を聞いて導く作業は手間がかかりますが、〝自分で決めた〟という体験をさせてあげないと親のせいにしがち。子どもって自分で決断したことには歯をくいしばって頑張れる。自分で決める力を育むことで、責任感や強さも生まれます」
5 「頑張れ!」と言わない
「子どもと親はあくまでも別人格。ましてや所有物ではないので、『こう生きてほしい』と親が考える理想を押し付けることは親のエゴだと思うんです。親が思う方向に進まないことで、ストレスを向けることがいちばん注意したいこと。強制的な『頑張れ!』ほど、子どもの重荷になることはありません。子どもが何に興味があるか観察しながら見守り、子どもが必要とした時に必要な形でサポートをする。ヤキモキすることだらけですが、子育てって本当に忍耐が求められるものと感じます」
6 〝ながら聞き〟をしない
「1日に1回、顔を向き合って話すことだけは毎日欠かしませんでした。私は専業主婦でしたが、仕事を持つ忙しいママなら、夕食時でもお風呂の後でもいつでもいいので、料理したり、携帯を見ながらの〝ながら聞き〟ではなく、きちんと向かい合って話すことが大切。ゲームのことでも何でも、子どもが興味を持っていることに同じ目線で話すことで、子どもは親をよき理解者として心の扉を開いてくれます。話すことが生活の一部となることで、我が家は多感な年齢期にも気負いなく心の内を話してくれました」
7 否定しない
「子どもが話している最中に絶対に頭ごなしに否定をしないこと。子どもの話の中には、大人からすると間違っていると即座に突っ込みたくなることも多々ありますが、頭ごなしに否定をすると子どもはそのまま心を閉ざしてしまいがち。まずは歩み寄り、そして結論を急がない。指示をするのではなく、たわいもない会話から子どもを誘導してあげることも大切です」
8 他の子と比較しない
「親ってどこかで何か秀でたものを子どもに求めがちですが〝普通だっていいじゃん〟と思えるくらいの方が、むしろその先につながる子どもの〝好き〟を見つけてあげられるのではないかと思います。兄弟間でも言えることですが、できる子と比較をしない。〝できるよ〟〝大丈夫だよ〟など肯定する言葉が子どもの安心感を育み、自信を持って自分を発揮できる強さを育めるのでは」
9 目は離さない
「幼い子どもが『見て見て!』ってよく言いますが、子どもはいくつになっても親に見ていてもらいたいもの。きちんと子どもを見ることって簡単なようで難しいこと。同じ目線で物事を見て、心から子どもを肯定し、正面から向き合ってあげることで、外で失敗したり、不安なことに直面しても強い心を育めるのではないでしょうか」
「野球が大好きな長男と泥んこになるのが嫌いだった次男のMatt。同じ親から生まれても個性はそれぞれ。2歳違いの兄弟育てと、プロ野球選手・桑田真澄の息子として期待されることから守ることに精一杯でした」
撮影/五十嵐 洋(静物) 取材・文/鍋嶋まどか 編集/井上智明 *VERY2021年9月号「Mattママに質問!「比べない子育て」どうやったらうまくいきますか?」より。 *掲載中の情報は誌面掲載時のものです。











