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SHELLYさん「子育てのこと全部きちんとやらなくてはいけないと思っちゃうの、なんで?」

※このコラムは2021年2月号(1月7日発売)に掲載されたものです。

 

みなさん、あけましておめでとうございます! 私の今年の目標は、「もっと声を上げる」です。これまでバラエティでも、ルッキズムやLGBTQ、女性差別に関して違和感のある発言があった時、「笑わない、反応しない」ことや、やんわり否定することで意思表示をすることが多かったのですが、そろそろ空気も変わってきたのを感じています。だから今年はもっと自分から声を上げたい!「お前、そんな料理の腕前でよく結婚できたな」などと言われてしまう「男性が強いバラエティ番組」が存在するうちは、世の中の女性が置かれている立場は変わらないと思うんです。テレビはまだまだ強いし、自分なりの発信をして、バラエティの空気を変える努力をもっと積極的にしたいな、と。そのためにも、まずは自分の仕事や母としてのあり方に自信を持つことと、なぜか顔を出す罪悪感をなくしていくことが必要だなと思っています。

 

「子どもがいるのにちょっと仕事しすぎじゃない?」というそんな自分の罪悪感を、最近軽くしてくれた話がありました。私はよく「育児と仕事をどうやって両立していますか?」と聞かれます。その問いかけ自体にもいろいろ思うところがあるのですが(それ男性には聞かないよね?とか!)、姉がリンクを送ってくれた精神科医による英文記事の中に、すごくわかりやすい例えがありました。姉たちとは頻繁に連絡しあっているのですが、たまには真面目な話もするんです(笑)。英語では複数を同時にこなすことを「ジャグリングする」と表現します。ジャグリングする時、持っている玉をすべて浮かせておくことはできないし、落とすこともありますよね。育児と仕事のジャグリングだって、すべての玉を落とさずにいることは不可能です。この時大事なのは、仕事と育児はそれぞれ1つの玉だと思っている人が多いけれど、育児にも仕事にも、それぞれ玉が何百個とある、ということ。その中にはプラスチックの玉もあれば、ガラス玉もある。ガラス玉は落としたら割れるので、落とせません。それがプラスチックなら落としてもまた拾えばいいんだよ、というお話だったんです。

 

例えば明日締切りの仕事があって、破れば信用をなくしたり昇進に関わる場合、その仕事はガラス玉ですよね。一方子どものことで、宿題をたまにやり忘れたとかハンカチを持たせ忘れたというのは、1つプラスチックの玉を落としたに過ぎません。もちろんプラスチックだからといって毎回落としてはいけないけど、プラスチックを落としたことで、いちいち自分はダメ母だと落ち込まないようにする。そして自分にとってどれがガラスでプラスチックなのか、見極める力をつけなければいけないよ、と。よく、子育てと仕事を天秤にかけて、母親なら当然子育てを優先するべきという空気がありますが、とにかく何であれ自分にとってのガラス玉を落とさないようにしたらいいとシンプルになれたんです。「子育ての玉すべてがガラス玉ではない」と割り切るのも必要なんだって。

 

私の場合、子どもたちと過ごすために基本的に土日や夜遅くなる仕事はなるべく断っています。でも例えば、特番のMCやCMは、滅多にないチャンスなので、自分のキャリアのためにも子どもを育てていくためにも、夜遅くなったとしても仕事を受けます。それは私にとってのガラス玉だからですね。その日夕食を子どもと一緒に食べられなくても、それは1つのプラスチック玉で、また拾ったらいいものなんです。反対に子どもたちの発表会など大事な行事は「ガラス玉」と思って、仕事を断るのも怖くなくなりました。自分の納得できる仕事はして、優先すべきプライベートは優先する。仕事も子育てもそうやって自分なりのガラス玉を見極めるようにしたら、気持ちを自分にも人にも優しく、おおらかになれる気がしたんです。仕事にバランスが寄りすぎかなとか、子どもたちがかわいそうかなとつい思って、誰に対してなのかわからない罪悪感にさいなまれる時も、この話のおかげで気持ちを鎮めることができました。

 

この日本で母親業をやっていると、往々にして、自分が100%やろうとしがちになります。周りを見ていると、子どもが3人4人いる方は、全部やるのは物理的に無理なので、自然とガラスとプラスチックに分けてジャグリングされている気がして。1人だと、全部きちんとやらなくてはいけない、全部ガラス玉として大切に扱わないと母親失格なのでは?とプレッシャーに感じてしまう場合が多いように感じます。子育ての何かをプラスチック玉だと割り切るのに罪悪感を覚える人もいるかもしれません。でも、ただがむしゃらになるのではなく、一つ一つ判断することは大事なんだな、と。そして何がガラスでプラスチックかは、人と比べるものではなく、自分自身が判断するもの。そこがまた難しいこともあるけれど、ジャグリングするのが自分であるならば、自信を持ってやっていけばいいんだと思っています。

 

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◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。4歳と2歳の娘の母。

YouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」の打ち合わせ風景! 性教育について発信していこうと思いますので、ぜひ見てください!

 

撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2021年2月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

SHELLYのこれってママギャップ?

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