卒園・卒業式などのセレモニースタイルとして定番になりつつあるセットアップですが、「そもそもセットアップってどんな服のこと?」「セットアップコーデはマナーとしてあり?」などの疑問を抱いていませんか。そこで、失敗したくない式当日に自信を持って参列できるよう、基礎知識からおさらいしましょう。後半ではオケージョンシーンにふさわしいセットアップコーデを多数ご紹介します。
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「セットアップ」の基礎知識
まずはそもそも、セットアップとは?
セットアップは、トップスとボトムスが揃った洋服のこと。同じ素材や色でつくられているもの、異素材や違う色のものなどパターンは多岐にわたりますが、上下セットで着ることを想定してデザインされている点は共通で、セットアップを着るだけでコーデに統一感が生まれます。きれいめデザインのセットアップが1つあれば、卒園式や卒業式、入学式などのオケージョンシーンにも役立ちます。
セットアップとスーツは何が違う?
ではセットアップとスーツはどう違うの?という疑問が頭に浮かびませんか。もともとセットアップは「上下お揃いの着こなし」という意味の言葉なので、実はスーツもセットアップの一部。「セットアップスーツ」という名称で販売されているものもあり、混同しやすいかもしれません。具体的には、セットアップとスーツの主な違いは以下になります。
販売方法
スーツは上下セット販売が基本。対してセットアップは必ずしもセット販売とは限らず、上下別々に販売されていることもあります。その場合、ブランドによっては「セットアップ可能アイテムあり」などと表記し、購入者にセットアップで着るかどうかの選択肢を提示してくれています。
素材
スーツはフォーマルやセレモニー、ビジネスシーンなどでの着用機会が多いため、ウールをメインにした光沢感のある素材が一般的です。対してセットアップはニットやコットン、リネン素材など、カジュアルなシーン向けのものも多数。
シルエット
スーツはその素材感や想定シーンから、上品でベーシックな印象を与える形のものが大半ですが、セットアップはそれだけに限りません。またセットアップは上下別々に購入することができるため、「ボトムスはワンサイズ上げてゆったりめのシルエットにしたい」などのアレンジもできます。
卒園式・卒業式にセットアップはあり?
撮影/金谷章平 *一昨年大ヒット【伝説のセットアップ】が再登場!ハレの日も普段使いも◎ より
現状「セレモニーにはきれいめセットアップ」が鉄板になりつつあり、基本的には「あり」と言え、VERYでも多数紹介しています。ただし園や学校によってはスーツのほうが良い場合もあるので、事前に確認して安心して式に参列してください。
セットアップをセレモニーに着るメリット
ちょうどいいきちんと感
子どもの卒園卒業などのセレモニー時にママがセットアップを着ることのメリットは、かっちりとしすぎず絶妙なきちんと感が保て、今っぽさや自分らしさのあるコーデが成立するところ。せっかくの子どものハレの日だからこそ、ママだってオシャレを楽しみたいですよね。また、肉厚素材のブラウスセットアップはそれだけで十分きれい見えする点も、ノージャケット派には大きなメリットになります。
“その後”も使える!
