日本テレビ勤務を経て、現在は経営者、フリーアナウンサーとしても活躍中の宮崎宣子さん。結婚・離婚、起業など波が多く「人生でいちばんキツかった」という30代を経て42歳で母校の大学院生となり、44歳で出産。育児、仕事、学問など日々をパワフルに過ごす今の心境をお話しいただきました。
画像集はこちらからチェック
20年越しの大学生活は目標があるから楽しい!
──卒業から24年の時を経て、42歳で母校である早稲田大学の大学院生に。仕事や家庭を持ちながら、大学院で学ぶ経験はいかがですか?
ものすごく楽しいです! もちろん通学や予習・復習でかなり時間は取られますし、90分の授業を何科目も受けているのは体力的にしんどかったりもするのですが、目標があるからまったく辛くないんですよね。学部時代は高校を卒業して大学に進学した、という感じだったけれど、今は財務会計やマーケティング、経営戦略など学びたいことが明確にわかっているのでやりがいがあります。一緒に学んでいる学生たちはみんな優秀で、とある課題についてディスカッションすることになったら、その場でサッとパワーポイントで資料を作成して、15分後には発表できちゃう。英語が堪能な人も多いですし、ビジネスのトレンドも若い子たちはよく知っているので、いろいろと教えてもらっています。スキルのない私は気おくれしてしまうけれど、そこは人生経験。「しゃべりはプロだから」とプレゼン発表するときなど得意分野で役割分担しています。
──経営を学んだことで、仕事をするうえで不安はなくなりましたか?
はい。大学院を卒業するためにはあと1年通わないといけないのですが、大学院で経営を学んでいるという事実が、仕事をする上でも水戸黄門の印籠みたいになってガードしてくれている気がします。変な人に騙されないようになってきたのではないかと。また、ビジネスの話ができる人と出会えるようになったのは大きいですね。あと、通ってみて知ったのですが、大学院には50代の人もいるし、私みたいな経営者もいるし、小さなお子さんを3人育てながら学んでいる人もいます。何歳になっても、社会人になっても、ママになっても学んでいる人がいるのは、大学院のいいところだな、と思います。
力の抜きどころがわかるからできる
──現在は、経営者、アナウンサー、大学院生、妻、そして母という五足のわらじ状態! どうやってやりくりしているのでしょうか?
いやいや、やりくりというか、全部を完璧にやっていないから、どうにか回っているんだと思います(笑)。この年になると、力の抜きどころがわかるとうか、あまり無理もできないので加減がわかるところもあるんです。大学院でも隅から隅まですべての科目を完璧に学んでいるわけではなくて、自分が学びたいものを厳選しています。家事も「ここまでやったら疲れそう。よし、今夜はデリバリーにしよう♪」とかちゃんと手抜きしてますし、ビジネスも頼める部分は外注にしたり。自分の状態をいつも俯瞰で見て、手一杯にならないように調整しています。
40歳からはじめたジム通いが「プラス思考」のきっかけに
──40代になってからも大学院生活や再婚、不妊治療に出産と、攻めの姿勢を感じますが、 体力や気力はどこから湧いているのでしょうか?
40歳の年にコロナ禍で時間ができたのを機に、今後の人生のために体力でもつけようかと、パーソナルジムに通い始めました。それまで筋トレとかやったことがなかったし、そもそも運動嫌いで。そんな超初心者だったのですが、トレーナーが励ましてくれるし、いろんな筋トレをちょこちょことカウントしながらこなすので、あっという間に1時間経ってしまうんですよ。「できっこない」と思っていたことをこなせた達成感が得られることで、どんどんマインドがプラス思考になっていったのが一番大きいですね。心身ともに前向きになりました。起業してすぐにコロナ禍になり、大量の在庫を抱えてビジネスも順調ではなかったんですが、「このタイミングで商品開発だ!」と元気いっぱいに新商品を作りまくっていました(笑)。
PROFILE
宮崎宣子(みやざき・のぶこ)
フリーアナウンサー。1979年生まれ、宮崎県出身。2012年に日本テレビを退社後、フリーアナウンサーとして活躍。現在、早稲田大学大学院経営管理研究科に在学中。オーガニックハーブによるボディケアブランド「EMARA(エマラ)」代表として、経営者とハーバルセラピストの顔ももつ。 2021年に再婚し、昨年10月に第1子を出産。(@miyazaki_nobuko)
撮影/秋山博紀 ヘア・メーク/高良まどか 取材・文/亀井ゆりこ