〝ある！ある！〟〝分かる！〟と、等身大の働くお母さんのエピソードが話題の、『VERY』で連載中の前田敦子さんの子育てエッセイ。今回は5泊6日で行ってきたという、夏休み北海道旅行について。親子それぞれに楽しい初体験があったようです♪

撮影／花盛友里

夏休みに息子と5泊で北海道旅行をしました。行ったのは道内有数の温泉地、定山渓。そこで私も息子も〝初めて〟の経験がありました。

行った頃は、ちょうど花咲蟹のシーズン真っ盛り。市場に行った際に、お店の方々が試食を勧めてくださって、息子は蟹を初体験。ふだんは食に保守的な彼ですが、旅先の高揚感もあり、お店の方が剝いてくれた蟹をパクリ、「美味しい！」と目を丸くして大喜び。そこから息子は持ち前の人懐っこさで、すぐに市場のおじいさん、おばあさんのアイドルに。ほうぼうから試食をいただき、たっぷり蟹を堪能していました。

その後、一度は市場を出たのですが、「もっと蟹を食べたい！」ということで、買った蟹を解体してもらうために再び市場へ。「おかえり～」とみなさんが迎え入れてくださり、購入した蟹を食べさせるつもりが、結局また試食をたくさんいただいてしまいました。もし私が家で蟹を出しても、絶対食べなかっただろうと思うと、非日常な旅先での出会いや空気感が、彼の挑戦心を刺激したようです。

この旅で、私も実はある初挑戦を。たまたま帰省中だった地元の友人に、彼女の幼馴染み家族とのBBQに誘われたのです。息子と同世代の子どもたちもいるよという言葉に背中を押され、ちょっぴり緊張しつつ参戦（笑）。元々は人見知りな私。以前なら初対面の人たちとBBQなんて絶対にできなかった……！　そう思うと、自分の変化に驚きます。息子はすぐひとつ下の女の子と意気投合。お兄ちゃんらしく、お肉をとってあげたりオモチャを貸してあげたりと、面倒を見る姿が新鮮で。家ではまだまだ甘えん坊なところも多いので、息子の知らない一面をまたひとつ、垣間見られた瞬間でした。

ちなみに先日、いつものくら寿司に行ったところ、息子はいつものイカ・タコ党に戻っていました。

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