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ゲイパパみっつんに聞く「子どもが性にまつわる動画を見ていたらどうする?」

──YouTubeで「ふたりぱぱ」として、同性パートナーとスウェーデンで育児をする日々の様子を発信しているみっつんさん。スウェーデン発のあたらしい性教育の本『RESPECT男の子が知っておきたいセックスのすべて』を翻訳したみっつんさんに、前半のインタビューでは未就学児の頃からお家でできる性教育について教えていただきましたが、後半では、VERYママライターの子どもと性のお悩みについて聞いてみました。

>ゲイパパが教える!子どもに伝えたいはじめての「性教育」(前半インタビュー)

 

Question

「異性の子どもと一緒にお風呂……入る?入らない?」

──私は7歳の息子がいるのですが、いつまで一緒にお風呂に入ってよいのか悩んでいます。欧米では親子であってもお風呂に別々に入ることが多いと聞きますし、最近、日本でも銭湯や温泉に異性の子どもと入ることができる年齢が条例で引き下げられるといったニュースも聞きますが……。

アメリカなどでは、たとえ家族であっても混浴しないのが一般的といいますが、国によって事情が違うようです。スウェーデンの場合は、裸で混浴する人も多いサウナ文化があるせいか、日本同様にあまり気にせず家族で入浴するケースもあるようです。それから、うちの子どもは水泳教室に通ってるのですが、日本と同じく幼児の頃は更衣室に親が付き添うことがあります。パパが女の子に付き添うようなときは便宜上、男性用更衣室とシャワールームを使わないと着替えができないといった事情もあります。海外とひと口にいっても国によって文化や風習は違うと感じることが多いですね。前半の記事でプライベートゾーンの話をしましたが、それも時代や価値観によって変わっていくと思うんです。男性は上半身裸でいることが許されるのに女性のトップレスはなぜいけないの?と考える人もいます。これが「絶対正解」というルールはないはずですが、時代によって倫理観は変わっていくものなので、いつまで一緒にお風呂に入るべき!と決めつけずに、柔軟に対応し、新しい知識を子どもと一緒にアップデートしていくことがこれからは必要になると思います。

 

Question

子どもが性にまつわる動画を見ていたらどうしたらいいですか?」

──この前、息子がYoutubeでリアルな出産シーンを見ていて、思わず「えっ!?」と言ってしまいました。とはいえ見ちゃダメ!と言うのも気が引けて。今の時代いろんな動画にアクセスできてしまうので、性にまつわるものを見ていた時などどう声をかけたらよいのでしょうか。

 

ポルノやR指定作品のように、視聴できる年齢かどうか配慮が必要なものなら、僕も息子に「これはまだ早いよ」と言うつもりでいます。ただ、見ることが「悪いことだ」と思ってしまうことのないように伝え方は注意しなくてはいけないですね。内容にもよりますがそれがもし、YouTubeで公開されている範囲の出産ドキュメントだったら、僕なら一緒に見ちゃうかな。ナショナルジオグラフィックの番組で息子と一緒に動物の出産シーンを見ることだってあるので。「見てはダメ」だとは絶対言わないと思います。親がドキドキしていると子どもにもそれが伝わってしまうから、「子どもを産む人はこれほど大変な思いをして、ようやく1人の命が生まれてくるんだよ」「僕も君もそうやって生まれてきたんだよ」ということは真面目に伝えながら見ると思います。それから、「どうしてこの動画を見てみたいと思ったの?」とか、実際に見て感じたことをちゃんと聞いてあげるということも大切だと考えています。

 

Question

「リスペクトを子どもにどう伝えたらいいですか?」

──訳書のタイトルにもなっている「リスペクト」。大事なことだと分かっていても、口に出してそれを伝えるのが苦手だという人も多いと思います。

日本では、「まずは謙遜してみせる」ことが多いので、他人の前で自分の子どもをほめることが少ないですよね。「うちの子なんて全然」とついつい言ってしまうことも多いのではないでしょうか。僕はとくに子どもの前では絶対にそういうことは言わないように気を付けています。スウェーデンでは、謙遜する文化がもともとあまりないということもありますが、息子のことが本当にかわいくて、大好きなのでそれをそのまま言葉にして毎日伝えています。人前で言うのが恥ずかしかったら、「うちの子はものすごくかわいくて、出来が良すぎて困っちゃう」とあえてふざけて言っているみたいな感じでもいいと思いますよ。子どもが聞いていたら「お母さんやめてよ!」と言われるかもしれないけれど「この子は本当に駄目で」と言っているのを聞かれるよりもずっといいはずです。親自身が子どもを信じることが大事だと思っているので、「うちの子は大丈夫。とてもよくやってる」とポジティブな言葉を口に出すことを習慣にするのがおすすめです。

 

●男の子を育てる「ふたりぱぱ」に聞く! 「ママ」「パパ」という役割って必要?>

●ゲイパパが教える!子どもに伝えたいはじめての「性教育」(前半インタビュー)

 

取材・文/高田翔子

みっつん

名古屋市生まれ。2011年、スウェーデンの法律の下、結婚。同年、夫リカとともに東京からロンドンへ移住。2016年、サロガシー(代理母出産)により男児を授かったのを機に、夫の出身地であるスウェーデン、ルレオに移住、現在にいたる。ブログ「ふたりぱぱ」で、サロガシーの経験や子育て日記を綴ったり、SNSなどでその普段の様子をシェアしている。

著書に『ふたりぱぱ ゲイカップル、代理母出産の旅に出る』(現代書館)がある。

YouTube「ふたりぱぱチャンネル」

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