着用シーンが限られるスーツに比べ、セットアップは汎用性が高いものが多いのもメリットの1つ。靴やバッグを普段使いのものにしてオフィスカジュアルにするほか、上下別々に着回したり、入学式にはトップスかボトムスどちらかのみと別のアイテムを組み合わせてコーデを変えたりと、その後も使える可能性大。旬なデザインのものを購入して、ワードローブに加えられるところも大きなメリットです。また、ウールやシルク素材のスーツに比べてシワになりにくく、自宅で洗えるものが少なくないのもうれしいポイント。
卒園式・卒業式におすすめのセットアップの種類
ひとくちに「セットアップ」といっても、さまざまなタイプと組み合わせが。ここでは、卒園式・卒業式の母親コーデにふさわしいタイプをご紹介します。ボトムスとトップス別にそれぞれ3種ずつありますが、例えば「スカート×ジャケット」「スカート×ブラウス」など、組み合わせは商品によってそれぞれです。
ボトムスのタイプ別3種
スカートセットアップ
撮影/相澤琢磨 *卒入園・入学式に!「PLST」の17000円セットアップは、その後も使える より
ボトムスがスカートのタイプ。定番の膝丈スカートのもののほか、ロングスカートと長さはいろいろ。さらにスカートのシルエットも多岐にわたります。なお、ヒールを脱ぐと床についてしまうほどのマキシ丈タイプは、スリッパで過ごす時間が長いセレモニーには不向きなので避けたほうが無難です。
パンツセットアップ
撮影/清藤直樹 *一昨年大ヒット【伝説のセットアップ】が再登場!ハレの日も普段使いも◎ より
パンツタイプのセットアップも、シルエットや丈の長さはいろいろ。おしり周りを隠したいならワイドパンツやスカート見えするフレアパンツを、足首を出してすっきり見せたいならクロップド丈のスティックパンツを、など希望に沿ったものを見つけやすいはず。ウエストがゴムのものが多いのもセットアップならではです。
ワンピース/オールインワンセットアップ
撮影/清藤直樹 *【オールインワン&ジャケット】きちんとシーンで悩まない『鉄板セットアップ』発見! より
ワンピースやオールインワンにジャケットがついたタイプのセットアップも、素材によってはフォーマルにぴったりなものが。ジャケット下に合わせるブラウスなどのインナーが不要なので、コーデが楽な点も嬉しいところ。
トップスのタイプ別3種
ジャケットセットアップ
撮影/清藤直樹 *ハレの日は『上級者見えセットアップ』と『華やぎバッグ』で上手くいく! より
式典への参列で失敗知らずなのは、やはり王道のジャケットタイプです。セットアップとして販売されているものは、ポリエステルなどやわらかめの素材のものが多く、着心地の良さやシワになりにくさも魅力。
ブラウスセットアップ
撮影/清藤直樹 *【入園式・入学式セットアップ3選】普段着に長く着回せる! より
ノージャケットでもきちんと見えするものが多いのも、セットアップの魅力の1つ。なかでもそれを享受しやすいのがブラウスタイプです。オーソドックスな襟付きシャツタイプのほか、ペプラムやAラインシルエットも。3月、4月の卒入園・卒入学シーズンに着るなら、厚手で暖かい素材のものを選んで。
ジレ・ベストセットアップ
撮影/相澤琢磨 >コーデ詳細はこちら
ジレ+ボトムスの組み合わせもセットアップ販売されています。きれいめなタイプのものは卒園・卒業式コーデにも。ジレはブラウスの上に袖なしジャケットとして着用するタイプのほか、ジャケットのインにしてベストのように着こなせるものも。
アウターセットアップも
撮影/渡辺謙太郎(人物)、清藤直樹(静物) *【ハレの日のアウター問題】華やかコートとパンツのセットで解決!より
まだまだ寒い3月の卒園式・卒業式に、あると便利なのがアウターセットアップ。園庭や校庭ではアウター着用で過ごすことも多いので、すっきり統一感のあるコーデが叶います。
カジュアルタイプはセレモニーには不向き
上記で紹介した以外のセットアップも多数。ただしカジュアルなものはセレモニーのきれいめコーデには向きません。
- スウェットセットアップ
- ニットセットアップ
- パーカセットアップ
- デニムセットアップ
- Tシャツセットアップ
【ジャケット×パンツ編】卒園式・卒業式のセットアップコーデ例
着物ライクジャケット×フレアパンツで
上級者見え
撮影/金谷章平
シンプルだけど普通すぎない美シルエットなセットアップは、リボンベルトを前で結ぶジャケットと、七分丈のフレアパンツの組み合わせ。一風変わったディテールで周りと差がつく上級者コーデがさっと完成します。
モードなカッコよさを
“その後”は別々で楽しめる
