――SHELLYさん、新しいパートナーができたと伺いました。公表しないという選択もあったと思うのですが、公表しようと思った経緯を教えてください。
SHELLY(以下S):何かの話になった時、嘘をつかなければいけないのが心苦しかったんです。それにまず子どもたちに、「(パートナーがいることを)周囲に話しちゃダメだよ」と言うのは教育的に良くないかなと思って。公表して自然に生活できたほうがみんないいのかなと思って、タイミングが合えば公表しようと思っていました。
――お子さんたちはどんな反応を?
S:最初、関係が安定するまでは、会わせるつもりはありませんでした。子どもたちは離婚後ずっと週1、2回、元夫のところに泊まりに行っていて、それは今後も続くのですが、その間にデートをしていました。この人ならと思えてから、何度も子どもたちと話し合い、最初は短時間から一緒に遊ぶようにして、ちょっとずつ時間を増やしていきました。子どもたちは最初から楽しく遊べはしたのですが、いきなり彼を生活圏に入れてしまうと「ママが取られると思ってしまう」と本で読んで。そうした危機感を持たせないためにも、徐々に慎重に慣らしていきました。そして、彼のことをお友達ではなく、特別なお友達で他の人とは違うんだよ、と紹介しました。
――お子さんへのケアで心掛けたことはありますか?
S:「お母さんにとって彼は大事な人だけど、今後一生あなたたち以上に大事な人は出てこないよ」という会話は意識的にするようにしていました。順位をつけるのは良くないかもしれないけど、子どもたちが絶対的に1位でいいと思っているので。
――「再婚」についてはどうお考えですか?
S:そうですね。結婚という形をとるつもりはありませんし、今後そうした発表をする機会もないと思います。もちろん、前回も離婚しようと思っていないのに離婚したから絶対とは言えないんですが…でも、今後一緒にいたいと思ったから今回公表しました。
――お子さんのパパには報告しましたか?
S:付き合う段階で報告しました。パートナーができたからといって、子どもたちのパパが変わるわけではないので、これからもそこの関係は変わりません。
――日本だと、シングルマザーの恋愛には世間の目が厳しいように感じることもあります。だから今回の公表には勇気がいったのではないでしょうか。
S:はい、シングルマザーには厳しいように感じます。デンマーク人の友達が、「うちの国では子連れでもナンパされるよ。だってパートナーと一緒じゃなければいるとは限らないじゃん」と話していて、それはすごいなと思いましたが(笑)。日本では、女手ひとつで、みたいなある意味母性神話があるように感じますね。
――シングルマザーだと恋愛を失敗できない…というプレッシャーもありますよね。
S:そう、だから慎重にはなるしプレッシャーもあります。今回こうして公表したけれど、失敗することもまた、あるかもしれないですし。
――それはどんな人も同じですよね。また新しい家族の形になりますね。
S:「お父さんお母さんがいて、血のつながった子どもがいる」、という形がいわゆる家族とされているけど、世の中にはいろんな家族がいると思います。お母さんが2人いるところも、お父さんが違うきょうだいもいる。子どもたちには、お父さんが変わったわけではなくて、お父さんはお父さんで、愛というのは増えるんだよと教えたいと思います。うちの場合、あなたのことを愛してくれる大人が周りにたくさんいるんだよと、新しい家族の形で子どもたちに伝えたいですね。そのためには、大人たちがしっかり関係性を作っていくことが今の務めだなと思っています。
――また本誌でも話を聞かせてください!
S:こんな話に興味を持ってくれてありがとうございました!
◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。5歳と3歳の娘の母。
撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2021年9月号「シェリーの「これってママギャップ?」」と語り下ろしインタビューで構成。*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。