近年、SNSでよく目にする「吸水ショーツ」。徐々に浸透してきているもののナプキンなしで本当に大丈夫なの?と相変わらず「気になる存在」のままという方も多いのでは?そこで今回は初心者さんに向けたQ&Aから、実際の使用感レポ、おすすめアイテムまでまとめてご紹介していきます。
吸水ショーツ初心者向けQ&A
fermata株式会社 林部なつきさんに、吸水ショーツ初心者さんの疑問にお答えいただきました。
Q1. 日本で吸水ショーツが一気に注目を浴びていますが、最近誕生したものなのですか?
実はショーツと一体化したものは1995年頃に作られましたが一般化しませんでした。活発化し始めたのは欧米でFemtech(フェムテック)という言葉が使われるようになった2012年頃からです。開発については各社それぞれ、 「ナプキンの漏れを気にしたくない」「ナプキンの不快さとさよならしたい」といった実体験をもとにしたものから、「もっと女性が生きやすくなるように」「 生理用品の選択肢を増やしたい」といったものまで背景はさまざまです。
「FemTech(フェムテック)」とは?
Female(女性)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語。テクノロジーで女性特有のヘルスケアやライフスタイルをサポートするため誕生した製品やサービス、 市場そのものを指す。
欧米ではすでに数多くのフェムテック関連商品が一般にも浸透しており、北米だけで2025年までに500億ドル(約5兆円)規模の市場になるという予測も出ている。日本でも利用者が増えている基礎体温を入力し排卵日を管理するスマホアプリなどもフェムテック商品の1つ。国によっては、生理用品のサブスク配達サービスや、ウェアラブル搾乳機、骨盤底筋トレーニング機器なども人気。
女性の社会進出が進み、生き方や働き方が多様になってきている今、注目のキーワード。
Q2. なぜこんなにも一気に注目を浴びているのでしょうか?
奇しくもコロナ禍の影響で家にいる時間が長くなったことで、自分自身の体のことを考えたり、モヤモヤに向き合う時間が増えたこと、そして同時期に吸水ショーツを発売するブランドがどんどん誕生したことで一気に加速したと考えられます。選択肢が増えて自分のライフスタイルやデザインの好みによって 選べる ようになったことも大きいのではないかと考えています。
Q3. 使用済みショーツの持ち歩きで、おすすめの方法はありますか?
使用シーンとして、外出先で穿き替えて使用済みショーツを持ち歩くことはあまり想定していません。外出先での漏れなどが心配な場合は、月経カップやタンポンとの併用をおすすめします。特に月経カップは単体でも漏れの心配が大幅に削減されるので、吸水ショーツと併用することでさらに安心してご着用いただけます。
Q4. 使用済みショーツのおすすめの洗い方・干し方を教えてください。
ぬるま湯または水で予洗いした後、洗濯ネットを使って30度以下の水で通常の洗濯物と一緒に洗濯機で洗っていただけます。干すときは、裏返して、内側(吸水面)を表にして干すことで乾きやすくなります。ハンガーなどに生地が重ならないように、広げて掛けて干してみるのもオススメです。
Q5.布ナプキンは使い捨てナプキンよりも体に良いと言われたり、経血量が少なくなると言われますが、同じ効果はありますか?
吸水ショーツは医薬品、医療品ではないため、具体的な効果・効能はお伝えできません。あくまでも生理時のストレスやモヤモヤを解消できる選択肢のひとつとして、ぜひご自身で試して実感してみてください。
Q6.吸水ショーツ、安心して快適に使用できる目安って?
経血量には個人差がありますし体調などにも影響されるため、また各ブランド・商品によって素材やデザインも異なるため、残念ながらはっきりとお伝えすることは難しいんです。最初は生理が始まった日や終わりかけといった経血量の少ない日、家でリラックスして過ごせる日に試してみて、自分の安心できる時間の長さを実感していただけると良いかと思います。
Q7. 初潮を迎えた娘たち(小学生、中学生)も使えますか?
もちろんです! 周囲に生理のことを知られたくない、お手洗いに生理用品を持って行きたくない、ナプキンでかぶれる、など思春期だからこそよりデリケートになる娘さんたちにこそぜひお使いいただきたいのが 吸水ショーツです。
ユニクロキッズの吸水ショーツについて詳しくは
吸水ショーツのメリット・デメリットは?