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
ノーカラーで少し丈が長めなジャケットと、セットアップ使いできるタックワイドパンツのコーデ。式後、ジャケットはデニムやレギパンに合わせてモードに、脚長効果抜群のパンツはスニーカー合わせで着るのも素敵。
腰高オールインワン+短丈ジャケットなら
スタイルアップを狙える
撮影/金谷章平
オールインワンに短丈ジャケットのセットアップは、リネン風の爽やかな雰囲気がハレの日を品よく彩ります。体型を拾わないセミワイドのオールインワンと、視線を上に集める腰高なシルエットのジャケットの相乗効果でぐっとスタイルよく見せてくれます。
リラックスシルエットのジャケットが
良い意味でオケージョン感を軽減
撮影/渡辺謙太郎
ブルゾンタイプのジャケットなら、インにニットを着られるゆったり感があり、寒い日でも安心。肩の落ちたリラックスシルエットは式以外のきれいめシーンでも違和感なく羽織りやすいところもポイントです。ボトムスのテーパードパンツとも好相性。
グレーもセットアップなら
きっちりしすぎず好印象に
撮影/倉本侑磨〈Pygmy company〉
ともするとかっこよくなりすぎてしまいがちなグレーのジャケット×パンツスタイルも、ノーカラージャケットのセットアップなら程よく力が抜けたセレモニースタイルに。インナーにシースルートップスを効かせるワザで、よりこなれ感を出して。
【ジャケット×スカート・ワンピース編】卒園式・卒業式のセットアップコーデ例
ツイード風素材の上下で
正統派ど真ん中のハレの日コーデ
撮影/渡辺謙太郎
きちんと感とちょうどいい甘さが両立するツイード見えセットアップ。裾に向けてゆるやかに広がるフレアシルエットのスカートが上品な印象に。
クラシックなダブルボタンジャケットに
スカート合わせで優しげな印象
撮影/渡辺謙太郎
クラシック感漂うダブルボタンに、身頃・袖ともにフレアになったジャケットはケープのようなシルエット。腰丈なので合わせるボトムスを選ばずコーデが決まります。体のラインを拾わず着心地も極上。ベーシックなスカートでセットアップコーデにすればふんわり優しい雰囲気に。
長め膝丈フレアスカートで
きちんと感と動きやすさを両立
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
たっぷりとした生地感のきれいなフレアシルエットのスカートと、ストレッチの利いた柔らかなジャケットのセレモニーコーデ。スカートは長めの膝下丈なので、立ったり座ったりすることが多い式や謝恩会でも気になりません。当日の天気や気温によっては黒のタイツやバッグもOK。その場合、バッグも黒にするとコーデがまとまります。
ジャケットの下は
可愛い印象のワンピース
ずっと着られる上質な1着
撮影/渡辺謙太郎
ジャケットを着ていると王道のスーツスタイルに、脱ぐとふんわりとしたワンピースの袖が可愛い雰囲気になる、ワンピース×ジャケットのセットアップ。半袖の時期の学校行事にはワンピースだけで参加できます。
【ブラウス×パンツ編】卒園式・卒業式のセットアップコーデ例
ぺプラムシルエット×スカラップヘムで
甘派がときめくパンツスタイル
撮影/金谷章平
ペプラムシルエットかつ裾のスカラップヘムが印象的なブラウスは、甘派の好きが凝縮された大人かわいいデザイン。首が詰まっているのでジャケットなしでもきちんと感がしっかり。シンプルなパンツで全身が甘すぎずすっきりまとまります。
ジャカード生地の
襟付きブラウスで
特別な日を華やかに
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
これだけで十分な華やかさがある高級感たっぷりなジャカード素材のブラウスセットアップは、襟付きであることも好印象を後押し。マンネリしがちなネイビーの全身コーデですが、こんなバリエーションがあると母行事ももっと楽しめそう。
ブラックフォーマルにも対応する
ケープ風ブラウス×美脚パンツ
撮影/金谷章平
美シルエットでシワにならない、ブラウスとテーパードパンツのセットアップ。スリットが入ったケープ風に着られる袖がワンポイントに。ブラックフォーマルとしても使えるので、いざという時にも重宝するはず。
さらっと着るだけで今どきになれる
ワイドパンツのブラウス合わせ
撮影/金谷章平
“その後”の着回し力抜群な、ブラウスとワイドパンツのセットアップ。正面から見るとベーシックな佇まいですが、振り返ると首元に大胆なリボンがあるブラウスです。園や学校行事の定番カラーネイビーも、ブラウスのそんなディテールや、落ち感のあるワイドパンツで新鮮さのあるコーデになります。
ネイビー×パールの鉄板コーデも
