信念を持って社会の役に立つために、そしてやりたいことを叶えるために働く場所を移るママたち。今回は、2社を経て女性活躍を重視している企業へ転職を果たした、松沢優希さんの転職ストーリーを伺いました。
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独立も副業もアリな時代、
信念を持って働くってカッコイイ!
ママたちの転職履歴書
日本IBM(株)
松沢優希さん(38歳)
大学卒業後、2社を経て現職。サステナビリティに関する企業支援のコンサルティングを行うほか、環境・サステナビリティ分野の専門家として知見を発信する活動も。シンガポール人の夫との間に、3歳と1歳の息子がいる。
CHRONOLOGY
・22歳
東芝環境ソリューション(株)に就職
リサイクル工場の管理改善、環境関連新規事業開発などを担当
・29歳
「みなとみらいトーストマスターズクラブ」に所属
人前で話す度胸をつけ国際交流の経験を積んだ
・30歳
(株)NTTデータ経営研究所に転職、結婚
国内外の環境制度・実態調査、民間企業の資源循環戦略に資するコンサルティングなどを実施
・33歳
NewsPicksプロピッカーに就任
・35歳
長男出産
・37歳
日本IBM(株)へ転職、次男出産
サステナビリティに関する起業支援コンサルティングを担う。MBA取得のためグロービス経営大学院在学中
初めての登壇は、ラゾーナ川崎での複写機の解体リサイクルショー。「その後、様々な機会をいただき、2024年は、Japan Mobility Show Bizweekでカーボンニュートラルについてお話しさせていただきました」
・子育て当事者の活躍のしにくさを感じたことも
・世の中の「もったいない」を変える仕組みを作りたい
・リサイクル工場で資源循環の面白さにのめり込んだ
あらゆる未活用の資源を
幸せに生かしていきたい
新卒から一貫して、環境やサステナビリティ関係の仕事をしてきました。入社2年目で事務からリサイクル工場勤務になり、いきなりザ・男性社会へ。正直、肩身の狭さもありましたが、それよりもリサイクルの仕組みや可能性を知る中で、資源循環の世界の面白さと奥深さに魅了されました。そんなとき、会社で開催された論文コンテストに「日本のリサイクル技術を東南アジアにも展開するべき」という内容で提出したところ、嬉しいことに1位をいただき、新規事業を任せてもらえることに。でも、海外出張先の途上国でそもそもごみをリサイクルするための分別の仕組み自体が整っておらず、多くの廃棄物が不適切に処分されているのを目の当たりにし、環境課題は日本だけで向き合っていてもダメだと痛感しました。
リサイクルに有効なルールやプロセスを整備する枠組み作りに関わりたいという目標ができ、コンサルティング会社に転職を決意。「コンサルは3年続けばいい方」なんて声も聞き、不安もありましたが、無我夢中で作法や資料作り、顧客との付き合い方を学びました。婚姻届を出す日にミスが発覚し、自分の不甲斐なさに涙したことも。でも、自己反省と改善を積み重ね、徐々にクライアントの信頼を得られるように。その頃から世間のSDGsへの関心の高まりもあって、執筆や講演会登壇などの機会に恵まれ、情報発信を一歩ずつ広げていきました。環境分野でもAIやIoTの活用が期待されるようになった頃、転職のチャンスが訪れました。現職場であるIBMでは、女性活躍を重視している社風であることも後押しに。本来活躍できる人材を生かすこともサステナビリティのひとつですよね。今の私の志は、あらゆる未活用な資源を、みんなが幸せに生かせるようにすること。そして、人の取り組みに影響を与える教育や意識啓発の分野にも携わることが今後の目標です。
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撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉 ヘア・メイク/Hitomi〈Chrysanthemum〉 取材・文/有馬美穂 編集/太田彩子
*VERY2025年2月号「ママたちの転職履歴書」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。