ライターMが実際に吸水ショーツを初体験。使ってみて感じたメリット・デメリットをまとめました。
試してみたのは、EVEのオーガニック吸水ショーツ。形状としては普通の生理用ショーツに、長時間用ナプキン1枚分くらいが中に縫い込まれた感じ。明らかに普通の生理用ショーツとは違う重みと厚みはあるものの、正直これで一体どのくらいの経血を吸収してくれるの!? と不安に。
生理2日目、3時間漏れていない。その時点で、感動!合格!
せっかくなので経血の量が多い2日目に使用することに。もともと2、3日目の量が多く4、5日目には一気に量は落ち着きほぼ終わるタイプ。
夕方4時ごろにEVEの吸水ショーツに穿き替えてみる。手に持ったときよりも穿いたときのほうがゴワッとした違和感はない。股上も深く、お腹をすっぽり包んでくれて安心感がある。
使い始めてかから、初めてのトイレは3時間後。恐る恐るショーツを下してみると、あまりにも吸収力が良いのか、ショーツ表面には経血は残っておらず、さらにショーツの色が黒でシミがわからない……。困った、これは替えどきなのか、このまま穿き続けてよいのか。今日はどこにも出かけないから限界まで穿いてみよう!
5、6時間経過。まだ漏れないものの、正直、ずっしり、タプタプに吸収している違和感は否めない(笑)。瞬時に吸収できなくなった経血が表面に少しだけジワッとしていたので、これが限界と判断。ショーツを穿き替え、実験終了。
<メリット>
- 失敗の不安が軽減し、トイレに行く回数が減った!
- 見た目ほど、穿いたときの違和感なし
<デメリット>
- 限界(穿き替えタイミング)がわからない
- 1日外にいる場合、替えが必要。その場合、使用済みをどう持ち歩くのか?
- 一度下げたショーツを再び上げるときに、自分の経血ながら若干抵抗がある
- 手洗いするのが大変
結論「経血が多い日の〝私的〟目安 = 快適なのは3~4時間まで」
良かった点、困った点を列挙してみると、一見、困ったことのほうが多かったように見える。でもそれらを凌駕するほど、たくさんの快適さがあることが勝ったから、私は〝使い続けたい〟に1票。
あくまで一個人の感想としては、〝ナプキンの不快さを軽減してくれる商品〟だなと思いました。私のように肌が弱く、ナプキンの装着期間が長いとかぶれの痒みが出てくる人には特にオススメしたい!生理が始まりそうな日や、経血が少なくなってきた日などにナプキンもタンポンもなしで、普通のショーツを穿いている感覚で過ごせることはメリットと感じる人は多そう。逆にナプキンにそれほど不快さを感じていない人はかえって不便に感じる可能性も。
話題の「ユニクロ」の吸収ショーツを使ってみた
2021年9月に発売されたユニクロ初の吸水ショーツ。2,000円以下で購入できるとあって、ファースト吸水ショーツにぴったり!ママライター髙田が実際に使ってみた感想をお届けします。
エアリズムのサラッとした感触のサニタリーショーツ。三層構造でしっかり水分を吸収。抗菌・防臭機能で気になるニオイもおさえる。寝姿勢のときも背面の防水シートで安心。
●日中に使ってみると……
エアリズムならではのさらさら素材
ショーツの素材はエアリズムなのでムレにくく、サラッとしていて快適。薄手ながらはいてみると、ほどよいサポート感あり。試したこの日は、子ども(小1男児)とお出かけ。子どもが小さいころも、男女別にトイレに行くようになった今も、子連れだとゆっくりトイレに行く時間が取りづらい!吸水ショーツは育児中にとても便利でした。
●就寝中にも使える?
吸水シート部分が長くて安心
股上深めでジャストウエストのショーツ。黒い防水シート部分がおしり側まであり、私の場合は夜寝るときに使っても漏れませんでした。ナプキンを使っていても、寝ている時に微妙にズレたり伝い漏れをすることもありますよね。そういうストレスが少なく、万が一汚れても洗いやすい素材なのがうれしいところ。
●吸水性は?
吸水量は約30~40ml程度
吸水ショーツの中には100ml以上吸収するものもあるのでそこまで吸収量が多いわけではありません。実際に日中はいてみたところ、朝はいて昼過ぎには漏れが気になることもあったので、心配な日はタンポンや月経カップとの併用がおすすめです。
●洗濯は簡単?
