──「普段は温厚で子どもに優しい夫なのに、ちょっとしたことでキレたり、子どもを叩いたりする」……。読者からそんな話を聞きました。「怒らない」「叩かない」育児がスタンダードのはずの今も、「キレる」「手をあげる」ことがやめられない……。いったいなぜ? 「キレちゃう夫」と向き合った漫画家・水谷さるころさんにロジカルな解決法を伺いました。
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『子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!』
漫画家·水谷さるころさん
いつもは優しいのに、なぜか
突然キレる夫との向き合い方
PROFILE
水谷さるころさん
(みずたにさるころ)
1976年生まれ。千葉県出身。女子美術大学短期大学部卒業。イラストレーター、マンガ家、グラフィックデザイナー。99年マンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末を『30日間世界一周!』として漫画化。自身の経験をもとにしたコミックエッセイ『結婚さえできればいいと思っていたけど』『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』など著書多数。お互い再婚(事実婚)同士の夫ノダDさんと小学生の息子マイルくんの3人+猫と暮らしている。
「今さら人は変わらない」
と思ってしまう前に
──「パートナーが些細なことでキレるのが悩み」という話を時折聞きます。30代、40代……ある程度年齢を重ねている人はこの先も変わらないだろうとあきらめているという読者の声も多いんですよ。
私は最近、「キレるのは性格のせいとは言い切れない」「何歳からでも人は変われる」と考えるようになりました。「突然キレちゃう」のも、単にコミュニケーションのスキルが足りてないだけなのではないかと感じるようになったのです。何歳からでも練習したら改善するはずだと思っています。
私と夫の共通の趣味は空手で、同じ道場に通っているのですが、最近はシニアの入門者が多い支部があるんです。60代から始めた人も通い続けるうちに上手くなっていきます。何歳からでも練習すれば上達する様子を身近で見ているので、何事も遅すぎることはなくて、やる気次第だなという実感があります。「性格が悪い」とか「人間性に問題がある」と身近な人の評価を始めると、ダメ出しするほうもされるほうも絶望してしまいます。私はコミュニケーションのスキルの問題なのだから人間性は関係ないと考えるようにしました。