VERY March 2021

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March 2021

2021年2月5日発売

780円(税込)

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日本の女性たちの多くが「選ばれる側」なの、なんで?

VERYで好評連載中の「SHELLYのこれってママギャップ?」をVERYWEBでも配信中です。

※このコラムは2021年1月号(12月7日発売)に掲載されたものです。

 

 

MCをしている婚活サバイバル番組『バチェロレッテ・ジャパン』が話題になっていると聞き、嬉しいです。男性が女性を選ぶ『バチェラー・ジャパン』の男女逆転版なわけですが、「女性が男性を選ぶ、はっきりと意思決定をする」とひっくり返しただけで、こんなにも見えてくる世界が違うのかと驚きですよね。少女漫画からドラマ、映画、バラエティに至るまで、「女磨き」「女子力」「愛され女子」とか、女性側は男性に選ばれるために努力をするもの、というのがあまりに当たり前のものとしてある気がして。女の子を育てている今、これでいいのかと余計に思ってしまいます。

 

最近、4歳の上の子が「ママ、痩せたほうがいいよ」と言ってきたんですよ。太っているだの痩せているだの急に言い出して、もうそういう時期が来たのか!って。内心、太ったかな…?と思ったのは正直なところなのですが、娘たちの前では全然気にしていないふりをしました。だって私がここで「そうだよね、痩せないと!」って言ったら、娘たちは痩せている方が美しいと信じてしまうし、人の見た目について言っても大丈夫だと思ってしまう。私は「そうかな、太ったかなぁ? でもね、人が太っているとか痩せているとか、人の見た目のことは言わなくてもいいんだよ。太っているか痩せているかは、人が決めることじゃないんだよ」と言いました。それに対し娘は「だってばあばも言ってたよ」。ばあば=元夫の母なのですが…どんな文脈で使ったかわからないので、ばあばを否定するわけにもいかないから、さじ加減は難しかったです(笑)。

 

小さいころからあらゆる場面で「女は愛嬌、男は度胸」的なことを刷り込まれてしまうんですよね。それは大人である私たちも逃れられていないこと。好かれるため・喜んでもらうためにどうするかや、人に尽くしたり世話したりといったことは、あまり男の子には教え込んでいない気がして。

私も、付き合っているうちはそうしたことに対して対等だという意識があったのに、結婚したらちょっと変わり、母親になった途端にまるで変わった実感があります。徐々に、お父さんの役割、お母さんの役割のようなものに流されていったというか。よく例えに出しますが、ママチャリを漕いで子どもを乗せているパパを見ると「偉いなあ」って私もつい思ってしまうんです。ママがやってても当たり前なのに! そしてシングルマザーになっても、「とはいえ、料理くらいはちゃんとしてるんでしょ?」のようなことは言われます。同じことはきっとシングルファーザーは言われないんですよね。

 

最近、仕事以外に保育園関係のことなど身の回りのやることが多すぎて、食事も冷凍食品の出番が増えてしょぼんとすることがあったのですが、「いやいや、ちゃんと食べさせてるし!」「ファミレス、やったー!って子どもたち喜んでるし!」と思い直しています。作り置きの配達を頼んでいるママの話を聞いたりするたび、それでいいよね、と思うんですよね。ママは人のために生きすぎているなあ、と。そして、子どものことはもちろん、夫のことまで察してケアすることが求められていて。

 

そうして夫をかいがいしくケアしてあげているうちに、カップルから家族になって、夫に「家族なんて抱けないよ」と言われてセックスレスになっていく。欧米ではあまりそういう話は聞かない気がします。セックスレスがあったとしても、女性が主導権を握っているというか。夫たちはいかに妻を抱くか腐心しているシーンが海外ドラマでもあるあるなんですよね。もしかしたら文化的な違いがあるのかもしれないけれど、少なくともベッドの上でも、欧米では女性たちは選ぶ側になれているのかな、と思いました。

 

ただ、主導権を夫に取られている陰に隠れて、女性はストレスのかかる大きな決断を男性側に任せている、というのもまた事実だと思います。決断は男性のすることで、失敗しても成功しても、男性のせいであり男性のおかげ、になっているという一面もあるかもしれない。ここで「じゃあ私が」と言える女性は、自己肯定感を大切に育ててきた人なのかも。日本の女性たちは、とっても優秀なのに自己肯定感が低いと感じている人が本当に多いと思っています。

アメリカではカマラ・ハリス氏が女性初の次期副大統領就任が確実(※本誌掲載当時)になり、「私が最後ではありません。これを見つめているすべての小さい女の子が、この国は可能性の国だと理解するからです」と勝利演説をしましたよね。彼女は、アフリカ系はもちろんアジア系やラテン系、ネイティブアメリカンの女性たちにもメッセージを送りました。娘たちのために、私も自分のことは卑下しないようにしていますが、こうした新たなリーダーの登場で、社会で押しつぶされてきた女性たちの自己肯定感が上がっていくことを願うばかりです。

 

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◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー後、タレント、MCとして幅広く活躍。4歳と2歳の娘の母。

撮影:須藤敬一 取材文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2021年1月号シェリーの「これってママギャップ?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

SHELLYのこれってママギャップ?

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