柔らかセットアップで心地よく
撮影/金谷章平
オケージョンシーンを想定して作られたセットアップなら、卒園・卒業式にぴったりな装いがすぐに叶うのが嬉しいところ。ネイビーカラーにパールボタンをあしらったゆるやかなフレアシルエットのブラウスに、同素材のテーパードパンツで気負わずハレの日コーデが完成します。
華やかなフリルブラウスで
ジャケットなしでもきちんと感をキープ
撮影/渡辺謙太郎
ともすると地味に見えてしまう可能性のあるダークカラーのセットアップですが、大胆にフリルをあしらったブラウスタイプなら、オケージョンシーンに十分な華やかさときちんと感。当日悩みがちな髪型がダウンスタイルで決まるところも嬉しいポイントです。
【ブラウス×スカート編】卒園式・卒業式のセットアップコーデ例
ボリューム袖ブラウスも
セットアップならセレモニー仕様に
撮影/渡辺謙太郎
引き続き人気のボリューム袖も、上下揃ったセットアップなら厳かなシーンでも着用できそう。華奢見えするラグランスリーブかつ短め丈のブラウスに、タイトなスカートがスタイルアップ見えを叶えてくれます。ボーダージャカード生地の華やかさが大切な1日にふさわしい雰囲気。
全方位美しいシルエットが叶う
好バランスなセットアップ
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
背中がティアードデザインになったブラウスが主役のセットアップ。トップスの立体的なフォルムにぴったりな丈感&形のスカートで全方位きれい見えします。このバランスの良さは組み合わせることを想定して作られたセットアップのなせるワザ。
IN・OUTどちらでも様になる
ブラウスは着回し幅の広さが嬉しい
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
首元の後ろにあしらわれたリボンがポイントのブラウスは、スカートにINしても裾を出しても着こなせる丈感とデザイン。式後にブラウスのみを着る際には、ボトムスに合わせて雰囲気を変えられるので、持っていて損はない1枚になりそう。
【ジレ・ベスト編】卒園式・卒業式のセットアップコーデ例
ジレジャケットなら
自分らしさをキープできる
撮影/倉本侑磨〈Pygmy company〉
ジャケットは着慣れないけれど、それなりの特別感を出したいならジレジャケットのセットアップがおすすめ。華やかさときちんと感が叶って、自分らしいハレの日コーデが実現します。
ツイード素材でリッチに華やぐ
ジレ×ロングタイトスカート
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
ツイードのジレセットアップは、ロング丈のスリムなスカートの縦長シルエットで着痩せ効果大。前スリットがあるスカートが洗練見えにも寄与。黒タートルを合わせ、小物類をすべて黒にしてもツイードが華やかさをアシストしてくれます。
面積が大きいロングジレは
ニュアンスカラーで優しげに
撮影/酒井貴生〈aosora〉
ニュアンスカラーがハレの日にふさわしい、セットアップ使いできるジレ&パンツのセレモニーコーデ。絶妙な色合いが中に着るブラウスを選ばず、フェミニンにも知的にも映ります。
白ボタン付きベストで
母業にちょうどいい洒落感を
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
きれいめスカートにショートベストをレイヤードするタイプのセットアップは 、オール紺の中に白ボタンで〝自分らしさの主張〟もさりげなく。母業にちょうどいい洒落感が叶います。
レースのジレ付きワンピースは
ノージャケットでも品格たっぷり
撮影/金谷章平
ワンピース1枚だけだと心もとない……。そんな心配を払拭してくれるのがワンピースとジレのセットアップです。落ち感のあるジョーゼット生地で作られたシンプルなワンピースに、総レースのショートジレがセットに。ジレなしでブラックフォーマルとしても着られる、濃黒色の品のあるセットです。
心に残る1日を自分らしい装いで楽しんで
マナーを守りつつ、子どもの大切な節目の1日を自分もオシャレして楽しみたい卒園・卒業式。これから着る服を準備するなら、式後も着回せるものを選びたいのが本音ですよね。そんなニーズにぴったりなのがセットアップ。種類や組み合わせが多いから、きっとぴったりなものが見つかるはずです。お子さんの卒園・卒業おめでとうございます!心に残る1日になりますように。
文/小林博子
※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。掲載商品はすでに販売終了している場合がございます。