面倒くさがりの私でも大丈夫でした
流水やぬるま湯ですすぎ洗いしたらネットに入れ、洗濯機で洗えます。洗面所やお風呂でささっと洗って洗濯機洗いできるので簡単です。汚れは落ちやすいので万が一漏れてしまったときもケアしやすい素材でした。乾燥機NGですが乾きやすい素材なので扱いやすかったです。
使ってみての感想
エアリズム素材で普段の下着感覚で使える吸水ショーツでした。鼠径部やウエストに程よいサポート感があり1枚履きでも腰周りが支えられシャキッとするはき心地が好みでした。汚れが落ちやすくケアが簡単なのもうれしい。薄手で乾きやすく洗濯しやすいです。2000円以下と吸水ショーツの中ではかなりリーズナブルで洗い替えも用意しやすい価格も魅力!
ヒップハンガータイプのエアリズム吸水サニタリーショーツも登場
薄くシームレスでラインが響きにくく、股上が浅めの「ライト・ヒップハンガータイプ」も。スタンダードタイプが30~40mlの経血吸収量なのに対し、こちらは15~20mlの吸収量です。普段のショーツと同じような軽い穿き心地。
エアリズム吸水サニタリーショーツ(ライト・ヒップハンガー)¥1,500(ユニクロ)
まだまだある!口コミつき・オススメ吸水ショーツ5選
ここではオススメの吸水ショーツをピックアップ。実際にママライターやママさんたちが試してみた感想も紹介していきます。
Bé-A (ベア)
「軽めのガードルやオーバーパンツをはいている時のようなホールド感のあるボクサーパンツタイプ。お腹まわりをあたためる機能で冷えが気になる時期にもうれしいです。吸水量が多いので、夜間や長時間使う時にも安心感がありました。ジュニア向けのラインもあり、初潮を迎えたお子さんのいる方にもおすすめです」
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MOON PAMTS(ムーンパンツ)
「コロナ禍でリモートワークにシフトし、テレカンが立て続けに入ることも多く、気づけば5時間座りっぱなしになることも。出産を経て経血量が増える中、こまめにトイレに行かなくてはならないのもストレスでした。今回試したムーンパンツは、とにかくはき心地のよさに驚き。肌に当たる部分の速乾性も優れていて、量が気になる日に座り続けていても、漏れ&ムレ知らず! またフィット感も抜群で立ったり座ったりを繰り返してもほぼズレないので、息子と公園で走り回ったり、すべり台をすべっても安心でした。キュッとしたはき心地で、なんならヒップアップ効果も期待できるかも(笑)」
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GU(ジーユー)
「リーズナブルさが魅力。普通のショーツっぽい見た目と着用感なので、生理の始まりそうなタイミングにもいつもの下着感覚で使えました。お手入れはセスキ炭酸ソーダでつけ置きの後に洗濯機洗いが推奨されています。吸水シートが股の部分のみで短いので、主に軽い日の日中が◎。吸水量が多いタイプなどバリエーションが増えることに期待しています」
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comfits(コンフィッツ)
「2000円台からと手に取りやすい価格設定とバリエーションが特長。吸収量が段階別に分かれていて、レースやソングタイプもあるので好みに合わせて選べます。私が使った「heavy」は吸収量の多いタイプで、触ってみると吸収体がけっこう厚め。夜も安心して使えました。子どもがおむつ外しのときに使ったトレーニングパンツを思い出しましたが、洗濯後、意外と乾きが早かったです」
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おなじみブランドから「ジュニア用」も続々!子供用吸水ショーツ4選
取材協力/fermata
取材・文/M、髙田翔子、坂本結香、相馬香織
※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。
※掲載商品はすでに販売終了している場合がございます。
公開日:2021.01.09
吸水ショーツのよくある質問
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吸水ショーツの正しい洗い方は?
まずは予洗いで経血をできる限り洗い流します。経血内に含まれるタンパク質は高温のお湯では固まってしまいます。30度以下のぬるま湯または水を使って。その後洗濯ネットに入れて洗濯機で洗います。
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吸水ショーツの正しい干し方は?
吸水部分は厚く、水分を含みやすいつくりになっているので、ショーツを裏返して吸水面を表にして干すことで乾きが早くなります。タンブラー乾燥は生地をいためてしまうのでできるだけ避けて。
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吸水ショーツはその日のうちに洗濯しないとダメ?
経血は乾燥すると固まってしまうため落ちにくくなります。洗濯機をその日のうちに回さない場合は、経血を落とす予洗いだけはおこなっておきましょう。